きのこにはきのこの神様がいるのだろうか
人は1つを考えちゃうと、考え込んでしまうと、他の話題がデカくなるまでは、そして「いま急いですべきこと」が現れる前には、その考えから離れられない存在だ。
普通の人ならみんなそうだろう。
最小、わたし、ステラ・ロサはそうですが、どうでしょう。
「おまえが普通の人で合ってるかが、もう諸説紛紛だと思うけどな」
さりげなく心の言葉を読んでちょっかいを出す狼であった。
紛らわしい。
「それでも、わたしは自分を人間だと思うのでー
というか、頭が白いだけで普通のドルイドの女の子なんです。
逆に怪しいところは、女の「子」の部分かも知れないですね。デカくなった」
「それは前も言ったな。10歳としては大きい感じか?」
長さ250㎝を誇るデカい狼はそう言った。
怪しいところは共にする狼のサイズの方がもっとも大きかったけど、まあ、それは影が薄いから安心だった。
「なに言ってるんですか。当たり前じゃあないですか。わたしの母と同じなんですよ。それは大きい。」
「そか」
「そか、じゃないですよ。あーあー悲しい。病弱なわたしはいつか大きくなって、そんな大人になりたかったんです。長生きできないと知ってたから。
だから「星化」の時に、その願いが反映されたんですね。今の体はその時の悲願だったんです
多分」
もちろん父よりは小さいけど。まあ、そんな感じだ。
狼は複雑な表情で
「そういう話になるか」
と曖昧に言った。なんだよ。
ともかく、わたしは「深紅の悪魔」にも神様はいるのだろうか?という、どうでもいい案件を頑張って考えてる中だ。どうでもいい過ぎて、正直「海の水、飲んでもいいかな…???」の方が興味深いほどだ。とりあえずそいつらは人を食って操る邪悪な存在で、もしそれがそいつらの性質に合う行為だとしても、被害だし、わたしが人間としてキモいと感じるから、殴り倒してエーテルを自分のものにすることに全然 抵抗感がしない。
つまり、「脳波の会話」とやらを交わすことも無く、コミュニケーションは知ったことではなくて、神様がいるか否かもどうでもいいのだ。
たぶん「狼の星」に住んでいたであろうその悪魔たちが、どんな生活をしていたか…くらいはこれからの戦いに頼りになるかも知れないけれど、ここはその星ではないだろう。知ってもあまり意味ない。
でも暇だから…そして、
狼さまが「答える義務はないね」作戦に入った以上、自分が勝手に想像するしかなかった。
神ね。
「型物理性」とやら自体を神様にするとか?
ふん、でも、それもちょっと違う感じだ。
なんか「水を飲まないといけない」「眠いと寝る」みたいな根本の常識みたいなものだ。それはないね。
きのこみたいにぶにゅぶにゅだから、ぶにゅぶにゅしてる気持ち悪い形の親玉を崇めるとか、そんな感じかな。
「これは驚いた。正解だよ」
「正解かよ」




