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フロスト・ノヴァ

スーーーー


毒の爆発が収まって、その場は紫の霧が濃く残った。

でも、その次の瞬間、突風と共に霧が去り、紫色が一点に集まって、地面に落とされる。アリアの魔術で霧を消しながら「水の堂」ガブリエル・ブリナが全方向に「浄化魔術」を強いて、その残りの紫色のエーテルを押して、戦場から排除したのだ。


「確実に埋めるよ。『封印(ふういん)!!!』」


そして、地面に落ちたその残りはウリエル・モルテが完全に周りの泥で潰し、穴を掘り、埋めて無くした。

「猛毒弾き」の残響はフラグとしても残らず、毒属性(マリス)のその効力を完全に失ったのだ。

フラマの教授が姿勢を整える。


「危ない危ない……助かりました」


周りの教授たちを水のエーテルで引き出した臨時の平凡のお水で守っていたガブリエルは、その防御を解除して、怒りながら叫ぶ。


「本当〜〜〜に意味わからない!先の変なものを見せたのはなんで、そしてなんであたしの『水玉』が破られたのよ!硬いんだよ、わりと」


「その存在自体が邪悪なんですね」


ウリエル・モルテは一回自分の額を撫で回して言った。


「予想以上にマギアの運用が上手いな。しかも、ちゃんと怪獣(ベヒモス)として重くて強いから、対マギア戦闘に絞って戦うのもできないのが難点だ」


「そうですね」


アリアの教授もエメラルドのワンドを持ち上げて尋ねた。


「他のマギアたちにも知らせますが???」


「うん、よろしくお願いします。あたしの魔術が吸われるくらいなら、その手下が生徒たちの水のエーテルに触れれる可能性も高いでしょう」


背の高いアリアの教授は頷いて、自分のワンドに集中した。その次、沼地全部が鳴る様に大声を上げて叫んだ。


「司令部から告知します!魔法生物(マジック・クリーチャー)の水の親和性が想定より高いため、なるべく平凡の水の操作は控えめにし、アクアの各員はプランB(ベータ)通り新規魔術の『脱水』で支援すること!!!」


き〜


その大声に、戦ってるマギアも毒草もちょっとビクッとしたが、その次の瞬間、それぞれの戦いを再開した。


「お言葉ですが、ガブリエル学長もあれを使った方がいいかと」


その提案に、ガブリエル・ブリナは悩む様子だった。


「でも、スフィアが縮むのよ。毒液に柔軟に対応できない」


そこで、一行の周りの地面を整頓し終えたウリエル・モルテが言った。


「いや、先の感覚で『(むらさき)』はここの泥に付着させると対応ができることを確認した。ぼくがカバーする」


むーとちょっと悩んだガブリエルは、彼女たちの意見に同意した。


「確かに、今までずっと主張した魔法効果が確認できる時ね。いいわよ」


そういう話の間、ずっと些細な、でもいちいち命取りになる威嚇的な根と枝の攻撃を、焼いて防いでいたフラマのせんせいが言った。


「私が爆発させます!続いて胴体に一発お願いします!」


「わかりました」


「ならそのバックアップはこちらで」


フラマの準備の間を、突風の魔術が守った。

それは普段の「フレイム・アロー」の様なものだったが、彼女が持ってる黒色火薬を大丈夫だろうかと疑問が出るくらいにいっぱい集めて、何倍も大きい火のエーテルを精錬し、それを奇怪巨木の前に投げて、他の生徒たちの魔術とは段違い規模の爆発をさせた。


炎槍(フレイム・スピア)!!!」


どどどん!


そして、アリアの魔術がその「フレイム・スピア」の扱いの間の攻撃を阻み、爆発後の煙もすぐ払っだ。そこに、ガブリエル・ブリナが飛んで、サファイアのワンドを狙い、魔術を使う。


固有魔術(ウヌス・アルス・マギア)霜星(フロスト・ノヴァ)!」


タタタタタタ

ズン!


絵図の流れ星の様なトゲトゲのアクアのエーテルが目的地点をさし、そこから平凡と非凡の水が何回も膨らみと縮みを繰り返した。その方向性は奇怪巨木のイドの中心部にある平凡の水を叩き、ズタズタになったそこから強制的に圧縮されたアクアのエーテルを入れ込む。平凡の光の反射がまるで氷の様な姿になった。いや、「霜星」の的中で、実際に凍らせたのだ。


「ぐわー!!」


その瞬間、近づいた彼女を狙って、木の中心から猛烈な反撃が出てきた。傷口から毒草が作られて、うじゃうじゃと出るのであった。でも、その先にウリエルが地面を動かしてガブリエルを戻らせた。


「おりがとー」


「効いてるかな」


怪物の回復の速度を観察して、一行は明らかにその気勢が弱まってることを確認する。


「よっし、できました!!!」


「夏になる頃の今、当たるには痛すぎる霜だ。冬の間見つかってなかった事から考えると、普通に草木として寒さに弱くて、冬の性質はこいつに効く」


彼女の言葉通り、周りの毒草の動きも明らかに鈍く、フラマの教授が容易く「火炎壁」を立ててモンスターを一掃した。


「流石です!!!」


「えへ」


「このままで行こう。地面はぼくが見張るからガブリエルは見なくてもいい」


「頼んだ」


「はい、攻撃に集中してください」


ガブリエルはまた、周りから毒液の攻撃があってもいつでも対応ができる様に、そして「霜星」も撃てるように……スフィアのカタチと方向を調整して、そのために地面に手を当てて、巨木の方を見た。


「つめた」

元素魔術・土、「封印」は普通に強く埋めるわざです。でもそれっぽいからそのそれっぽさのミクロ・ヒストリアから来る「封鎖の物語性」がちょっと働きます。

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