生老病死
「ふん、その志はわたくしの目的に合うから、非常にいい事だと思うのだが、他の人の子に言える言葉ではないな」
決め顔でそう言っている(してた)わたしに、狼さまは言う。
わたしは説明を求めた。
「どういうことでしょうか?」
狼のモフモフに触れた。
「それは人の言い方ではないのだ」
人か。
狼さまは説明を続ける。
「人は、非凡の能力を持つ珍しい者も時々生まれるけれど、基本、平凡の体を持つ。ぴょんぴょんエーテルの行為ができるわけがなくて、数が多く、群れて住む。フィレンツェという市町を見るといま現代の非凡の技術力もなかなかのものだ」
「そうですね」
聞くには、狼には「型物理性」というすげぇもんを通じて流されていた情報があって、今の人類文明の知識とは少し異なるが、適切に合う常識があったりした。
そこは、今はもう存在しない過去の国かも知れないけれど、わたしの杖道はその国の兵士の訓練法から来ているものだから、結構、縁が深いところである。
その棒で実際に戦っているから、今のこの世界とも無縁ではないのだろう。
「そのなかで、「平凡の人の人生で」……もちろん、人間だったおまえに説明するのもなんだが」
「そこはいいです」
わたしは今も自分が人間だと思うけど、そこも「そこはいいです」だった。
「うん、平凡の人の子は生まれて、老いていく。弱まって、死ぬのが同然。それが平凡の命の定めで、「兵士の国」がそうだったし、今の世界の普通の人々も必ずそうだ」
「そうですね、「老いていく」以外は大体経験してますね」
「その中で、「自分は君が死ぬのを静かに待ってるよ」は気持ち悪すぎるから」
「まあ、そこですね。」
つまるところ、わたし、ステラ・ロサちゃんは一応、桜の「ドルイド」として旅することになってる子で、国に属してないとしてもドルイドの娘は普通の類だ。だけど、珍しい見た目をしているに、プラス、「世を忍ぶやばい奴」として目付けられるような態度を内心もっているとしたら、人は敏感だから、みんなが薄々感じることになってしまう、美味しくないという事だった。
「そう言っても、人は特に「深紅の悪魔」のように人の頭の考えを読んだりできないから、「隙の糸が見える」とか「血の匂いがする」とか、そんな自分だけ感じる感覚て、他の人には「おまえなに言ってるんだ」と、説明が難しい個人個人だけの不気味さ、くらいかもしれないけれど、決していいことではあるまい」
「ええ。そこまでは考えました。だからそこでわたしの流儀ですが」
「流儀か」
「「前に立って怪物と戦う」ことも決めているのです。それは汎用的な価値で勇敢なものだと思われる物語性を持っていて、実際にそうだ」
「ややこしいわ。そういうところもだ。「なに言ってんだこの頭白い女の子は」となるのだ」
「いや、こんな言い方は病弱の時も同じで、頭白いのももともとそうですが。やめてくださいまし」
持ちネタだった。
「わかっていたら、まあ、よいけれど」
「本当に透明だから大丈夫だと思いますよ。本当に人助けをして神秘的な笑みだけを残して去る」
「報酬も貰う」
「大事ですね
「この子はこれからもこの世を旅しながら一人で寂しくー」と思われる可愛い娘で」
狼が軽くプルプルした。
「可愛い娘、誇張するところか」
わたしは飛んできた雪や砂を振り払う。
「おや?めっちゃ大事はことですが」
やはり狼が人の子の社会を知るにも限界がある。