ずっと続いて残る奴が一番だ
子供の頃から、残るやつが一番強い、と思っていたけれど、それは自分が日常を過ごせるか、1日をも過ごせるだろうか、とても怪しくて
脆くて辛い体を持っていたからだと思う。
もしや、わたしがただそういう、妄想に物語を積み重ねて強く集中する性格で生まれただけなのかも知れないけれど、人の心は自分の肉体から離れることが難しい物だと、今もわたしは思うのだ。
違うかも知れないし、逆に心が強く作用して体が変わるかも知れない。
まあ、実にその反例の現象がわたしであって
森の姫様の理想を求める妄想が、今のわたし、ステラ・ロサさんを作ったと思うけど
ふつう、こういう機会はないからな。
どこには普通の人も、平凡の体でも、まあ、そんな劇的な変化ができるかも知れない。
でも、縛られて生きるが同然だ。
そういう子供のわたしは思った。
頭白い狩り人の娘で痛くてすっと家にいるクララちゃんは思ったのだ。
「やはり、長生きして残るのが一番の価値ではないか?」と。
6歳と6ヶ月になる6月の夏の朝に、白い日差しと暗い家内を見てそう思ったのだが
横になって心の友達ではない丸太の天井を見上げて
長女は耳鳴りを眺めたのだが
皮肉な事だ。それを求める自分は肌は脆くて目は曇る。家は優しいけど贅沢だとは言い難い。
もちろん、素晴らしい、とても良い家族なのも事実だ。
でもここは大事から逃げて、世界から離れている村。
ドルイドに依頼するのが精一杯
自分の体がよくなる、
健康体になる事はない。
なら、やはり自分はよえぇ存在だな、と、
思って、
なかった。
何故ならそれは後が無いからだ。
それでもわたしは明日の朝を見たいと思う。
それが一番しっくりくる行動原理だ。
うん、クララ式その七、「的」だよ。
(わたしはドルイドのばあちゃんに聞いて、自分なりに思った、妄想のエーテルの魔法があったのだ。流石に恥ずかしいけど)
兎も角だ。地味だとしても、自分のなにかのお仕事をやって続く、なるべく長生きして生き残る奴は強いだろう。いいな、と病弱美少女のクララちゃんであるわたしは望んで、
結局のところ、体も小さいまま、10歳になる夜にインフルエンザでくっそ痛くて命が身体からさよならバイバイだを告げた所だがー
まあ、なんかこの様に続いていたのだ。
健康体そのものかも知れない草の匂いを嗅ぎながら
自分のマントの上で
今日のストレッチを行うわたしは思った。(お尻が冷たい)
ふん、「灰色の呪い」か。
自分の今を考える。
ドルイドのばあちゃん曰く、「最悪の毒」とか、「永遠の病」とか。確かに死者も操って犠牲者を増やすとか、人に取っては理不尽すぎて、それは…悪魔的だな、と思った覚えがあるけれど
この世界の文明社会を全部破壊することになるかも知れない、そういうやべぇ奴とわたしが混ざって、これからずっと自分の仕事をして
その「灰色」と戦って人の前に立てるのか。
わたしは目を瞑った。
うん。この世界はわたしの国だ。失いたくないと感じるね。




