地獄耳の持ち主
そのなんかの討論会を遠くから見て、私たちは普通にここの工事現場、沼地からの更地からの農地を「もともとこんなところだったように」作り直すことをしていた。
「魔術師のせんせいたち、めちゃくちゃ喋ってますね。先から止めてないです。静かな人たちだと思ったのに、ちょっと意外だ」
「そんな人が集まってると、気が合うんだな」
「まあ、そういうのは確かにありますね。でもあんなに何を話しているのでしょうか?」
私はあえて頭を傾けて、あえて2秒くらいの間を作ってから答えた。
「そうだな。たぶん昨日の事件を説明したり研究したりしてるんだろう」
「私たちは報酬とちょっとのお土産話ができるからいいということですが、確かにあの人たちはこれからもここにあった事件の責任や、なんかここが変な魔物の巣になってた時の説明、権利問題などを処理する必要があるのですね」
「そういうこと」
わたくしは平凡の設計者のアルベルト・レグノ。ここでは別に森から非凡の生命を得てるものとして来たわけではなくて、普通に自分の「自動人形」としての次の代……後継機たちを作る為の素材が報酬で貰えるらしいから……それが欲しくて来ているものだ。
社会に潜んで生きている人間に化けてるもの。属性は金と木がメインだ。
その私は、実はあっちに喋ってるウリエル・モルテ教授や他の眼鏡君たちの話が、特製の地獄耳で大体聞こえていたが、本当にマギア特有の怪力乱神への適当過ぎる説明で、しかも聖堂の話に精一杯合わさなければいけないものだったので、「頑張ってるな」とちょっと思ってるくらいで、別に気にしていない。
「レグノさんは、昨日の事件はだいたいわかったんですか?私は魔力お仕事のことはちょっとわからなくて」
「そう。見て聞くことが結構できるから。
魔術の戦いが荒れていた。特に、変な雨が降って、それが毒液の雨だったらしいな」
「そうそう。野営地のところで、それ、普通に曇ったように見えたんですよね。別に変なものだという感じではなくて、にわか雨かな、と思ったんですが、それがなんと怪物の奥の手だったらしくて、ちょっと混乱しました」
「それにいちばん混乱したのはマギアのせんせいたちなんだろう。私も別に非凡使いではないからわからないが、面妖な気配がした気がする」
「そういうのは感じるんだ」
「ちょっとだけだった」
ああ、わかるとも。その「毒の雨」が降れたこと、そしてその森のもの……いや、夜空のものか?(そう言えばわたくしの客であるリソくんも、たぶん夜空から来てる少女なんだけど、どうしても感覚が違うのが仕方がないな)それを防ぐために、あの10歳のウリエル氏が明らかに土属性ではない技を出して術を張ったのを見たな。
それは……わからない。わからないわざだった。私はもちろん世界を歩き、神様のような名前を持ってる白神女とその神獣のような人生経験はないが、それでも何千年を生きてる。でも、ウリエル氏のわざは見ても、解釈ができなかったのだ。
いったん、土の元素魔術からのわざだ。それは確かで、今も彼らが無茶苦茶言ってる、多分何十年前だったら聖堂への侮辱になって大変になったかも知れない発想も混ざりながら立ててる内容でもちょっとのヒントはあり得るが……私は基本今の魔術師の歴史、魔術史ぜんぶを共にして生きていたわけではない。何回も砂漠を渡って色んな国に行って、どっちでも大体の仕事ができる平凡の大男は需要があるから、できる仕事をしながら、白神女と神獣が言ってたよくわからない「知識を重ねること」が心地が良くて、それに従ってた。
だからたぶんそれは、彼が凄く優れてるマギアだから触ることができた一時的な境地だったかもしれないけど、それはまさに自分の属性の超越して行われるわざだったので、「いったん……土属性ではなかったな」しか、私ができる答えがない。
それは、怪物……森のものたちよりも変な状況だった。より謎だったのだ。
今回の「毒液」は、たぶん昨年の「非凡の流れ星」が原因で確かだ。それからリソくんもなんらかのカタチで来ていると思うし、先まで私を呼んでいて、結局呼ぶのをやめたなんかの森のものも、その流れ星の影響でおかしくなってたのだ。そういうのは妖怪変化、あやかし、天災などの普通ではないが……たまにある事件なので、そういうのは逆に私も長年生きていながら、話を接したことは非常に多くて、自分の直接かかわった事件も何回もあった。だから、そんなに珍しい事件ではないと思った。昨日ウリエル氏が聞いた「毒の雨の原理」に関しては、私の常識的に木属性の怪力乱神は自分の場の中で、普通の草木ができることをより上位にできるので、その影響で沼地の水を汲んで空に配ったのではないかと適当に言ってたけど、もしそうではないとしても、それぞれの非凡のわざはそのものの思い込みと恒常性によって適当に決められるので(それはわたくしの「機械としての体」も似た様に、非常に適当だ。でも、私にはそれが自然なのだ)どのように具現できたとしても、そんなにおかしいことではなかろう。




