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結局研究したいきもちはしょうがない

「少年に『脱水魔術』のかんたんな原理は聞いたと思う。彼もアクアだから」


しかも彼がその「脱水」を作るきっかけにもなったというから……大変なものになったらしい!わたしは頷いた。


「はい。今回はフラマとして大魔術に参加すると言ったけれど、いったん使えるようにもなったようです」


「優秀な子だな」


「話を覚えること、魔術の原理を理解することがとても上手(じょうず)らしいです。(スフィア)と魔力は別に強くないと言ってますね」


「その子まだ8才だよ」


「そうですね」


みんなが「四の堂」のように、幼い年でもうマギアとして完璧に完成されたイドとスフィアを持つ必要はないのだ。しかも、その四の堂を含めた教授たちもいつ黒死病だ、事故だ亡くなるかわからないのが世界だから、優秀な生徒を長期的に育つのは大事だ。


「偉大なるラファエルが集めた天才は多いけど、今現在問題なく生徒としてやってる『四属性』は彼一人だ。もともと四属性がなくて、多属性もよくやめたり絞ったりした」


「そうですか」


わたしに初めて会った時に彼が急に初対面の人に自分の属性がなんとかメンタルぽかーんしながら刺したのがちょっとわかった。ギルドでみんな例外ではなかったからだったんだ。確かに、それが効果的だと言ってもそれぞれ少しずつ違うはずの固有魔力を四属性の魔術体系に合わすから……結局複数の属性に素質があっても「堂」に絞る人も多いんだね。


「ステラ、きみは彼を支えることとしても、このギルドにけっこう貢献しているということにもなる」


「そうなんでしょうか」


わたしはちょっと照れくさそうに笑った。


「変な表情。それはただの事実叙述(じじつじょじゅつ)だよ。まあ、『脱水』のことに戻ると、それはいったん完成すると利便な魔術になる。それ自体で植物に有効だと思われる、攻撃魔術になりそうだ」


「はい、乾燥すると草はチカラを失って、ただ利用できる(デュラ)の魔力素材になりますから。もとのアクアたちの専売特許(せんばいとっきょ)の海戦ではあまりにも意味が薄い魔術だと思いますが逆に水に溺れて皮膚がダメになりそうな部分につかえるのでしょうか」


「わからないな……攻撃魔術向けに開発されたもんを平凡の人の体に使ってもいいか、そういうのは敏感な調整が必要なもんだ」


「確かに」


方法が同じだとして、もう魔術は「そういう道具」として完成されているものだ。例を言うと、大きいナイフのようなものなんだ。小さい物を加工する時に使う事は出来るかも知れないけど、怪我しやすくて危ない。その「脱水」を海のお仕事でも使えるように調整するなどのターゲットは、今回の課題ではないから。


「いったん、今回の『脱水魔術』は全力で植物から水分を奪取することが目的。現役の子たちが正しい。

だからその植物を乾燥した素材に戻ると……風にも火にも使えるけど、魔術ギルドではいったんデュラの素材として扱っているんだ。ちなみに私はその魔術のことを聞いた時に『それは良い素材になるかも知れないな』から思ってた。だって、炎矢(フレイム・アロー)で焼くとなんも残らないけど、素材にすると持って帰ることができるから」


「それもそれで、巨木を倒すと効果を失うんじゃないですか?」


わたしはそのような考えは少年とブイオさまともう一杯やってたので、彼女に聞いた。


「それが、毒草の個体(ウヌス)としての(うつわ)が残っているとそのウヌスの偉さもちょっと自立できて残る可能性があるからだ」


「ふむ」


「毒液、なんとかささやきを作った奴らはいったん毒草のウヌスを完全に破壊して、その『その魔法生物』だと指定することが全くできなくなるくらい汁にした。そしてその魔法効果はそいつらの魔術の結果で残ったのではないもの。つまり奇怪巨木のものだと思われる」


「それが、ウヌスが破壊されず保存できますと?奇怪巨木を倒しちゃっても?」


「わからない。それは例を言うと使い魔の様々なカタチによって変わるようなものだからだ」


「使い魔ですか。つまり、平凡のものに魔力を入れて動かす部類の使い魔の場合、魔力の勢いと気の通路が完全になくなっても、その平凡のものの方の使い魔は普通に生きることがある」


「そうそう、それだ。そういう毒草は持って帰って研究ができるはずだ。私は『夜空のもの』に関して、他の四の堂もそれぞれの使い道があるはずだ」


「それは水の堂にはまだ共有されてないアイデアですか?ただ『そう脱力させた魔法生物を、フラマの全力で焼く』気が満々なんですけど」


「いや、必ずそうしたいというわけではない。無力化されたものは一部持てるものは持って、ギルドの為に使うということだから。大魔術の成功が優先なのだ」


なるほど、とわたしも同意した。確かに「これらを採集しなきゃダメなんです!!!」と言いながら魔法生物に負けたら、それはちょっと絶望的に恥ずかしいことだ。戦いは最高を持って挑むべきだ。


「まあ、なら薬師としてはわたしも興味があります」


「そうか?ならその分析(ぶんせき)もお仕事になるかも知れないな」


わたしはやはりこのばあちゃんとは考え方がけっこう被ると思いながら、微笑みながら言った。


「もともと不思議な森の植物などは好きですから」

作家は最近もともと桜嵐のモチーフの1つだった韓国のオンラインゲーム『マビノギ』をまたやりすぎ問題ですが、4+1色の薬草を魔力素材として扱う錬金術師……不器用な少女とキラキラする主人公の物語などを見たら、まあ桜の嵐の路線はいったん間違ってはなかったようだなと考えました。

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