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スターダストの指輪

わたしたちは用が済んだので、杖で残りの深紅の悪魔のエーテルを吸い取ったら、家に帰ることにした。


「でも儀式のようなものが必要なんですね」


「儀式?ああ、『宣言(クラーマーレ)』のことか。ブイオさまにはそういう過程が必要らしいのだ」


「そうですか」


「あると良いけど別になくても働く」


わたしのマントを暗く染める影が言った。


「ブイオさま」


「具体的になるのはいいことだから。それはきみたちマギアの色んな方法とも同じだ」


「そうですね。本当に慣れているヒトなら、自分が熟練している元素魔術を素で使うことができるけど、呪文や魔法陣、魔力素材、仕草があった方が利点が多いです。素早くて、疲れが少ない。チカラを合わすこともできて、より強力だ」


「それと同じだ。実は『周りに他の人がいて早く済ませなきゃいけない』時だったら、もっと適当にできた」


「適当って……でも、確かにそんな話でした。平凡と非凡の方法の中でブイオさまの一番気づかれない『数えて影を移すこと』を行うと」


「そう。でも、今は夜だし別に番人もいなかったからな。それを丁寧にしたものだ」


ブイオさまが説明をする。確かに今まで夜の番人は見ていない。門番の仕事が主になっているからだ。市内をいちいち回りながら治安を見るのは難しいことだ。もし怪しいものによる事件が起こるとしても、市町から出ていない限り、もう捕まっているものと同じだから。


「そうでしたか。なら、大魔術に行って本当にその『奇怪巨木』のチカラの源が欠片(スターダスト)だったとしても、今よりより適当……簡単で終わったということですね」


「そう。以前話した通り、欠片がわたくしが数える範囲にあったら、それをきみに映して終了だ。宣言もなくて指輪やそれに準ずるものの証もなくて、それを渡す過程もなくてもいいのだ」


少年は嫌な表情を見せながら言った。


「嫌だな。おれは今上手くいったようでよかったです」


「わたくしもそう思う」


わたしも、このような方法はぜんぜん聞いてないからブイオさまに訊きたい事がたくさんだった。


「具体的に、エンブリオくんがこの指輪を持つとなにが変わりますか?『直接に映した』時と今の『証を渡した』時は同じだとして」


「そうだな。わたくしの活性化した欠片だから、少年の居場所がわかって……指定もしているので、他の反応と明確に区分ができる。少しは状況もわかるかも知れない。

これは星のエーテル……夜空のものとしての非凡のエーテルなので、この世界では他の影響や使い道もあるかも知れないが、いったんそれくらいだ」


「ふむ」


確かに星のエーテルはそれ自体が大きい資源になるもので、もし利用できる魔法生物がいると、なんらかの影響を受けるかもしれないものだ。そのようなことが少年にあるかも知れないということか。

少年はわたしの花びらでできている指輪を触っていた。大分落ち着いたようだ。ブイオさまは話を続く。


「そしておまえの『花びら』は杖を作ったのと同じように、エーテルでできている魔道具を作る為に使われたものなので別に少年が触ってもどうでもよくなってる。この様な魔道具は本人から離れると解けて崩れるが、その特徴とカタチを維持する偉さ自体がわたくしとの同じものである欠片(スターダスト)から来るものになっているから、別にわたくしの演算能力に障害もないまま、維持ができるのだ」


「ならこのような魔道具をいっぱい作っておくと利便じゃないですか」


少年はたぶん理論的にそうだとしても、絶対いやだろうけど……純粋に科学(まじゅつ)的な好奇心が湧いて、ブイオさまに訊いた。


「それはちょっと違うな。それは気が散ってどうにもならない」


「そうですか?」


「『どこにあるかわかるために使う』演算能力というものが必要ないだけで、そういうもんが同時に何個もあると大変だ」


「それはどういうことですか?」


「わたくしが普段この世界を見る感覚は影の狼として持ちそうな感覚に(プラス)ステラ・ロサさんの心の言葉から間接的にわかるスフィアだ。そこに星の亡霊としての『欠片が感じれるぞ!』が重なるのが、誰か人の子が近い所で深紅の悪魔に襲われる時に感じれる感覚なんだ」


「ふむふむ」


「自分が指定したもので、区分できるとしても、魔道具が何個もあると、その反応が多いのと同じだ」


「なるほど」


つまり、集中ができなくて、わたしに親しくなるきもちで星のエーテルと言うよくわからない夜空のものまで手に入れようとするおかしい奴は一人で十分だということだ。


「よし、全部吸い取ったぞ」


「お疲れさまでした」


「うむ」


わたしは杖をぽんぽん振って、背負ってマントに隠した。


「なんか変わりましたか」


「あ、そうだな。わたしにとって『欠片』がブイオさまに回収されなかったのと、深紅の悪魔及びその前の『灰色の呪い』を吸い取る事はぜんぜん別のものだったわ。

なんか記憶が戻ったり新しいサトリがあったりする気はぜんぜんしてこないな。最近もう勉強をし過ぎていて、深紅の悪魔の一匹二匹くらいじゃあまり変わらないかもしれない。戻るか」


「はい、帰りましょう」


少年はとても大事なものの様に、指輪をずっと持っていた。

別に決めてないけどクロノ・アニマくんにあげるステラ・ロサさんの証は適切なところに俺強い系のチカラを発揮してくれます。主人公ですから。

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