宇宙的事件の確率
「わたくしは神話生物理学に基づいて行動する機械のようなものだと見ると良い、星だ。その機能で言うと、少年が話す魔術理論や平凡の技術みたいに、物事を数えて考えることができる。『天文学者の計算士』のようなことが超強いバージョンでできるのだ。そして、そんなわたくしが数えても狼の星からここまで情報が行き来することも大変なのに、『ランダムに』飛ばされたなにかの星のワンちゃんの粒みたいなものがこの世界に届くことは、それはほぼない」
「これはまた難しい話だ」
わたしは普通にクララとしては理解ができなかった。だから今は完全に深紅の悪魔の成れの果てとして考えている。ちなみに天文学者というものは平凡の占星術師の一部と領域を共有してる平凡の人たちだけど、めっちゃ難しい計算をして星の動きを数えると言った。わたしが夜空の「物語」を集めることやアストラ・ネロさんが夜空の「非凡の動き」を見ることと違って、完全に平凡の星の動きを見て角度や距離などなどを図ることなので、それも大変なことだ。平凡の技術のことは何回も言うけれど、非凡の物事が見えないほど平凡の物体に集中ができて、より複雑な行動ができたりするのだから。(この物語を読む読者さんがもしいるのなら、だからこそ非凡使いが社会に生きるためには平凡のそれぞれの人がお仕事を分担するからパンが食べれるということを理解したらいいと思う。非凡使いは平凡の技術者の上位互換ではないのだ)
ブイオさまはわたしの心の言葉が読めるので、「ランダム」について改めて説明してくれる。
「ランダムというものはその動きに意図と必然性がないということだ。この世界の方法で言うと、『人の霊魂』を持つものは自分が正しいと考えるものに基づいて動いて当たる。『どうぶつの霊魂』を持つものは食べ物や熱気の様に、神話生物理学や非凡の生物の理では『焔』に基づいて……いいもの、大きい物を狙って行動すると言ってもいいだろう。そして『植物の霊魂』も似た様に『日差しがあるところ』『栄養がいいところ』に葉っぱと根を張って生きるんだな。動いてない、植えているという差があるけど生物としてこれが平凡の命を持つということなんだろう」
「そうですねん」
「だけど『ランダム』は基本的に霊魂がない。土をいっぱい手に持って投げると、その土の粒粒が本当にどの動きをしているのかは全部計算する事は大変だろう。そういうものを言う」
わたしは頷いた。ちなみに、元素魔術「土」の術師たちもこのような場合「これぜんぶを見る」のではなくて、粒粒の範囲を一の塊として看做す形で対応してる。「火」の煙もそうで、水と風はもともとそんなスフィアを扱うようなことがメインのお仕事だ。
「つまり、夜空のものとして別に自我が宿ったりもしないかぎり、『この世界を狙って』狼の星から星のワンちゃんが来ている可能性はないということですね。でもそこにも例外が二つあります。星のワンちゃんはどうやら意思を持ってる方の神話生物で、その個体が意図してこの世界に来ようとした場合。この世界にはブイオさまの話によると『夢国』という大きい霊属性のエーテルの塊のようなものがありますから、その本の少しの縁を感じる事が出来るかも知れない。そして、ブイオさまの前にこの世界の他の人が星のワンちゃんを召喚した場合だ」
「両方理学的には理にかなう。でも有り得ないと思う。なぜなら、その星のワンちゃんは自分をそんなに制御しない派だからだ。最近ずっとアストラ氏と喋っている『怪獣、海怪物、悪魔』の話で、『奇怪巨木』のように発見されて報告されてもおかしくないのだ。小麦粉の生地みたいな存在だから、個体が狼の星からここまで来る動力を持つにはそれにふさわしい質量が必要で、そんな質量を持ったならこの世界がもう耐えないという事だ。そしてそうではない限り平凡と非凡の偶然に基づいて来るしかないけど、それには意思も霊魂もないのだ」
「二つ目はどうですか?誰かさんが星のワンちゃんを召喚したのです。シリウスはこの夜空でいちばん輝かしい星だから、なんらかの非凡の術が偶然当たって、ブイオさまがわたしの星化を行った時に必要だった条件をクリアできて制御まで成功的に終えた。そのところに『重複する要請です』と、ブイオさまのバグとやらが溶けて入り込んだのです」
「そんなに偶然に偶然が重なって術師が召喚して使役する事ができるのかな……」
ブイオさまは確かにその可能性は低いと思ったけど、他の国に、他の社会にどんな非凡使いがいるかもまた未知の領域だったので、その新しい仮説は猶予することにしたようだった。
そんなことを喋っていたら家まで着いて、わたしはドアロックに自分のエーテルを認識させて門を開けた。
これらも考えてみると魔術ギルドに所属してるアリアのマギアとデュラのマギアの魔力が集まって具現ができていると言えるものだから……この世界の人たちは本当にエーテルが不足してる現状によく適応してる。




