コアと境界ってそういう
ブイオさまに「深紅の悪魔」の死の仕組みを聞いて
「あ、それがコアの境界のことか」と改めて思った。
一回言ったというのは、その時だったかもしれない。
つまり、その、「どこからどこまでが自分か」が決まっているのがコアで、器で、境界なんだ。
そしてそのコアが自分を決めているから、器を維持しているから、逆に、器が壊れるとコアも持たん。
自分も非凡。名前は器。そんな感じだったのか。
わたしの器が「もう、無理」になると、「不安定なコア」が砕け散るというのもそうだ。
しかもこのわたしは深紅の悪魔との、「もう散っている」深紅の悪魔との混ざりなんだから、今の自分…「ステラ・ロサ」という星の名前の器が壊れると、零れちゃうのだ。自分の中を満たしている成れの果てが、そのまま出て、溶けてしまうのだ。
花びらが散る様に、きのこの胞子が振る様に、泥が溶けるように。
はーなるほど。そんな感じ。
そんな体になってるんだ、と思った。
人としてもう終わってるわたしであるが、死は怖いもんだ。みんながそうだろう。そして、一回ものになったわたしは、なんかよくわからない形で続いてて、またの終わりから逃げて、なるべく全力で足掻いていくことにしてる。もう一度は無いだろうから。
うん。
「うん…」
「なんかもう人の3倍くらい覚悟してたと思ったのに弱音だな」
言葉が漏れちゃった。
ブイオさまはやさしいのか、厳しいのか。
「今も大丈夫です。深紅の悪魔との戦いは全然大丈夫。「やはりあいつらも生命だったんだ、罪悪感感じるわ」みたいな感じでは全然ないです。ただ、「そのように自分が脆いんだ」が来ていますね」
自分中心のステラさんだった。
呆れたと、でも悪くない感じで、狼さまは言った。
「ガチで脆いんだよ、おまえのコアは。
だから、自分の方向性に集中することは大事だよ。
ちゃんと磨くと、最小、日常生活中に急に体が崩壊するとか、そんな心配はないからな」
「はい。自分の使命に頑張ります…」
筋トレは生きるために、維持するためにするもんだ。
うんうん。
そして境界だ。境界は、あれね、普段は器だけで定義されていて、人の体のように、非凡は「自分が思うままにエーテルが感じられて、制御できる」範囲が普段の境界なんだ。けど、集中したり、いい環境に立ったりすると、ちょっと伸ばせるという感じね。
それは今わたしができるようになってる「花びら」の制御がまさにそうである。
「目障りなだけじゃん」
いま自分の非凡らしい唯一な才なんだけど、これが今からの旅に、桜のドルイドの冒険にどう役立つか、ぜんぜんわからない。
「木」のエーテルになっている白い花びらなだけだ。
でも、とりあえず暇つぶしにいいから、心の修行になるから。少年がそうしたように、わたしもエーテルの操作の練習も時々することになっていたのだ。




