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魔力登録

「それはそうだ。人は誰でもちょっとは神秘的な山や洞窟、海の素材などに憧れを持つもの。しかも、それがふつうではない『夜空のもの』なら……興味深い」


「はいです」


伝説のカタチで言われる森の妖精、それが見る人に本能的に「これは変なものだ」と思わせる毒草。それらが発生した理由はなんだろうか?そして、大魔術でギルドは調査隊の報告通り沼地の魔法生物を一掃することができるのだろうか……

それもこれもこのあと何日で決着というわけだ。


「それでは、今日の雑談もお終いだな」


アストラさんは時間を確認して、今日の別れを告げた。


「とても楽しかったです」


「うん、私もだ」


わたしの話し相手としての役目は彼女の健康のための診断、そしてわたしがエンブリオ少年の家族として申請してた占星術の教えなどを含めているものだ。でも客観的にこれも立派なお仕事だ。別に1人で外部活動はやってない筈のばあちゃんが、その専属薬師が付いてくれて話し相手をしてるのは喜ばしい事らしいので、(特にラファエルギルド長の立場でいい事らしいので)わたしはクララとして、そしてステラ・ロサさんとして彼女との会話を通じて凄くいい勉強になるけれど、いったんこれも「お仕事」のうちだった。


今夜の話を終えた後、(もちろんアストラさんとなにを話したか、ぜんぜん覚えていない)わたしは中央堂を出る。確かに大魔術のために集めている物資を見た。たぶん……食物と、いっぱいの布団。魔力素材と魔道具、非常用の(あぶら)()などが備えているはずだ。

その時、わたしは今日も目が合った中央堂のせんせいに挨拶をした。


「ご苦労様です」


アリアのマギアの、背が高い男性だ。


「ご苦労様です。薬師さんは今帰るのでしょうか」


「ええ、今日もネロ様のおかげで見解(けんかい)が広くなったと思います」


「そうですかそうですか」


後でこの人の特徴をエンブリオ少年に言ったら、どうやら風の堂のせんせいで、中央堂で働いているお方だ。今回の大魔術に行くアリアの教授の1人だ。中央堂はもともと風の堂の人が配置されてお仕事をすることが多くて、今のギルド長は風の大魔術師だから……よりそのお仕事が増えている悲しい人の1人らしい。でもとても元気だ。(だいたいそういう性格ではないと元々元素魔術「風」の素質がないのだ)


「おかげさまで、うちのエンブリオくんも大魔術に向けて鍛錬を重ねています」


「いいですね。彼はアリアとしても優秀なので、風のように空のように、『その場の空気を作る事』について最近話したことがありますが、よくやってるらしい」


「はい。大魔術の申し込みの時だったと聞きましたが、彼はその前までは参加するのは確定だけど、どの堂として参加するかを凄く悩んでいて」


「フラマが使えるからいいと思いますよ。でも確かに彼はアリアとしても優秀ではあります」


「そうですか」


「薬師さんみたいにですね。いったん知ってる話が多くて人の話を食い気味に切らない。言葉を当てることができるから相手を理解される気分によくくれます。そういうのは平凡の、風の魔術のようなものですから」


つまり、人と話してるうちに、自分の騎士小説の知識が使えそうな話題が出ても、その知識を自慢するために人の言葉を無理に切らないということだったけど……なら、なんでわたしと話してる時はそんなに騎士小説の話ばかりしてるのか……?わたしはもちろんそれも彼が自分が好きなものをわたしに伝えたいからそうだという正解を知ってるが、でも、他の人からの評価と、わたしが知ってる彼が相反するのは少し奇妙な気分だった。


「わたしは魔力のことを見るのが精一杯ですが、確かに話を覚えることに関しては同意します。特に、マギアは心のお仕事だといいますから。上手く繋がる事、適切に言葉を伝達することなどが魔術のエセンピなどに使われるかと」


「そうですそうですその通り。まさにそれが魔術、そのうちに元素魔術『風』で凄く大事なところなんです。ちょっと覚えて繋がる、伝達する。魔力の段階で、スフィアの範囲でそれを行うのです。それがアリアのエレメント・マジックだ。

だから貴女の魔力を含めてそれぞれのギルド員や関連者の魔力の色を覚えることもできるのです。そういうのはギルドのアリアのマギアがそれぞれチカラを合わせ大きい魔力のシステマにしているおかげなんです」


「へえ」


わたしはギルドの魔力登録システマについて教授に聞いたのは初めてだった。やはり人の子の個体(ウヌス)がそれぞれの魔力を合わせて集めているものがずっと働くことは不思議だと思う。

そこで、長身の先生は仕事を思い出したようだった。


「長く持ち過ぎました。それでは、私も書類作業があるのでここで失礼します」


確かにあんなに物資が多くて平凡の技術者たちのコントロールもしなきゃいけないんだろうな。


「はい、それではまた」


わたしは中庭を通って、聖堂の方面の出口でいつもの通り魔力を確認して門番を通過(つうか)しながら、先の話を思った。

作家は国の軍役でアメリカ軍と2年くらい仕事した経験もあるため、大魔術に向かう物資というのはだいたい軍隊のそれを覚えて書いているものです。こう書いてくと本当に経験豊富な作家のようだな?

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