同時に見るにはまだまだ足りない
何回目の「浄化」を試していたら、ガブリエル教授がおれのテーブルを通っていた。おれは今の自分の方法には慣れているつもりだったので、それでももっとよくなる方法がないか……せんせいに診てもらうことにした。
「はい何でしょうか」
「せんせい、おれが今触れてる、この『大魔術』の地方の泥水からの清水ですが、土の部分から搾り取る部分が上手く再現ができなくて……もっと早く、より良くできる方法があったら知りたいです」
学長は眉毛を上げながらおれの顔とエーテルの群青を出している部分を見て、(たぶん心の言葉を読んだと思う)助言をしてくれた。
「ふん……きみは今、頭の中で今日のデュラの授業の内容をいっぱい繰り返してるね。午前がウリエル教授の理論だったんだね」
「申し訳ございません、そうです」
「いや、それはいいと思うよ。きみはもともと、だから四属性を見ている。私が言いたいのは、デュラの知識を主に繰り返している心がある状態でアクアを扱っているから遅くなってるだけだ。今日の講義だろう?ずっとそうなるわけでもないし、適切に頭の中で混ざる。今の方向は問題ない」
「そうですか?違う知識を思うため、逆方向に向けているからだめだめだとか……そういう問題ではないんですか?」
「逆ではないと思う。私はアクア以外は専門ではないが、きみは今魔術的に水を握りながら同じものを見ている。同じものだと言うのは『置く』部分と『持って行く』部分が1つの塊になっているということだ。土のことをいっぱい考えてるから水を見る事を相反して邪魔する……のではなくて、土の知識の優先順位があがっているだけなのだ。それ自体は私たちも教えただろう?」
「たしかに浄化の理論の時と同じ内容もあります」
「そうなのよ。もともと、『浄化』は泥水という1つの塊のお水から、土を残して模範の清水に合う部分を引っ張ることだ。その過程で自らの水のエーテルが模範を覚えるための平凡の水の知識で平凡の土の知識だ。だから……別に『土の立場で考える部分が少しでもあると、それは相反して破綻して駄目になる』ものではなさそうなんだ」
「へえ」
「もしそういう厳しい仕組みがあるのなら、きみのデュラを扱う部分がきみ自身の水のエーテルに攻撃されるとか、逆にきみの群青の扱いを止めて詰まるとか……そういう現象が発生するかもしれないだろう。そういう感じではないだろう」
「はい、おれは同時に扱う事はできてませんが、だからか、そんな怖すぎる状態でもないです……」
「そうだな。同時に扱うのではないんだな。あたしも正直それは未知だ。
まあ、原論に戻ると、きみは逆に色を出して触ろうと思うと、土属性のことも触れれるから……置かされて、模範の清水から離れていく部分を文字通り『より重いもの』だとただ判断すると、それだけで水のエーテル操作にいい影響になるだろう」
つまり、彼女は別にデュラのエーテルや、その非凡のものごとを知っているわけではないが、おれの心は同じエーテルの動きを見てもそれを四属性のどれかの動きでもそれぞれ解釈していると言えるので、そんな部分の「土属性のマギアとして思う部分」を引き出して読んで助言してくれたのだ。
「ありがとうございます」
「ふうん」
そして彼女はおれの顔をもう一回見て、他のテーブルに移動した。なんか先の「脱水魔術」のことを仰った時に思ってたのと違って、そんなにご機嫌ではなかったようだ。
おれは四つの全部の堂の講義を聞いてるし……だから、素材の精製や手伝いは普段参加していない。(そういう特例になっている)だから「こいつはなんでアクアの授業で土属性のコツを使うんだよ」とか思われたくないから……「同時に他の属性のことを考える」のはなるべく避けて、してなかったのだが、確かにおれが今ウリエル・モルテ教授の話の内容を続き、頭の底で繰り返しながら「浄化」の熟練をしていたのも事実だし、その内容を非凡の物事まででは無くて、平凡の知識の水準だけを思ってアクアのマギアとして扱うと、適用ができない内容でもない。同じ話をやっている。そして、今回の大魔術に向かって……今回に限っては、それは凄くいいことでもあるように思われる。彼女たち二人が責任者だからだ。だから、おれは教授の言葉に従って「同時に扱う」のではない、ただ「『浄化』の対象ではない部分は、土の魔力素材でもあるんだな」くらいのことだけを緩く思う事にした。
普通におれのエーテルの操作はアクアとデュラとそれ以外を同時に……違う属性のことを一緒に扱うレベルにはなってないし、そもそもそれがどうすればできるものなのかはわからない。この魔術ギルドでは元々元素魔術のどれか1種類に絞ってその四つの類の知識が伝わってる。二種類以上の属性も必ずいるはずだが……皆、1つの堂に絞っている。だから、そういう中で「四属性」に才能がある奴にだけ有効なコツなど、教えれる人も使える人もおれ以外はいないのだ。まあ、ステラ・ロサさんに会うまでは、おれもいつか「火」にするとギルド員のみんなに思われたし、おれ自身もそれが安牌だと思ってた。




