空気の不在
「いぜんも言ってるけど、わたしはマントを全開して、本当にエーテルが豊富なところでは飛べる。この世界は平凡のものごとが普通で非凡は非凡の言葉そのものにオーディナリーからのエキストラだ。だから、むかしの国、ムー大陸の賢者の国ではたぶん『マントのような羽』を振って飛ぶことができたから、わたしもできる。でも、これとアリアのマギアが飛ぶことはどうやら違う感じがした」
おれはもちろん「深紅の悪魔」がどんな感じで飛ぶのかわかる術がなくて(おれの「ムー大陸の夢」でもそんな覚えはあまりない。その夢の主体さんにとって、くっそどうでもいいことだったかもしれない)ただドルイドさんの妖精のマントを魔力変形できることを見ただけだけど、たぶんそれはいぜん「小さくなったドルイドさんは飛べる」時も言ってるように、平凡の虫のような仕組みだ。
「はい、ドルイドさんのそれは多分、深紅の悪魔の種族のカタチによって推測すると、平凡の蠅や蚊、蜉蝣や蜻蛉などと同じ仕組みのものです。板を振って空気を押す。押した空気は水を泳ぐような音とチカラを出す。原理はたぶん鳥と同じだけど、より素早くて小さい」
「ふん、そうだね。虫のそれと同じだ。蝶も蛾も蜂もそうで、それ以外も様々な虫がそうであるように、非凡のものとしてわたしやわたしと同じ類の飛び方をする個体はだいたい背中や腰からの羽でエーテルを押して夜空を飛ぶことができた。そして、カタチも感覚も鳥や蝙蝠のようなあれとは違う」
「甲殻が付いている姿をしてますからね。でも、個体の差があるのですか?」
「うん、めっちゃ違う。頭が付いている姿が違う。触手のカタチも手の本数も手のハサミか棘かの変異も、足の本数も羽も本数も、羽が無くてその代わり足が丈夫だとか尻尾がより発達する形もあるんだ」
「なんか聞いてる甲殻がついてる様々な平凡の生き物のランダムのようなものだ」
「それが多分、心の非凡のものだからだな。わたしにはそれが普通だったけど」
「そうでしたか」
「そして、その間、夜空を飛ぶ能力がない、まあ、羽が無い類はふつうにブイオさまに深紅の悪魔が住めなくなった時に世界と共に滅亡したわけだ。たぶん。
君は深紅の悪魔におびえる必要があるから『ありゃりゃ』は要らないよ」
「なるほど」
「どうやらこの子を含めた深紅の悪魔たちは長い旅をして、この世界まで来て、そこが『賢者の国』だったようだ。わたくしはその時期もこのように喋れるそんな自我を持ってなかったので、別物の話を聞かれる気がするけど、確かにわたくしがお日様より500倍光った時期だった」
「それ、ずっと推しますね」
「本当だって……」
ブイオさまは「狼の星」がフルパワーだった頃の「星の光」のことをドルイドさんがぜったい信じてくれなくて、またしょぼんとするが、おれが考えても夜空のおおいぬ座が太陽より500倍明るいと、それはもう夜空の夜という概念そのものが壊れてしまうので、なにかの星のエーテルが関連する物事だと思った。
「とりあえず、その時なんらかの方法でこの世界に深紅の悪魔が来て、そのまたの後『ムーの最悪』の事件でぜんぶ『灰色の呪い』というものになったということですね。そしてそう言うのをブイオさまの理学では『印』と呼ぶ。たぶん魔法効果のことですね」
「それは、わたくしが考えても普通の同じ言葉だから別にいいよ」
「そうですか?」
「白神女の影響か、他の理由があるのか、確かにエーテルの物事に関する知識が一致するのだ」
「ふうん」
確かに「焔流累颯」という謎々ワードと「四属性」の……アリストテレスの平凡の四元素の配置が一致するのは事実だし、四の堂のそれぞれの定めも似たようなものだった。
「そして、わたくしの破片……欠片に当たった灰色の呪いは、■■■……深紅の悪魔として蘇って、それはこの子のように……『焔』への熱意が不足な個体ではなく、ぜったい他の個体が出てくる。そして、その一匹にきみが噛まれた」
「噛まれてはいません」
「そう」
「なら、灰色の呪いが移るのも仕方がないですね。復活した個体だけがスターダストの恩寵を貰うから」
ドルイドさんも推測をする。
「たぶんそうなのだ。魔力素材がそうであるように、エーテルの制御権というものはウヌスの自我が影響するから。それが『亡霊』になっている深紅の悪魔の粉々の『灰色の呪い』はただ一人復活ができたものを除いて他は、その時も粉のまま。そして、その粉の状態で唯一意識『のような』ものができたのは、この世界のことを学んで一部にしていたこの子だけだったのだ」
「うん、たぶんそうです。だからわたしは別に何人も生きている気がしません。いても二人三人くらいでしょう」
「そんなに居れるんですか?」
「知らん」
「そうですか……」
「またの話に戻ると、その復活した深紅の悪魔は『ここはエーテルが凄く足りなくて飛べないんじゃ』と困惑するということだ。でも、知性体の脳みそ好き好き種族だからすぐ廻の心の言葉を普通のもの……川や岩や地面や草木を触るように触れて、光景を見て知るようにわかることができる」
「そんな仕組みだったんですか???」
「うん。だからすぐ頭の蓋が開けるものがいると、その平凡の物事が使えるようになるよ。たぶんこの世界には深紅の悪魔に支配されて暇つぶし下部になっている黒魔術師とかもいると思うんだ。
とりあえず、それらはこの世界では飛べれない。だからわたしは倒すことができるということだ」
エンブリオくんがミ=ゴに襲われた物事自体は、めっちゃいい言い訳が思いつくまでは本当に偶然です。そして別にもういいんじゃないかという気もするから多分偶然のままです。わたくしの別典のカローンくんや、その出会いの原因になった「我とわたしとわたしが共存する」もう一人のくららの方が面白いと思います。いったんミ=ゴは見た目があれだから、画面が楽しく〇。




