びりびり少年
「わたしは実は、きみを助けてここに初めて来た朝、きみがもう『固有の属性』というものに感を掴んだと思ったけど」
ドルイドさんはなんかとんでもないことを言い出した。それはおれがこの一生をぜんぶ使ってもできるかわからないものだったからだ。たぶん「木属性」のマギアの使い手である白神女さえも(彼女がムー大陸との関係がどうなるかはともかく)今は過去のものになって「ふつう」は四属性になっている。一人で「ひらめいた!」は別になんもならない。
「それは天才が過ぎます。どの事を言うのですか?」
「なんだっけ。急にかっこつけて、きみ自身の頭をなぞりながらエーテルのことを探しただろう。わたしはその時は魔術理論などをぜんぜん知らなかったから、『なんか本当に頭がいいらしい』と思って流した」
「そんなこともありましたっけ」
本当に覚えてない。なんかカッコをつけた事があったらしい。
「まあ、どっちにせよ、きみの『四属性の間に』入るのなら、それはもうわたしがドルイドとしての木属性を前面に出さなくて『平凡の薬師として』生活するように、アルマの人がなんかちょっと身体能力が良すぎる人として生きるように、他の人はわからないから、どうでもいいことだけど」
もしかするとあれか。
「ちょっと思い出しました。『深紅の悪魔』に掴まれた時に、そいつがおれの首を切ろうとするのが感じれたのです。『これはこれから斬ろうとしている!!!』のが感じれたのです。それを考えてた」
「へえ」
おれは彼女の話で記憶がちょっと戻ったので、それを思い出せる限り説明した。
「あれは頭が切れる人の脳みそを欲しがって……『金属の箱』を作り出して、それに脳みそを入れると言いましたが」
「そうだね。それがあいつらの中間情報局というものになるんだ」
「でも、エーテルが不足でここはムー大陸でもなくて暦まで変わった社会だ。だから、金属の瓶が呼べなくなって……いったん平凡の猛獣が動物を食べるように、おれを食べようとしたと思います」
「まあ、多分そうだな」
ブイオさまが言った。
「わたしは別にやったこともないし、もし深紅の悪魔の生身に戻ったとしてもやりたくもないが……いったん心の言葉が『喋れるのが』食事のような種族だけど、お肉が食べれないわけでもないらしい。でも、それは本当にただの食事として利用できるエーテルが増えるという意味でな、効率が悪いのだ」
「扱えるエーテルの量が多くなったら、他の犠牲者も増やすということだったんですね。本当にドルイドさんが助けてくれてよかったです……」
「まあ、そうだな。きみを食べて得たエーテルで金属瓶などを作り出して勿体なさすぎる。こんなに愛着が湧くのにな」
ドルイドさんがまた何気に恥ずかしいことを言った気がする。いったんスルーした。
「その時『おれの首を斬るつもりだな』と感じたのが、ドルイドさんが言う『深紅の悪魔の、心の言葉を直接的に触れて読む』能力とは違ったと思うのです。おれには、それがなんかエーテルでスフィアの素材を触る時の様な、なにかに感じれました。
だからそれは心の言葉ではない、あいつらとおれたちが平凡の物質のようなもので共有する媒体だったと思います」
「まあ、そうだな。人の心はただの心なだけで、頭で心臓を思うことで別にそれ自体は普通だ。そして、人間にはただ心として感じて思うだけだ。そういうのを人の体で触れるはずがない。
でも、新しい媒体とか、そういうのがあるのかな」
「だからその時の記憶を思い出してちょっと自分の我でそのような感覚があるか?試してみたけど別にわからなかったということですね」
「そうだったんだ」
ドルイドさんは納得したように頷いた。
「煌き、ひらめき、活発さ、開かれるようななにか。そんなものでした。
それを探求するのがおれの人生の目標の1つです」
「なかなかかっこいい的ができたな。それは確かに『生き残って4属性を全部マスター』してからもずっと追及できる目標だ」
「そうでしょう。貴女の『白神女についての話』に影響を受けたのです」
おれはちょっと微笑んだ。
「わたしは……きみに勝手に進路相談をしたその時、クララとして曖昧にギルドの魔力お仕事について知ってたくらいだし、よりいい助言があったかも知れないけれど、わたしも中々神妙な気分になって、言えると感じたから言った」
「ありがたいことです」
「直後めっちゃ恥ずかしがってたな」
「ブイオさま!?」
そこで彼女のマントがまたばらした。
「まだ『星化』からわたくしの欠片をはじめて回収したから。慣れてなくて、『深紅の悪魔としての』アイデンティティも受け入れてなかった。記憶もないらしいからわたくしもまだ話してなかった。だから、ドルイド(仮)としてきみに素直に話してあげたかった言葉だったんだよ」
「なるほど」
「そんなことはもういいのだ。わたしはそれから怪物をもう一匹ぼこぼこにして、何か月で凄い経験をいっぱいしたから、もうその時期のわたしじゃないぞ」
なんか物事に達観するステラ・ロサさんではなくて、焦ってる感じがしてかわいかった。
だいたいこんな感覚で「ぴりっとするな」から彼が爺になった老死するまでいっぱい研究を残して、「平凡のものとして」雷が利用できるようになった時、華麗に復活するくっそグダグダな未来があるのです。「電気」と「電子」の語源や科学史が知れる教育番組世界観的な意義がある。




