香水魔術
「まあ、そうだな。以前も話したか忘れたけど、この『香水魔術』もきみから……きみを救ったあと、パンを食べながらきみから基本的なフィレンツェの常識というものを聞いた時。その時 聞いた知識に基づいて出たものだ。
ピサに行ってきた間……『花びら』がわかるようになってるから、それをマギアのように、子供の頃に憧れを持ってたドルイドのばあちゃんのように想像をして、自分でやってみたものなのだ」
「そうだったんですね」
「だから原理には間接的には完全に原本のドルイドの呪術『肉の匂いをよくする術』だけではなくて、アリアやアクア辺りの原理も入っていると思う。オリジナルはそうだけど、目的性はちゃんと人向けのオサレ香り魔術なのだ」
ドルイドさんはやりたい話はやってるけど、「新しい技」というものにも関連する話だから、自分がステラ・ロサさんとして発動を始めてから触れている術について話題を続く。
「そうでしたね。この魔術は基本ドルイドさんの魔力でできているものですね?」
彼女は左手の人差し指、中指で「花びら」を出して、適当に落としながら言った。
「そう。私の魔力で出来ている香り。偽りのものだね。わたしの杖のルビーのようなものだ。感じて、嗅げる。でもすぐなくなって記憶だけが残る幻だ。だから香水『魔術』だ。
だって、魔術は奇跡の様なことができるけど、すぐ崩れてなくなるだろう。そういう原理はここに本格に住むようになってから読んだ知識だけど、ちょっと行間を読んでわかったものだ」
「はは」
「もちろんギルドに喧嘩を売るつもりはないから、これは名前はこうだけどドルイドの呪術、『秘術』の類で合ってる。アクアに他の『香水魔術』が出たら名前もぜんぜん良い。
属性は同然の様に木で……今までわたしが見てきた、嗅いで知った花や種、草や果実などの記憶でわたしの花びらで再現したものだ。つまり、古代魔術『木』の卒業者としてのこの世界のあらゆる草木の知識と、クララの経験が重なってる」
「卒業者!?」
新しい情報でおれはちょっと驚いた。
「言ってなかったっけ。それくらい『賢者の国の学校の記憶』を覚えた時にもうわかった。具体的な状況は覚えてないけど、そういう大事な筋は覚えて同然だろう」
なんか10歳のクララさんとして、現代社会の常識がない白紙のドルイドとして、ステラ・ロサさんの「ギルドの中央堂に出入りしながら教授たちの仕事の邪魔になるか心に持って日程を調整する」などのことは、同い年でももう何年やってるガブリエル教授のような考え方だったけど……それは非凡のものでありながら「賢者の国」のシステマにちゃんと慣れていたドルイドさんの過去の「深紅の悪魔」の部分の影響だったらしい。
「そうです。おれももし後で教授級になってる堂となってない堂が分けられるとか……があったら、そういう記憶はさっぱり残ると思います」
「まあ……それは四つを同時に進んでるきみの狂ってるプロセスを諦めてない限り、避けられないと思うね。そして諦めないでね。
そう。だからわたしは一応、その『賢者』に認められているのだよ。だからなんか繋がる原理があって、粉々になっても意識の様なものが維持できたと思うんだ」
「確かにそれは生徒のくらいではできないことだ」
「香水魔術の詳細に戻る。呪術のターゲットは『素』素材の特徴は『性』で素材自体の種類は『種』と言う。これはクララの『エーテル操作』から来た、なんとなくだ。そして、具体的には毎回、『さわやかにする甘さ』『リンゴの香り』『リンゴ』のような指定をする。でも実際リンゴを使ってるのではないのね」
「ふむふむ」
「そして実際、本当のリンゴを使って行うと、残るようにもできるのだ。該当する素材があったら実際匂いが付着もできるのは、もとの『お肉の匂いをよくする呪術』の原理も残っているからだ」
つまり、非凡のお仕事が握ってるうちに平凡の技術者が作業をするのとも同じく、「作られた香り」から「本当の素材」を配置して残すような仕組みになってるのだ。これは魔術ギルドの空調システマとも似ているし、水の堂のワイン製造の仕組みとも似ている点があるかもしれない。確かにマギアの原理だ。
「その、ドルイドのばあちゃんの呪術はどうだったんですか?」
「基本はわたしの母ができることと似てたよ。適切な薬草を粉にして……肉に付着する。そのまま他の処理が必要なら、また何日あとに次の薬草を加わる。これが本当に手間がかかる仕事だけど、ドルイドの呪術は平凡の薬草を粉にして被らせるくらいはズルができるので、それが便利過ぎて村との取引にもなった感じだ」
ドルイドさんは自分の袋から薬草の葉っぱを2本取って持ち上げて、両手を当てると、ポカンとそれは粉になってドルイドさんの服に落ちた。
「なんか大変になってますよ」
そして彼女は花びらでその薬草の粉をぜんぶ握って持ち上げる。
「おっと。まあ、こんな感じの薬の粉を作って扱うのがドルイドさんたちの主のお仕事だ。『偽物の香りを作り出してちょっと使う』はわたしの創作だ」
「うん、やはりドルイドは不思議な方法を持っている。土の魔術師は薬草や他の魔力素材のことはいちいち持たないといけないのです。零したら捨てるのです」
「勿体ないな……まあ、木属性だからな」
「確かにデュラは穀物の専門だけど、穀物自体がエーテルの源であり対象なわけではない」
元素魔術「土」として植物は、触媒で、土の魔力やそれによって出てる土の平凡の養分を吸って間接に育つのだ。そして、その土の素質を持つマギアもちゃんと凄く多いので、各地の農地に派遣され生産量を多くする仕事などを依頼されてやっている。(だから移動が多くて、戦いに巻き込まれる時もあるけど、基本目にゴミを入れて本格な殺し合いを避けるのだ)
「でも岩も土の塊も思う存分動けるじゃないか。それは詐欺だ」
「はは、それが素質に合うエーテルを使って握っているからなんですね。」




