天使というヒストリカル・アイデア
「今のギルドのことが詳しい人は誰もちょっと思うだろうけど……」
「はい?」
傍のチーム長は話を続く私にあえて問う。まあ、もしかするとこの話だけやって終わるべきかも知れないんだな。
「彼があんなにすぐ信じられて、もともとのあの十何年を仕事をやってるマギアのせんせいより優れてる能力を持ってるのが受け入れているのは、なんでか知ってるのか?」
そして、その話に彼はちょっと興味が湧くように、私に答えた。
「そうですね……確かに言われてみれば、どんなに能力主義の魔術師のせんせいたちの社会があるとしても、若い人たちが上にいるのも随分へんなことです。
まあ、普通考えると出身がいいのでしょう」
「そう、それもまたまともな推測だ。でも、彼も別にマギアとしての最上の家の人ではない。農園に関連したお仕事をする土のマギアの家系なので、もともと非凡使いは普通ではないが……あえていうと『ふつうの土の魔術師』だ」
「まあ。それは本当にマギアの人たちが能力だけで人を使うことになりますが、
レグノさんがこのように前振りをするということは昔話みたいなものの事前の始動だ」
「バレた。
そう、彼があんなに『少しの疑問なところも関わらず人気がある』という点は彼の家系ではなくて……能力も随分あるけど……名前の影響だとわたくしは思ってる」
「名前ですか。ウリエルのせんせいでしたっけ。でも、別に大天使ではないと聞きますよ、彼の場合」
「詳しいな……そう。彼だけではなくて、『彼ら全員の立場』を思うべきだ。ギルドからずっと行き来してきみも把握したと思うけど……アルティ・マギアの頭はいま、みんな若者だ。そして、他の人たちも名前が天使さまの名前になっている。長のラファエル・ムジカギルド長に、火のマギアのミカエル、水の堂でガブリエルさんも今来てるな」
「それも聞きましたよ。今回の代表であるガブリエルさんとあの人が幼馴染だということです」
「それ、普通にわかるんだな……」
「みんな情報は大事で、今回の私たちは『土』に雇われてるから、このあとに水路を再建するあいだの水の魔術師のせんせいたちとの協力はちょっと曖昧だから。『まあ、長と親しいところだから、結局私たちにも適当にしないだろう』とチーム員たちに言うためにはですね」
「なるほど。そこまで聞くときみも機敏だからわかると思うけど……そう。他の大魔術師のせんせいたちは正規の大天使の名前の人が揃っている状態で、土のマギアのせんせいたちには、『ウリエル学長が、もっと大事』なのだよ。そういう場合、アルティの中の専門分野が4つもあって、それが分かれてはいるとしても似たような強さと役割、お仕事を分担することになるので……そして、次の後輩に伝わる記録も残るから、そういうのを気にしてるからこそ彼らには自分たちの長が対等でなければならない」
「ああ、それもまた面倒くさい話だけどわかるな」
「そう。だから彼らは少しの保身や保守的な面があるにも関わらず、自分たちの頭にあの少年を上げた。8才の時だとか」
「そういうもんまで調べる人はあまりないと思いますよ。やはりレグノさんの情報網は凄いです」
「大事だと思うから」
私はこころを持って頷いた。
「なるほど。なら、あのせんせいたちは『そういう自分たちの立場もまた、大事な守るべきこと』になってるものなんだ。私は魔力お仕事のことはそんなに詳しくないけど、それぞれのものを扱う専門分野に変わってマギアたちの人としての性格も影響されると聞いた」
「そうだな。あの人たちは実際本好きばかりで、そんな感じなんだろう。新たな基盤を発見して、心の支えにしてるんだろう」
「そうか……でも、そういう場合、あの少年のせんせいが思う通り回らないと、それもまた不味くありませんか?」
「そこが非凡使いたちの『能力主義』が出てるところだ。さき私がここのぜんぶにあのウリエルさんの魔術が出てると言ったろう」
「言いましたね。怪物の雨を止めたと」
「そういう、『いったん同じ部類に受け入れたあと』は、徹底的に実力を中心に回るのだ。非凡使いはもともと活動できる時間が短くて、その間の重機のチカラのように、完全に強いひとは、素早いひとは他は『凄いと言うことしかわからない』みたいになるらしい。それは、私たちもちょっとは知ってる技術だけど、まだぜんぜん素人の場合には職人の仕事がまるで心を読むとか、材料を見抜く経験則があるのと似たようなものが、マギアさんの間もあるのだ。だから、あのせんせいは土のマギアたちをけっこう完全にコントロールできる」
「そして、『それだけではないかも知れない』のちょっとの一押しを、『あの人たちは天使の名前をもってるんだぞ』だ解決してくれるということだ。ちょっとわかりました」
「そう。本当に名前というのは大事だな、と今回の『大魔術』とやらに来ることになって、改めて感じた」
「レグノさんみたいに経験が豊富な人がですか?」
「ほんとうだよ」
今回はVtuberの天音かなたさんの影響で最近調べた言葉の雑談を書いた内容です。いつもそんな感じが多い物語ですけど。そして、天使の名前うんうんは。美術史のカラヴァッジョに関する逸話からパクりました。




