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わたしも炎矢みたいなの撃てばいいじゃん

国の間にはいっぱいやり合いがあったりして、色々な理由があろうけど、民はそのでかい流れに仕方なく流れる事が多い。

わたしの家系はそれから逃げたと聞く。

たぶん、わたしはクララは村で生まれてるからそんな大事(おおごと)との関係は薄いけれど、その両親と、村人の他の人の影響を一生受けてるから、間接的に「平民には重すぎるんだ」というイメージが強く今も思われて、自然に、ステラ・ロサというぜんぜん別の(ことわり)で動くものになっても大事(おおごと)は避けたいと思ってる。そしてドルイドの生き方もだいたいそうだから、そこは、まあ、桜のドルイドとして正しいとも言えるだろう。


でも同じ術を使う珍しい平凡のものだとしても、非凡(エキストラ・オーディナリー)の技術を扱う平凡(オーディナリー)のものとしても魔術ギルドの魔術師たちはドルイドとは違って、そういうところに、大事(おおごと)に、専門家として待遇が良いと聞いた。

少年は「炎矢(フレイム・アロー)」とか()ちながら、平凡の兵器から身を隠しながら生きるとか、いやいや言ったけれど、でも、それ自体も恵まれている仕事ということもちゃんと知っていながら言ったけれど(あいつは頭がいい。たぶんわたしより2歳くらい年下でそうなんだから。彼の才も凄くて、教育というものは凄いもんだな)

まあ、火はいつも強くて怖いもんだから、「元素魔術(エレメント・マジック)」の中で、戦いで一番働いているのは「火」の魔術のようだ。わたしもぴんと来るんだ。たぶんそうだろ。

聞くには「炎矢」という(じゅつ)触媒(しょくばい)潜在(せんざい)するつよい火のちからを放して、燃やすちから、消されないちからなどを増した火の矢を作って敵陣を燃やす恐ろしい(わざ)なんだけど。

もちろん「矢に油塗って火付けるのと何が違うのか?」とか、狩り人の娘であるわたしは今も思っているけれど、そこは優れた取柄があるから、騎士団とやらは、軍隊とやらは一種の傭兵(ようへい)として魔術師を(やと)ってるのだろう。わたしは絶対軍師の才はないだろうし、兵士みたいになっても、1戦闘の中でパニック来てなにがなんだかわからなくなる自信あるから、そこは自身の限界を、境界を見極めて、他の上手い人の判断を広い視野で見て流すことが大事(だいじ)だ。多分魔術師は戦闘方面で凄く有能なのだ。


そして、だから、考えたのだが。「木」のエーテルでもそんな技ができないだろうか、と考えながら、白い「花びら」の手品を続いているステラ・ロサちゃんであった。


「燃やす」とか「光る」とかはあまり合わないとしても、「木」のエーテルはとりあえず力を吸ったり自ら成長したりすることが得意だ。その「吸う」特性を上手く使うとわたしの戦いの決め手にならないだろうか?

草木(くさき)がそうで、我らはそんな世界に生きているから、変ではないはずだ。


「うむ、そのとおりだ。この世界は、わたくしが知ってる環境と比べると「緑色」が凄く多い」


狼さまがそう言った。


「今、冬なんですが」


「それでも多い」


確かに。

「悪魔」が生きていた環境と比べると、ここは言うと「木」のエーテルに恵まれている世界で、その点で言うと自分の力が強い環境では無いか、と考えて、またちょっと調子に乗ろうとするわたしであったが、ここはちゃんと「開発企画(かいはつきかく)」だ。

「木」の「炎矢」はできるのだろうか?


「うう、余ったエーテルをうまく使う事ができたら、すごくいいと思うけどね」


そうしたら理系(りけい)の話だ。

「矢」と言っても、ドルイド含めて術を使う奴は大体力技の専門ではないから、ほんとに弓を引く訳ではない。それを「炎矢」はどうやって推進力(すいしんりょく)を確保してるんだ?自分の境界の外に、勢いよく飛ばせる方法はなんだ?


うむ、まずは自分も「深紅の悪魔」の奴らとは違う形で、自分の境界を超えるか、広げるちからが必要かも知れない。

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