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真理の求め・闇のささやき、1473

わたしはその毒草の魔法生物と直接喋っているので、やはりそれらが素材として使われるとか、ちょっといやな感じだった。だから何回目かもわからない、ちょっと嫌な表情をする。(実はわたしは薬師でありドルイドとしてそれらが無数の旅の間に作って行く新しい種とやらを見て、薬草の素材として診たいという考えもしているのだが、それとこれは別だ)


「エンブリオくんともだいぶ話してますが、本当にその『毒液の偉さ』は魔法生物を倒す事で消えるのでしょうか?」


「そうだな~わからない。でも、今までの私たちの魔術理論としては、きみが先疑問を持ってた『術師から明らかに離れている魔力が働く』のと似ている仕組みで、たぶん非凡の毒として機能しているその面妖な術は、沼地帯の草木たちを一掃すると解決できると推測する。巨木が本体で、リソースのバックアップが沼だということだ」


「わたしが心配するのは……その黒魔術師たちの施しだから、それらを捕まってない今、それらが関与しているという理由で、毒沼を解決しても効果が切れないかも知れません」


「いや、これも少年くらいの特例の生徒なら喋ってるけど、逆にそのように『その黒魔術師たちの功績になるくらいの加工』ができていたら、『真理の求め・闇のささやき、1473』はとっくに(ディミティス)で術師の正体がわかったはずだ。それは非凡科から確実に聞いている」


確かにエンブリオくんも言ってた。


「ふむ、だからその黒魔術師たちは別に『わかるほどにも』毒液を自分たちのチカラで作ってるのではない」


「ただ葡萄を汁に出しているようなこと、薬草を粉にすることだ。このような過程は、まだ魔力素材の加工ではあるけど、『術自体』としては認められない。それと同じだ」


「そうですね」


わたしは彼女の説明に納得した。確かに、ただ粉にした薬草はべつにそれ自体が呪術ではない。くすりとしてもまだ完成されてない場合が多いのだ。その毒の製造はそれくらいのものだったか……うん?わたしはちょっと変な言葉をスルーしてしまった事に気付いた。


「なに」


「なんですかその中二病100万点の名前は」


「あ、『真理の求め・闇のささやき、1473』ね。それが流通される毒液の販売名だ。たぶん作った奴らが付けている名前だ」


「真理の求めとはなんだよ」


「もともと黒魔術師は聖堂の権威ではないものに集中しすぎて道を間違ってるやつが多いから。私もけっこう見ている。即破門になって悲惨な末路になったものも見た。そういうよくわからない目標だ」


「だから神様の光などではなくて面妖なものを崇拝するとかそういうのですね」


「そうだ」


わたしはわたしも深紅の悪魔としてはどれかの「ぶにゅぶにゅの神様」を信じているはずだけど、別にクララとしてそういう意識が薄い為、「人で、ここらへんの人間なのに聖堂ではないなにかの真理を求めるとか、確かにへんな連中だ」と思った。


「闇のささやきというのはなんか死からの誘いだ、そういう意味でしょうね。毒ですから」


「そうだね」


わたしたちはそれくらいは見ればわかるような、おとぎ話が好きな人だ。そして本当にマギアは間違った奴さえも変な言葉が好きなんだなと実感した。


「少しはエンブリオ少年に聞きました。たぶんギルド員の家族には喋ってもいい内容ですが、その毒は混ざっても水の魔術でわからないと言いましたね」


「そう。アクアは基本的に実用的な魔術としては『望ましい清水』を示してその基準に合わない成分をわかったり浄化したりする方法があるのだ。『探知』や『浄化』などができるが、本当に厄介なことに、その毒は非凡のエーテルなので平凡の毒を知る方法ではわからないのだ」


「こわすぎる」


「そう。こわいもんだ。でも、水全部を自分のエーテルに衝突させながら水の群青と、そのなぞなぞの紫と相殺させることによって無理やり安全にすることはできる」


「はい、でもそれも限界がありますね。完全な解決ではないですね」


「ワインが水に戻ってしまうからな。意味がない……はは」


アストラさんは結構無気力に笑った。確かにそれは笑うしかない話かもしれない。

似たような用法で、わたしも自分自身のようなもので方向性が真逆で相反する「灰色の呪い」を相殺するために木のエーテルを浴びらせることができるが、この場合、中和させる「呪い」の量が多いと、服がなくなったりするのだ。そのような仕組みが「毒液のエーテルを相殺する」時に起きるらしい。


「だからガブリエル教授が凄くストレスを受けていると。より優れたアクアなら、『それでも』相殺もして、平凡の毒もわかって、ワインなどの味も守ることができますが、それはみんなできることではないけど今はその素質をみんな求めると言うことです」


「うん。どっちの王家も貴族さんも連れてるアクアの魔術師がそんな優れた実力を持ってほしい。でも人力には限界があるのだ。別に既存のお仕事から変わるものでもないため待遇がよくなるわけではない。ただ要求されるスペックが遥かに高まって、デメリットが増えるだけだ」


「吐きそうなことですね」


「そう。その中二病構文の毒液が流されたそれだけで魔術ギルドの1/4がぼろぼろになりそうな状況なのだ。幸いなことにまだ各地のマギアたち全員に要求されてないのが現状で、でも時間の問題だと言うこと」

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