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高道

「大袈裟ではないです。いい意味での普段からの離れも、『高い境地(きょうち)過ぎて』わからない場合がある。まだ勉強の間のデュラの生徒が、実は『(ホール)』の建物にずっと充満している土のエーテルが大き過ぎてわからないこととも同じ。たぶんそのもっと上の中に僕たちはいた。仮初のもので、その媒体も面妖なものを使役したのだから今すぐ『これからの僕たちのやるべきこと』のように追求すべきものではない。ちょっと違う。もし発展があるとしても正道(せいどう)を歩むべきです。でも、またのまた、道の方向は違わない」


「ふうん」


「どうせ昨夜、エンブリオくんにも聞いたんでしょう?貴方様が構成要素の確認を抜くとは思えない。四属性(クアトロ)の彼はどう言いましたか?」


「まあ……想像できるだろう?ぼくたちには随分と難しい解釈だった。だから彼の四属性のとこを配慮して聞いてほしい。いいな?」


「わかりました」


「承知」


「理解しました」


「平凡の絵の具のように、一時的に土のエーテルの色が変わったりしなかったのかって」


メガネくんたちの眉毛がちょっと上がる。でも、すごく上がったわけではなかった。


「それは属性のベテランの立場ではまともな意見ではないな」


「学長が注意したのはわかったです。でも想定範囲です」


「うん。一つの非凡の世界を見るぼくたちは、土のエーテルの立場でものを解釈すべきだと、改めて思ったよ。彼も『おれの考え方での面白い話に過ぎないです』と先に言ったことも弁護しておこう」


「確かに彼は似た様な感じの『水の群青』『風の空色』なども行き来する化け物だから、発想が一段階、いや、一次元自由だな……」


良かった。受け入れてなくても、ここの人たちは(デュラ)という属性を今のそれぞれ自分の力量で『最高』になってるようなものだ。プロなのだ。だから、逆にその限界を知り、他の属性への配慮もできてるんだな。


「むしろ、学長が彼に必要以上に影響される必要もないのですよ」


「そう、心に置いている」


「それでいいです」


「なら、『魔術理論』ではなくて『(へん)(はなし)』として言いますか。エンブリオの解釈です。

つまり、状況によって、平凡の絵師が色を使う様に元素魔術のエーテルの色が変わるかも知れない。僕たちには『そんなことはない』ですが、一応それと似た様なことができる人もいる、というか、本人がそう。そして、昨日の『大魔術』の極端的な状況だ。そこで……ここで、ウリエル・モルテ学長は一時的にオレンジ色の土のエーテルを出すことになった、というのですね。

エーテルの(しん)(クロマ)を見ていいこと、すごいことを判別して恩恵を貰う僕たちマギアとしてはあり得ないけど、平凡の人の立場でまた思うと、興味深い話だ」


「そうそう。理解が早くて助かる。これから長年続くデュラによるエンブリオくんへのイジメ行為が始まるんじゃないかとちょっと後悔するところだった」


がはは、とみんなが笑った。


「僕たちも彼の先輩で先生です。以前の予想でもし彼が『結局フラマに行ったら』その場合はまあ、『あいつ知恵だけを吸い取って辞めた!!!』と悪口しますよ。それくらいは僕たちも人間だ。でも、彼は面白いのです。ちゃんとデュラでもあります『辞めた時も』そうですが、彼は薔薇の道を歩むことを決めた様に見える」


「そう」


「やはり彼女は大事だって」


「その話はここの雑談の場で学長命令(がくちょうめいれい)で禁ずる」


「わかりました……」


教授は話を続いた。


「なら、なんでオレンジ色と土色が行き来ができる?それが本題です。

平凡の絵の具のオレンジ色なら……赤。鶏冠石(リアルガー)からかな?」


「それが多いね」


「そして、土色に。つまり……『他の色と混ざった時』だな。彼の話からあえて飛躍すると、逆に巻くとこうだ。学長はふだん、『地面全部を(つかさど)る』わざが(のう)だが」


「いやいやそれもまた大袈裟な言葉だ」


「いや、原論です。規模の問題で、僕たちも全員大地を司るものです。デュラとしてエーテルを扱う間は、エンブリオくんもそうなんです」


「そう……」


ふだん話をしてないだけで、自意識が恐ろしく高い連中だった。


「その状況は貴方様が普段の勉強、鍛錬、修練。ガブリエル学長と同様にまだアルティに入る前にあったはずの様々な過去……でも使うことがなかった、『その地域の泥だった土だけを完璧に使役するための』絞った土のエーテルを使いたかった時だった。岩、石、砂、他の混ざりを除いて、ここの怪物の影響下の泥だった土だけを握る。まあ、改めて言うと彼の仮説でですね?

そして、それは学長が意図通り怪物の『雨』を縛って防いだことができた。そのターゲットを達成し、役目を果たしたから消えた。だから普段の土色の状態に戻ったのです」


ぱちぱちと、他のデュラが拍手をした。


「話の頭と尻尾は合ってる」


「うん、それっぽい」


ぼくは教授のまとめに頷く。


「やはりきみたちはエンブリオくんの説明より説得力があるな」


実はエンブリオくんの話はより絵の具のように……普通にエーテルの色を触れていて、「オレンジ色(プラス)紫色は土色になるのです」とかを言ってたけど。それは今の話をよりややこしくすることになるから、スルーしておこう。


「当たり前です。僕たちは貴方様たちの歳の合計の間、その辺りをエーテルの勉強をしましたので」


「確かにぼくはその時、きみたちにその雨が触れて欲しくなくて全力だったからな。そんな目的性で『土煙』を弾いたことは過去になかったことだ。これからも多分ないだろう」


「なら、エンブリオくんの意見は参考したし、『非番の流れ星』のチカラを学長が使役したという話に戻りますか」


「そうなるね」


「やはり変な状態だったけど、それは高い境地だった、ということで僕は納得です。もし似た様なことがあっても、後世のデュラに自慢できますよ」


「そう、魔術史の一部を共にしたということになるのだから」


うん。「ちょっとあやしい事件」ではなくて、「誇らしいこと」だと思ってほしい。


「もし話のどっちでもなかったとしても、今ここのこの心地よい土の感覚がありますから。別に変な感じがしませんね」


「まあそういうことで。学長が心配してたところは僕たちは大体受け入れました」


「ありがとう」


なら、本当にそのあとはみんな必須教養(ひっすきょうよう)のように読んでるダンテの話でもするとちょうどいいところだった。

そう、こんな支えがある限り、非凡使いだとして煉獄行きではない。たぶん普通の人と同じく生きて死ねるのだ。

四の堂の堂を「ホール」と読むのは『ドロヘドロ』から少しお借りしました。【土の時代】の展開にもちょっとそうです。

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