デメリット
カオス・シードがそう考える理由はかんたんだ。彼女はまた、シックス・システマの夜系の一部でもあるから、いま目の前で喋っている自称ダーク・ウロボロス、あえて言うなら6500万年前あたりに滅亡した蛇人間の残りのカス、影の蛇の夜之魂のカタチをしている……このウンブラが「その毒属性を回収したい」と言ったら、自分のチカラに干渉できる。それは、植物の根が水を運ぶように、畑仕事の結果で地力がおちるように……吸われることだ。その危険性もあったと思ったのだ。だから、一応その毒属性を取っている理由を噓なくまことに夜系に伝えたのだ。彼女が自然に「私が同調してチカラが増しているだけで、その偉さの根源はやばいな」と考えれるように情報共有をした。
そして、彼女のその考えとおり、るるいはそんなことは欲してない様に見えた。
「そうだね。きみも知っているはずの鎖礎の定義に、私や山系のような場合、ちょっと『多くても』OKだ。ちょっと違うカタチに、私はぶにゅぶにゅが『その全部が1つ』という意味で分けれるし、ロロロロロは虫の群れが多いように、草木が林と森に栄えるように元の個体のまま多い、ということが慣れている。たぶん、だからこそ今はメロン色の髪形のカブトムシに化けて動いてるシックス・システマ・ロロロロロとは別に、型物理性の理できみの存在が許容されて、私もただこの世界のどっかのウロボロス信仰の中でこのウンブラを作っているのとは別にシックス・システマの夜としてのチカラはきみに伝わってる。つまり、個体としての塊を大事にする方のレッカやリン、ライトとは違って、きみに混ざっている六系の部分はぜんぜん数が多くてもOKだ」
「なにが言いたい」
「私は別にきみが勝手に動いても問題ないと感じたということだ。
そして、そうである以上、私に併合させようとか野蛮なことは考えない」
「うん、わかった。本人から聞きたかった。『情報』はわかっても、立場は感じても、私は私のままだ。シックス・システマのロロロロロのマリスだ。だからるるいの考え方自体はわからないから、『それでも』襲うかな、と思ったよ」
「しないよ」
それは以前ハスターに夜系のウンブラが聞いたことと似たようなことだったが、この場合ウンブラくらいではなくて「その偉さぜんたい」に関する話だから、より重い話だった。
「そうだね。でも、ロロロロロの立場では私は主だった部分だ。それは型物理性として回収すべきだということね」
「そういうこと」
「うん」
人の子たちの行事の最中だ。それをずっと六系が持っているのも制限されてるもので、るるいは去る処だと感じた。
「私は『毒液』の話を聞けてよかった。あ、そう言えばなんで毒だったのかな?隕石」
「そうね……ただ、平凡の子たちに草木から毒も出てるのが自然だから、対象によって催す属性が違うだけで、私には毒属性が発現されたのではないのかな?」
「そうか……そして、ハスターさんに言ってた言い訳ではそれから他の『星屑』を集めていくと、扱える属性もどんどん増えるとか言ってたな」
「そう。それ自体は私のメインの目的ではないけど、たぶん事実だと思われる。今回の『毒の沼地』のように、境界も張る事ができるようになると思うのだ。今も、ロロロロロとしての気まぐれでは、それのチカラで私の妖精たちがより多様なカタチに変貌するのも面白い事だとは思っている」
「でも、それはきみがもう本体が木属性とマリスのまざりみたいなものである限り、キャパの制限があるんじゃないかな」
「それが、スターダストがその属性の媒体になっているのなら、別に大丈夫そうだったよ。私はそんなに熱心に追求してないと思うけど、もともとは隕鉄って金属性じゃない。たぶん色々ある分、チカラもそれぞれあるんじゃないかな」
「まあ、確かに『クロマ・ムタレ』の属性も最悪にランダムらしいから、あり得るね」
「うん。あの人たちの家系はそんな似たような仕組みがあると思うから」
「なるほど」
「ならもう行きますか」
「うん、私はただ適当に祟りの影響が完全に解消されてないこの世の中をふらふらと、行き来しながら物見をしたいと思うのよ」
ウンブラをずっと映って動けるようになってからのやりたいことがそんなもんだというのが、けっこう最悪の宣言だったけど、だからこそそういうのがこの世界のメンヘラの全ての集まりの、夜系だとも言えた。
「なら私は……綺麗なドルイドの姉ちゃんくらいかな」
そう言ってカオス・シードは、自分の黄金の戦利品を完全に見えない様に隠しながら、手で自分のぶにゅぶにゅを握って、一回引っ張って放したら、その姿はハスターを釣った時とも似てる、平凡の子のカタチになった。
「なるほど、あ、今都会ではドルイドは禁止な」
「それはなんか最近見た娘が教えてくれた」
そう答えるカオス・シードに頷いて、随分と話したように……夜系・るるいは型物理性を握って、魔術ギルドの野営地の方面に投げ出した。
「じゃあ、また話せる時まで」




