何枚も重なってるセカイ
「そうですね。ただの雑談ですが、まあ、ある意味本番に入りましょう。僕は一応昨日の『オレンジ色の土煙』のことを学長が説明してくれると、今の学術的なわけにも合って、時間の有効活用ができると思いますが」
「そう。それをいったん釈明するために言い出した。みんなのアイディアを借りて考えるためにぼくも話を出したのだ。
一言で言うと、ぼくも焦って適当に出したわざだ」
「ふむ」
昨日聞いた「毒を結合して土色になる」とかは、面白くもない適当な話だ。エンブリオくんに喋らせてこんな結論で、2つも上の男の子で、堂の師匠として非常に適当な態度……人のせいにすることだとも思われるけど、それもまたちょっと違う。「それはデュラのための説明ではない」ということだ。
彼はフラマ、アクア、デュラ、アリアのクアトロだ。その面では大魔術師たちより化け物だ。もしかすると普通の教授のくらいにイドとスフィアの能力が優れるようになると……それを四属性ぜんぶやると、ギルドの文字通りの「顔」にもなれるようなやつだ。つまり、「彼のことを、ぼくたちが理解していない」ことも随分とある。なぜなら、平凡の技術のことと非凡のわざのことを同時に考えるのが難しいのを……彼は普段2.5倍もやってるからだ。
普通の非凡使い……もともと非凡使いは普通ではないが、ともかくその中からぼくたちは「土」と言って大地を構成するあらゆるものをぜんぶ扱って固くもさせる……そんな人たちだけど。それと「マギアとして発揮しない普通の子としての」日常は明らかに感覚が違って、変だ。二重の世界なのだ。彼は単純にそれが「日常と、火水土風」という五つの世界を同時に見たり見なかったりしてるのだ。それは、ただ美的置物、平凡の美術の絵の具のように物事を見て思うしかないかも知れない。だから「非凡の紫を喰らうと土色になるから、キットウリエルせんせいは間違ってないのです」と言ってくれたんだろう。彼は頭が切れて同時に優しいからな。「おれの最善です!!!そのあとはせんせいが考えてください!」なんだろう。わかりましたよ。
「ガブリエル・ブリナのように広くはないが、ぼくのスフィアはいちおう『この世界の土のマギアの中でいちばん』広い。それで、怪物の戦いの最中だったが……きみたちもその中大変だったんだろう。
あ、そう。これはその報告も兼ねるところなのだ。学会のように別に発言権が書類で区分されてるわけではない」
「あ、はい。スフィアの干渉を最小にし、司令部の皆様が『巨木』と……もう1日が過ぎてよくできた魔法素材の土壌として、僕たちの安心感になってるあの怪獣と戦ってた最中……僕たちはそれぞれの組で戦いの支援をしました。ですが、戦いの後半、急に『毒の雨』が降ってからは、周りが全部汚れた水のエーテルのような状況なので、アクアの負担を無くすために離脱した組もいました」
「そう。それもまた『属性のマギアの組』の方法に原則として在するものだ。よくやった。
それで、ぼくたちももちろん、怪物のその悪足掻きで大変でありながら、ガブリエル学長の『霜星』が使えなくなったのだ」
「スフィアを普段より縮ませる必要がある、固有魔術なんでしょうね」
「そう。彼女の『群青』のエーテルをいっぱい集中させてものに出入りをさせて、なんか朝の霜のような、冬の寒さのような魔法効果を強いるわざだ。わけわからん。
とりあえず、植物は冬に活動ができないからか、彼女の予想通り怪物の枝と根の再生を止めて、戦闘は結構ぼくたちに有利に回ったけど、沼地をひっくり返すことは、まあ、誰もわからないじゃないか」
「そうなんです」
「だから、ガブリエル学長は周りを守りながら巨木が『毒液』を利用することを阻むことに集中。フラマのせんせいは威力が軽減され、今はギルドで起きてなんか書類作業の山に生まれてるはずの中央堂のせんせいはぼくたちの周りを守りながらみんなにお知らせをしたんだね。その中ぼくも『なんだこの奇怪現象は』と基盤を守りながらスフィアを広げてわかったのだ。『沼の水が全部無くなってる』ことをその時にわかって……それを司令部で共有したが、そこで別にできることもない」
「そこで、乾いた土が水を吸収できるようにしよう、という発想になったんですね」
「今までの前振りを返してくれ」
「ははは」
またみんながちょっと笑った。
「貴方様の部下なので」
「うん、そうだな。だからといって、範囲がひろすぎるじゃあないか。だから、その『泥水を付けれるような』土の起点が必要だ。できるかできないかわからないけどやるしかない。
それを探しながら、奇怪巨木の夜空のもののチカラの原因かも知れない部分に接触をして、それを元に沼地全部に『土煙』を張ったんだけど。ぼくも初めて見る威力になった。それが全部」
「そうですか」
「そのあと、ガブリエル学長が浄化をさせてくれたんですね。
僕たちは学長のことを多少崇拝する傾向があるものなので、『あの人はやはりすごい』状態だったんですが、聖人様のような経験はありませんでしたか」
まあ、なんか勝手に心に触る蛇の鱗のような声は聞こえたけど。そう言うのは『神曲』を読み過ぎたぼくの、疲れからの思い込みだ。
「別に。疲れからの耳鳴りがして、野菜スープが飲みたい気分だったと思う。宗教体験とはちょっと違うね」
「だから昨日はドカ食いして寝れたんですね」
「そう言うこと」




