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再建を始める

「これで、『前半』の仕事が全部終わったと、ギルド長、ラファエル・ムジカの名で改めて宣言する。この後もウリエル学長の工事を主に、水の堂の仕事と他のみんなのサポートがいると思うから、仲良く進むのだ」


「わかりました!」


(しゅう)(りょう)!」


パチパチパチパチ。


それで朝の行事は終わったところで、わたし、桜のドルイドのステラ・ロサさんは先の揺れがまだ体に残ってるような奇妙な気分を感じながら、こっちに来るギルド長を見てた。


「お見事でした!」


「ありがとー

それでは、私たちは本部に戻ります」


「ステラちゃんの荷物で十分なのは私も確認しました」


「はい、化け物のサンプルと……ネロさまのメモです。あまり来た時と重さは変わらないと思います」


「承知した」


アストラさんと一緒にテントから出て、マギアたちもギルド長を送るために空間を開いて、司令部の人たちが前に出た。


「それでは、納期に合わす為に頑張ります」


メガネくんのウリエル・モルテ教授だ。茶髪で備えてる姿。新品のワンドを(かま)えてる。


「うん、確かに当初の計画ではアクアのお仕事は工事に使うお水とも別に、沼の処理もあったと思うけど、それは怪物の悪足掻きでスキップできたと思われる。でも、そもそもの浄化するための水自体がなくなっているから、その部分が変わったのを上手く対処しておくれ」


「はい」


ガブリエラ教授が答えた。

確かに生きながら出会う全員に「どうせ心を読むと話せるんだ」のような堂々とした感じのガブリエル・ブリナ学長だったが、ラファエルギルド長のことをこころから尊敬してるように見えて、結構まことに真剣だ。ちょっと(ほお)が赤くてかわいい。

わたしは呑気に、エンブリオの奴は女を見る目がないかもしれないな、ともちょっと思った。


「それでは、危ういから適当に守ってね」


「はい」


そう言いながら、ラファエルさんはわたしたち3人の体を風の(ぬの)でまた巻いて、その上空からの平凡の風をいっぱい()(おろ)して、(スフィア)に溜めた。

まあ、今までエンブリオくんが見えてないのがちょっと惜しいが、(さき)見たところ、ぜんぜん問題ない、ただ「四の堂は一緒に戻らなきゃいけない」感じで、ただの政治的な理由で……

クッソ暇人の……人たちの体をあっためる仕事をやるだろう(それもめちゃくちゃ大事な仕事ではあるが、流石にここに集まってるフラマのマギアたち全員がいる必要はないのだ)彼のことをちょっと思って、光る朝の太陽をちょっと背いて、わたしたちは「(とどろき)」でまた飛ばされた。


「極対魔術、アリア・マキシマ!」


ドン!!!


「相変わらず派手なお方だ」


そう言ったのはもちろん、あたし、ガブリエル・ブリナだ。心で「ギャーー」と叫びながら見えなくなった……先の専属薬師に散々思われたが、別に彼女は悪意はなくて、たぶん「四属性」として出世(しゅっせ)が出来るかも知れないエンブリオくんの彼女として、せんせいの1人であるあたしのことをちょっと牽制(けんせい)したいきもちだったろう。あんなに神秘的で綺麗なのになんでそんなことを気にする?ちょっとわからない人だった。

とりあえず、あたくしの役目はウリエルくんがお仕事をしてる間、アクアの子たちと共に平凡の水を運ぶ、正確に言うと「自然な」川の道を開くことだったので、これはまた大変な……予定になかったお仕事になるため、「はあ〜」とちょっとのあえてのため息をしながらウリエルくんのところを見た。


「なんなん」


「いや、別に。そうよね、道具の整備も現場の掃除にもお水は必要なもんだ」


「そう、でも元々ここの怪物が平凡の水がないと沼地が作れなかったと思うから、その地下水を辿ると割と『道』は簡単だと思う。お水自体は……苦労すると思うけど」


「いや、逆だね。そのお水が枯れてるから。周りの地図とかがないと探すのも大変だ。みんなのスフィアをいっぱい広げて辿らないとできないんだ……え?要らないの?」


「そう、地図にもう周りの元の川の位置も示してるんだけど。読めよ」


そう言いながらウリエルくんは自分が持ってる地図を引き出してあたしに渡した。


「ありがとう。でもきみたちも必要だから、貰えないんだけど」


「言ったでしょう。これ、写本(コピア)が3枚もあるんだよ。『脱水』の汎用魔術(はんようまじゅつ)()に本当に忙しかったんだな」


「そうですよ。それがなかったら今の勝利も何人か犠牲者が出たと思うのです。あたくしは偉い。

なら貰うけど、その『設計者』の人は本当に全能だな」


「知ってる。知恵を引き出しても、心をくれないように注意する」


「うん、それが良い心構えだ」


あたしはオッケーのサインをして、貰った地図を確認して、みんなをどこに分けて水路を繋ぐと、これからの何年、何百年も耐える川になるだろうか、地下水ができる経路を見てなぞいた。


「学長」


そんなガブリエラを見るぼくに、同じ神曲愛好会の教授の1人が来て、工事の始めを告げる。


「うん、行こうじゃないか。それではガブリエル・ブリナ、ぼくたちは現場に向かう」


「なんかあったら伝令を送るよ」


「わかった」


たぶん非凡の歴史にも一文章に残るはずの、またもしかすると何も残らないかも知れない……とても地味な土の仕事。でも、それでも人の日常(にちじょう)(さわ)る大事なものだ。

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