魔力お仕事は歴史と共にした
「アクアはもっとこう……俺たち海戦もできて飲み物も作れます!治癒もできます!などをアピールしようとする意志が強い。『元素魔術・水』を読んでるとそんな意図を感じる」
「はは」
おれはまさにこの直前まで「これからのマギアの歴史の新しいページ」などの言葉を聞いていたのでその表現はそのままだった。正しい話だけど、名誉欲が凄い。ドルイドさんは話を続く。
「でも、実際そうなんだね。人は平凡の肉体を持っているから……どの人が健康か否かなどは神様の意図だ。病弱は仕方ない。病弱もそうであって、どの人が黒死病というものにかかるかかからないかなどもわからない」
「はい、マギアもアルマもわからないです。平凡の体を持つからです」
「そうなんだな。ネロ様の話でも、黒死病の生き残りはエーテルのチカラともぜんぜん関係がなかったらしい。普通に優秀な騎士さんも。非凡のね。信心深い健康で優秀な騎士さんの祝いの祭りで、病がはやって……みんなさよならバイバイだになった場合があったようだ。怖すぎる」
「はい、今も所々流行ると言いますが、そのような極端的な流行りは、もうなくなってるらしいです」
「うん……そして、そういうのを除いたら、人は大体清水飲んでご飯食べて寝ると治るということだ」
おれは彼女の話に頷いた。
「その通りです。そして洗う事も。
だから以前から聖堂の洗礼や様々なことに……浄化したお水を使っていて、ワイン共々に聖堂と直結している魔術ギルドの大きいお仕事になっている」
「だから『四の堂』で水がいちばん政治力が強い感じだった」
「そうです」
そのようなこともぜんぶ含めて、纏めて(彼女の家系の親密感で、ワインに絞っている気もするけど、ワインも聖餐に使う凄く大事なものだ)「水の堂」は10歳の年でも魔術ギルドの代表の機関の長として働いていた。
「そんな『俺たち1位です』とアピールしようとする水と違って、もともと1位が仕方がなく火という感じだな」
「はい、人は焼くと終わるものですし、みんな戦争で万能傭兵のように使われてる」
「そうだね……だからミカエル教授をはじめてフラマたちは待遇はいいけど凡人の気持ちで生きれない。これは『海戦』に参加するアクアよりも直接来る」
「アクアは直接人を水でなんかやっちゃう感じの攻撃魔術ではないからですね」
「そう。わたしが見た本でも『だからこの次は海怪物のごはんになります』みたいになっている。きみが言ってた『浄化』や『脱水』などを人に直接使うのは別に実戦性ある攻撃魔術として顧慮されてないのね」
「はい……すごくいけないことをやる感覚がするから、そういうのを『魔術の禁忌』と言う事もあります」
「それはまた新しい設定だ」
ドルイドさん、ステラ・ロサは半笑いで言った。
「付録ですから。貴女が言ってた『木属性は齧らない』のようなものです。いけない感じがするしできないからやらない」
「なるほど」
「そして一部は実際に『人間の霊魂を持つ者には直接、水を奪う事ができない』とか、魔術原理がその観念を補うこともあります」
「そか……」
その時、ベッドで黙ってた彼女のマントが喋った。
「この子の『木を齧って木のエーテルにできない』話は、一応『神話生物理学』としては『物語性に矛盾する』と言うんだ」
「ブイオさま」
「そうでしたね。はい、だから水の攻撃魔術が人を干からびにしながら、より平凡の滝のような魔力生物の水のドラゴンのようなものを作り出して使役するとか、そういうのはありません」
「なんだそれは……怖いな」
「例を言ってです」
今日ガブリエル教授が見せた「エーテルの色を出して水を引き出す」性質を扱うと十分にできる代物だ。
「そう。そして、戦争の火と万能のようなお仕事が水で、その次の『穀物』と薬学などの土と……換気や風車などを纏わる風がその次に来る感じだった」
「そうです」
「風は、なんか空気じゃないか???派手なの?」
「それは、まあ、空気そのものですからそうです。でも、貴女たちが言う『理学』の言葉のように『颯』のようなものができます。平凡の『息が吸える』環境を作る事ができる。勢いと気の通路で、人に言葉を伝えたり……心に通る行いができたりするので、それもそれで非常に強力な派手な術ができる」
アリアは魔力のお仕事の主体であり客体が両方、見えない平凡の風そのものだ。なので、非凡の才があっても見えても見えなくても、もともとエーテルの色以外は見えるものも特にない。非凡の風も風だから。難解なのだ。でも航海や農業……そして、悪臭がして仕方ない土地の使いなどに非常に大事な役割をするマギアだ。ちなみに、マギアのみんなは流行りものが好きな傾向がある。
ドルイドさんは納得した感じだった。
「まあ、飛べるしな。飛べるのがいちばんシンプルで派手だ」
「そうなんです。大魔術師ではないと自分を空中に投げることになるから非常に危ういけれど、他の属性ができない技ができるのも事実です」
おれは笑った。
凄く今更だけど「ギルド……ギルトはドイツかオランダ源流の言葉だ」と思って調べたら(もともと……魔術ギルドの存在自体がエンブリオくんがステラさんの太ももを感じながらライブ感で書かれたものだったんです!!!)ルネサンス時期のフィレンツェなどでは、技術の「アルス」と同じ言葉で「アルティ」を使ったらしいです。意味は同じ。だから、もともと使ってた「エセンピ」などの言葉のイタリア語感覚で、魔術ギルドがアルティ・マギアです。桜の嵐の中で同じ言葉です。そしてもちろん『まどマギ』の「アルティメットまどか」さましか出てこないので、珍しい発音は本当にだれも使ってないなと実感してます。




