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水玉言葉の試演

「うわ、ぷにぷにだ。ちょっと冷たいかもです」


引率のせんせいはなんか犬の頭を撫でる様に、慣れた感じで水玉を触った。どうぶつ飼ってるのかな?


「でもスフィアで掴んでますので、ほとんど付かないと思いますよ。そして、そうしながらもこれ、わたくしの使い魔とはちょっと違うんです。この魔術が独立してます」


「そうですね。だから触ってる。これなかなか可愛らしいですね」


「そうですか」


確かに普通の使い魔だったのなら、まるで彼女があたしの頭や顎などを撫でるようなことだから、それは絵的にも親し過ぎて、気分と立場はより変だ。


「まあ、元々使い魔は大体その術師の魔力でできてますから。その分量の比率と目的性(ターゲット)によって色々種類が変わるけど……基本私たちの延長だ。感覚も繋がっててスフィアを共有する。でも、この子は平凡の言葉を喋るために作ったんですね。そう言う目的なら非凡の言葉で意思疎通ができる使い魔は別に意味がない」


「よくご存知に」


「それは、堂の告知は大体見てますから」


確かにこの人は普通にミカエルさんを支える堂の大人の1人だった。あたしたち同様、すべてのフラマの動きを全部把握して、平凡の戦争への派兵、非凡科との助力などを全部管理する人の1人なのだ。


「なるほど。そして、この魔術を初めて作ったばかりに、偶然通ってたラファエル・ムジカギルド長が面白そうと言って、テストもやってたんです。こちらを押して録音することができる。その後の姿の変形はあたしが示さなきゃできないです、などなどをですね」


「録音?」


「平凡の音を記録するのです。だから録音。それが、わたくしのスフィアには直接届かなく、この魔術に記録されるものなんです。それを()()()()()()()()()()()()()()()()()を水玉自体がわかっている」


「はい、それは四の堂を全部出入りするエンブリオくんから似た様なことを聞いたんです。なるほど、その話はこの魔術のことだったのか」


「……なんでも喋っちゃいますね」


「彼は多分、話が人の4倍あるのです」


それもそうだ……。そして、それは彼のいい点だ。


「あはは、なるほど。

そして、その『魔術が自分の行いによる平凡の結果を先に知る』のがわたくし自身にも全然理解ができなくて。これもウヌスのままですね、はい」


あたしは水玉の録音の部分を押して、話を書いた。


「勝った勝った」


ポチ。

その水玉は、「勝った勝った」と、平凡の言葉であたしの声を真似た。


「ほうほうなるほど!こんな道具は見たこともない。

でも、それを伝令として使うというのなら、平凡の物体なので、平凡の軍事の場合と同じく……敵性勢力(エネミー)に攫われて使われる可能性もありますと」


「はい、その通り。その問題点もあるのです。もともと平凡の操作でできるのが理念であり意義ですから、これをどう合わせば非凡さと共に平凡のものとしての利用ができるか。実は、ギルド長にもそれは×(ばつ)でした。このままの開発はおすすめできないと」


「確かにラファエルギルド長ならそう判断します。情報の伝達は風の魔術師の得意技でもあるからよりそうです」


そう言いながら、彼女はただ感触が気に入って、ずっと水玉を触ったり、押してみたりした。


「今までで一番評判が良くてちょっと嬉しいです」


「まあそうですね」


そう答えながらもやめない。


「あはは!そして先の戦いですが……これを使ってただ浄化や水の操作の時に使える平凡のお水の魔力素材として使う気でしたが、化け物に利用されて結構最悪でした」


「なんか毒液の爆弾を弾きましたね」


「はい、水属性の技ならまあ普通に水を浴びるだけですが、平凡の毒液はそれ自体が人の命に関わる魔術効果を持つ様に思われる。険しい術でした」


「すぐ防いでくれて助かった」


「本当そうです」


「だから、より固くした方がいいのかなーとも結構思ってますね」


引率のせんせいはニッコリと笑った。


「まあ……気持ちはわかります。でも、私が感じるにはこれ、結構丈夫ですよ。その『非凡の面』では、あいつが強すぎて仕方なかったんです。偉さがおかしいんです、あれ」


「まあ、確かにそんな奇怪な面も、このあと中央堂から来て見てくださると気が楽になる気がしますね」


その話を聞いていたら、助教さんが言い出した。


「そうですね。私の考えが不足だったんです」


「どうかされましたか?」


「いや、実は今回の大魔術は私たちアクアに一番最悪だったんじゃないですか」


「普段の人力も吸われて責任問題も得ますね。解決できたようで、本当に良かったです」


「はあい。だから、沼地の残っている毒液の方を残すのも、1つの手ではないかと思って学長に話したけど、確かに学長の水玉の魔力を犯すことができるくらいの魔法生物なら、それはただものではありません」


「そうですね。調査させた方がいいです。そして、私も偉そうに言うのもなんですが……わりと非凡の占星術は私たちアルティが平凡のお偉いさんたちに『それっぽく』見せるに結構偉い役割をしてるので。できる限り互いに合わせた方がいいと思います」


「なるほど」

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