素と性と種
「3つか」
わたしは自分の我流のエーテル理論みたいなものを説明しながら杖を振るのは確かに大変なことだったので、いったん動きを止めた。
「もう香水魔術を何種類作ってるのでブイオさまもご存じだと思いますが、わたしは物事をその素顔のような性質、仕方がない体や心の特徴、そして周りの環境の影響。こう三つに分けています」
「それは知ってる。クララはそれで分けると『喋っちゃう』『弱弱しい女の子』『田舎娘』だ」
「だいたいそんな感じです。そしてこれもまた三つ、6つに分けるのです」
「複雑だな」
「でもこう二重に分ける時は考え方によってはどっちが『やっちゃう性質』か『持っていて離れない性質』かが変わったりする。だから連想して付けたけど、ここからはクララ基準で体と心と魂に分けます」
「たましい?」
「クララの時期は上手く言えなかったけど、アストラさんと話しながら現代のスコラ哲学とやらと比べたら魂が適切な用語だった。つまり、体を動くために使われるもの、心を動かすための、そしてもっと大きい意思に関したものです。理想とか役目とか」
「なるほど。完全に我流だけどなんらかの体系はあって、それはクララという子の基準だと言うことだ」
「そうです。もともとわたしはドルイドのばあちゃんの影響でそんな形態を作って、彼女は魔術理論と同じ流れから来たドルイドの呪術を知ってる人だ。間接的に影響されるしかないのです。
いったん、体。目と耳と鼻と指の感覚、体に力が入れるか、体の感覚が上手く繋がっているかを見るのです。これがアルマとしての廻と似たようなものだ」
「アルマと同じなのか?」
「もしくは平凡の軍人かも知れません。わたしは体を動かして感じることからがもう大変だったから集中したけど、それが今のステラ・ロサさんから見るとアルマが自分の体を感じて握ることと似ているものなんです。魔術理論とは違う気がします。これに適応するためにちょっと時間がかかりましたね」
「初めては死にそうだったな。別に体は不変で、わたくしの星のエーテルを貰ってるからチカラがないわけでもないのに、クララの体力の無さが体を動かす方法と繋がってた」
「そう。でも今は杖道のノルマをぜんぶ終えても疲れない。まあ、今この瞬間はやってませんけど」
「そうだな。そして確かに、『兵士の国』の杖道も非凡使いだったら武芸を闘技のカタチに発する事ができるはずだから杖道に慣れながらクララの方法が新しい体に合う様になったということだ」
「そう体を纏わったら、自分の心を見る。今。『今のこのわたし』が思うことを見る。そしてやるべきこと、自分が要る処の情報、今の状況を自分がどう感じているかなどを把握するのです」
「それがクララちゃんとして、いつ痛すぎて倒したかを見る方法だったと言ったな」
「そう。そして急に目まいが来て瞬間的に意識が飛んだ時も自分を俯瞰する事に役立つのです」
「おまえは考え過ぎだ」
「いやいやそれほどでも」
「まあ、その後はなんだ」
「わたしの身分についてです。自分自身と、その自分が感じる事、今すぐ思い出せることについて診たから、いったん『そう、わたしは白い子のクララ。今日もなんとか生き延びた』までは考えることができた。そこから『村長の娘』『今は家族はそれぞれどの活動をしているのだろうか』『今の時間を感じてわたしがやるべきこと』そしてそれらが終わってちょっと余裕が出たら、森の姫様のことを考えますね。それで大体完成だと言うことです。適当に言ったけれど数えると多分3の6で18種類になる」
「そして、それだけじゃ別に非凡の術でもなくてただクララとして体と心を動かすための方法だったんだな」
「そうです。本当の本当にやばい時は効かなくて、だから自分が息絶えるその瞬間は頭の頭痛が痛くてしょうがなかった。結局、別に非凡のチカラで平凡の自分自身の体の痛みを和らぐ感じの特別な方法があるわけではないのでその考え方ではただのわたしの妄想です。でも、実際にこの方法をつかってわたしはわりと安全に横になったり家族に失礼な言葉を言ってなかったり有用に使ってたので、別に非凡の術ではないけど、平凡のわたしにはいい方法だった」
「そうか」
「わたしがブイオさまとの『星化』を行ってからはわたしはクララでありながらも花びらサイズの深紅の悪魔でもあるので、たぶんこの『クララとして』の生き方で動いて回ってるからわたしの花びらは平凡のものとして人々に見える物なんです」
「そう。だから自分の術にうきうきして少年以外の人に見せるのはひかえめにした方がいいけど、今までは深紅の悪魔に襲われる人たちに抑えてるな」
「別にわたしは桜のドルイドとして堅実に生活ができると、それからのめっちゃ高度の術を磨く感じではないので。その坂道の目指すべき目標は、自分の普段の生き方と態度が集まって続くものなんです」
「そういいながらも必殺技は頑張って作ってたが。結局名前も付けたじゃないか」
「それはただ新しい武芸という意味で付けたんです」




