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シックス・システマ・リンの下部、そのアクア

本当に心が読めるかも実は、本人から話しただけなんだ。時々エロいその人は、「あたしは天才美少女だからできるのよ」と、わりとギルドの中では公言してるのだから。はったりかも知れないし、より凄いかも知れない。もし彼女の「心の言葉を読む目」が人の「水の動きを読んで」次に言おうとすることがわかるだけなら(もちろんそれも凄く凄いけど)人の心の記憶などは読めない筈。他は「そういうのも出来るかも知れない」を与えながら情報で埋めると良いのだ。いくらでも圧迫と先取りの手段として使えるのだから。でも、逆に彼女の目がそれを超えてあらゆるものが読めるなんらかの方法を持つものなら?

おれは「実はステラ・ロサさんはムー大陸の賢者の国がなになに」する話まで……心の底の底までおれが(のぞ)かれてるのではないか、ちょっと不安でいながらも、まあ、そうだとしてもガブリエル・ブリナ教授は言わないんだろうなと思った。

なぜなら、それが利得だから。基本、おれは好かれる生徒なのだよ。

だからいったんガブリエル・ブリナ教授のことを思った次に、おれは彼女と教授さんたちから学んで最近身に付けた魔術のコツを思う事にした。


「『術は実は結果を知っている』ということね」


爆音で走る馬車のなか、おれの声など誰にも聞こえるはずがなくて、その内容も「なんだそれは。なぞなぞか?」みたいな言葉だったけど、おれはちょっとそれがガブリエル・ブリナが、ガブリエラ・ブリナが短くないマギアの(ちょう)としての経験をしながら見つけた、本当に大事な心得だと思った。

なぜなら、おれがその言葉のおかげで自分の魔力操作ができるようになったからだ。特にアクアの「スフィアのそとのものを掴む」ことの。

おれは基本ミカエル教授への憧れで騎士小説を読み過ぎた。だから平凡の兵団の知識が役に立つフラマもよし、話をいっぱい積んでどっかに使うデュラでもよし。そして、流行りものを好むアリアにも合うのだ。でも、そのような行動の傾向は(単なる小説の耽読(たんどく)だとしても)アクアには向いてなかった。ぜんぜんだ。

アクアは……自分のなんと言えばいいだろう……自分がものを作ろうとする心も大事な分野だからだ。これは雨が降って水が流れ、さまざまな形を作って海に行く、もとのお水の性質とも似たようなもので、おれはその面では「作られてる物語を好む」人だから「自分が持つ物語を外に出す」感じではなかったからだ。


「まあ確かに、『夢』がなかったら今頃『四属性として続く』ことは難しかったかもしれないけど」


でもそこで「使うとダメそうな」賢者の国の夢があったのだ。他人の記憶があったけど、おれは愛するステラ・ロサさんの姿を覚えるためにその、1回だけだった筈の「灰色の呪い」の夢のファンタジアの再生を自分の頭のなかのコピアで見過ぎていて、もはや「ムー大陸のエーテルそのもの」のヒトのことが自分の体、心のようにも感じれるのも事実。その人はどうぜん非凡のものとして膨大なエーテルを扱う事ができて、その中で水属性のような感じを自分の尻尾やそれに等しい感じで(あつか)った。おれは「その方法を使ってもいいのか」本当にわからなかった。ギルド員はマギア、非凡使いであり聖堂の権威を通ってるもの。考える事自体は罪を問わない。話も私的なところではちょっとセーフだ。でも、そのカタチがなんか水のドラゴンの尻尾のようなものなら?変だろう。立場が大変になるのだ。

だからおれは「ああ、それで一発なのに!!!」というのを無意識で悟ってしまったけど使えてなくて苦しんでた。だけど、ガブリエル教授がそこで「そのあとの結果まで想定してみ」と言ってくれたから……まあ、そう想定したら大丈夫そうな気がしてて水のエーテル操作が伸びたと言うそれだけのことだけど……これがマギアはちょっと複雑なんだな。


「せんせいは、多分その『水玉言葉』を開発しながらわかったと言った」


属性が関係なくて、しかも平凡のお水で体を維持していて、類は使い魔「ではない」魔術のままで姿も変えて飛ばすことができる伝令としての魔術。それが「自分が出すであろう平凡の音を知ってる」というのは、かんたんに思うと同然のことだった。それは、知ってるから出るでしょう?

でも……「本当に平凡の音で」出るのがここは問題というか、彼女の天才性を示すことだったのだ。

音が出るのは人が息をするから、口を動かすから、リアルタイムで考えてる頭があるから。

そう、「水玉言葉」はそのどれもない。あるのは只のよくわからない群青とワイン色みたいな姿の平凡の水の色だけだ。飛ぶために鳥になっても平凡のお水なのは同じ。走るために獣になってもまた同じなのだ。

なのに、その魔術は()()()()()()()()()()()()()()()()()を自分自身が知ってる。

うん。これは本当にアクアを超えて魔術史の革命のようなものになりそうな予感もするが……たぶん彼女はそれも「水の堂」のために徹底的に使うだろう。

「水が答えをしってる」とかなんらかの本が韓国語で翻訳されて割と流行って家に1・2巻があった覚えがあったので、ガブリエラちゃんの軌跡はその影響もけっこう強いです。作家はそれは単なる戯言だという立場です。勢いは価値があるけど。

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