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アストラ・ネロvsステラ・ロサさん

「そう言ってくれるのは嬉しいけど、(わたし)は話を作る人だよ。そろそろ中央堂に通って時間が経ってるから知ってるだろう。ラファエル・ムジカは私との会話で少しの安心感を得るだけだ。確信(かくしん)をもう一回 確認(かくにん)したいだけだ。全体の計画と言い訳と人の手配はぜんぶ彼女がやってる。中央堂の多いマギアたちがその仕事を分担して、実務に届くと四の堂の人たちが立案過程からやってるのに、占星術師として夜空だけを見るばあちゃんが何かの平凡の戦争の策士や国の大臣のようなものではないのだ。そして、なったら大変だ」


「それはそうだ」


魔術ギルドは基本的に聖堂の権威で動く非凡使いの組織だ。魔力お仕事をするのが役目で、平凡の技術者ができないところをやったり、もっと大きい国の物事に関わったり、戦争や大きい物の建築、大事(だいじ)なものの探索などの大事(オオゴト)に参加したりする。できることをやる機関だ。別に、「このヨーロッパ全体に魔術師たちの帝国を作る!!!」などのものではないのだ。平凡の社会に「わからないけど知ってる人たち」として(せい)を拡張するのが大事な集団だ。


「ただ、夜空から星の明度(めいど)を見分けて方向を示すくらいのことはできるけどね。それもギルド長が示すはずの方向をわかって支えるようなことだ」


「それが大事なんです」


「いや、ステラ・ロサさん。私は知ってるよ。今まできみよりもっと!国を動く戯言を作っていた人として、これからの時はきみが圧倒的に長いかも知れないけど今までの経験が詰んでいる老婆(ノンナ)として知ってるよ。私はただ非凡の占星術師としてきみから特別な何かを感じて、それがなんなのかはわからない!もしかすると星がこの地に落ちてその頭が白く光っているのか、自覚してないなにかのエーテルが出ているのか、それでも平凡の光が出るのは確かにおかしくないか、その正体はきみのエンブリオ少年が爺になるまで頑張って自由研究するといい。平凡の私よりきみはそういうのを持ってる存在だ。

でも、今話しているきみより私は遥かにこの世界の(なま)の話を見ていた。だから言えるんだ。私のような話ができる子はいっぱいいて、彼女……ラファエル・ムジカはアストラ・ネロという子供の頃の恩人がなくなっても、その代替を探して上手く続く」


そう言って、(なんかすごい話もいっぱいしちゃった気もするけど)アストラさんはちょっとチカラを使ったように、ため息をして話を止めた。

わたしは多分賢者の国の古代魔術「風」の代理人や、名もない村のクララちゃんとして同時に怒った。


「なにを言ってるんですか?それがアクアとしての概念ですか?ラファエルギルド長のような人は風です。その『吹き始めた』時点も地点も非常に大事で、そこが貴女様だ。もう彼女の過去は貴女様がいた事件(イベント)が前提してる絶対な結果が今日なんです。アストラさんがいなくなっても確かに強くて大きい彼女は上手くやっていきます。でも非常に悲しむでしょう。誰でもいいとか無責任だ」


「それはもちろん悲しむだろう。同然だ。私は最高の語り手だから」


「なんだ同じ話をしてた」


わたしはちょっと面目ない、恥ずかしい気持ちになった。


「そしてありがたい話だ。もちろん私は最後まで虚勢を張る。虚言を吐く。『君はわたしに初めて来た時のような音調を、そのまっすぐな音色を今もずっと持っている。それはキット未来の他のマギアたちはもちろん、平凡の社会や世界全体にもきっと届く筈だ』などなど感動する思い出ボムの話をいっぱい言って、強く泣けるような話を沢山して去るつもりだ」


「うん、そんな呪いのような話大好き」


「私たちはそういうのが取り柄だから。頑張ってそれっぽい話を作って飛ばすのがコツだよ。たぶんこの世界でできるお仕事なんだよ。

もともとの()(さが)だから続くしかない。その中でヒットするものがあればいい。しかも、私はもうヒット作があって、愛しいラファエラ少女はもう大ヒットのお偉いさんだ。彼女がこれからも『どうせ貴殿のそれは作った飾り名だ。男性でもなくて貴族でもない』『マギアはちょっとの成り上がりで、沈む船だ』などの事はぜったい言わせない嵐にして作るのが物語を言う(もの)の役目だ」


わたしは花のように笑いながら添付(てんぷ)した。


「ならわたしはネロさまに、その『もうちょっとの』確信をくれましょう。わたしがそれを今貴女に聞いて、これからもこの世界を生きます」


「だから私が『白神女の次』としてきみを選んだのだ」


そしてもう一回始めたアストラさんのありえない話にやれやれだ、と(あき)れた。わたしはただこれからもこの前の戦いのように■■■……いけない。深紅の悪魔をずっと狩りながらブイオさまのスターダストを集めるのが仕事だ。世界のマギアの根本として思われる白神女の「ような、頭が白い子」はできるけど、その次を狙うとか。彼女が行方不明になってる今も、それは考えられないものだ。


「それはただの作り話でしょう」


「いや、本気なんだが。白神女の話する?」


するか。

今回のエピソードは作家と作家の父のプロレスから取った感じの物語性(ヒストリカル・アイデア)です。

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