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夢を見ただけで強くなるのはおかしいだろう

「彼がなんか言いましたか?」


茶髪の教授は流石にワインをエーテルの操作のまま持ち上げているのはなんだと思ったようで、コップを1つ手に取って、それにワインを入れた。ちょうど一杯をいっぱいにするくらいの量だ。


「そうだな。あたしがギルド長と『水球』の実験をしていたところだった。中央堂から彼女の言葉を受け取るところだった。彼は自分はもう『インフルエンザの時に凄い夢を見ているから』無敵の天才になったとか……そんなことを自信満々な態度で言ってた」


「なんですかそれは。彼、痛かったんですか?」


「そうだったらしい。アクアとして欠席したら、私たちの中で知ってる人がいたと思うから、講義の間に治っただろう」


「なるほど。そして、なんでしょう、その言葉は。彼、ちょっと痛かったんですか?」


もちろんこの場合の「痛い」は、彼の痛々しい言葉を意味することだ。


「たぶんそう。夢から奇妙なアイデアを持つとか矜持を得るなどのことは……聖堂の人にもよくあることだが……その時はあまりにも変な言い方だったので、全然そういう話をしているのだと思ってなかった。あたしは四属性くんが騎士小説を読みすぎておかしくなったと思ってた」


「彼の状況は読めたでしょう」


「まあ……読もうと思ってなくても大体のことはわかったんだよね、それが。

彼の同居人がいる」


「同居人ですか」


「彼はその人に看病をさせて貰って、そのことが非常にいい思い出として残っているらしい。彼はその時に見た、よくわからない夢のことをずっと思っていた。でも、その夢が直接的に心を強くしてくれるのはおかしいじゃないか。だから夢のことはいいわけなだけで、本丸はその同居人のことだと思った。8才のくせにいやらしい」


「愛ですか」


「彼はフラマでもあるからな」


「あ~~~なるほど」


「だからそのような仕組みがほかの属性としての『水属性』としても働いたのだ」


茶髪の教授はワインを一口含んだ。


「愛……は私は本当に理解ができませんものですね。なんで心の熱情などでエーテルの心構えが変わらなきゃいけないのか、そしてフラマは精神も火のようなものにできているらしいので、それが本当に働くから困る。非論理的だ」


教授は自分の恋人をいっぱい愛するけど、それは別に元素魔術「水」としてギルド員のお仕事とは関係がないことだった。この場合、「火の魔術師」の愛がこの場合の彼女の愛情よりまことのものか?それはない。そうだと主張するマギアは多分ないだろう。でも、「いつも凄い勢いだな」と、ちょっと気になる事は仕方ないのだ。


「それは同感だ」


「まあ、とりあえず彼の素質はよくなっていたということですね」


ガブリエルは彼女の話に頷く。


「彼が心が強くなったのは事実だ。その以前の彼は自分がただ四属性を曖昧に関わるだけで、いつかフラマを安逸に選べて、一生そのことを後悔するだろうとか思ってたいたから。

もちろん、火の堂の人たちも大変だから、それは別に『安逸な選択』ではないけれど、意思決定の過程がね」


「そうですね。ただミカエル学長のファンとして選ぶのだから」


「そう。でも、読めもしない夢か、愛か……わからんが、何かの理由で強くなってた。彼はもう『どうせ火の堂を選ぶだろう』ではなくなった」


「ふむ、そしてアクアとしても、今の『脱水魔術』などを作らなくちゃいけなくなったところを見ると、真剣に原理や実践のことを思っていると」


「そう。彼が本当に『どうせ火がメインだ』だったら、アクアの立場の戦法とか思ってない」


「それは水の堂としてもいいことだ。他の3属性の新しいアイデアが、使えるカタチで彼が導入することになる」


「うまく行ったらね」


「確かにそうです……その、『脱水魔術』は、汎用的になりそうですか?」


「うむ。これを見るといい。あたしの『霜星(フロスト・ノヴァ)』から一部だけを絞り出した方法だ」


ガブリエルは実験台に置かれている布を示して言った。


「布ですね」


「水を取り出して乾燥させたものだ。これをまた水に入れる。びしょびしょになった」


「そうですね」


「水のエーテル操作でこれを潰す」


彼女は手で実際に布を搾るようにジェスチャーを取って、水流が勢いよく出ていくのを見せる。


「潰してこうなったのですか?」


「布の平凡の物質があるから、その分全方向からの水のエーテルの動きが完全に全方向からのつぶしではなくなっている。だから均衡が崩れた部分から水が出る」


「うん……もともとエーテルの操作が学長の固有魔術『霜星』の部分だから難しいですね」


「そうだな。非効率的だな。だからもっといい方法を探している最中だ」


今ガブリエルが見せた部分は、「フロスト・ノヴァ」の霜が作られる過程と似ているものだったのだ。つまり、(スフィア)が圧倒的に広くないと「脱水」の具現が難しい状態だ。

自分の術で乾燥している部分の布を広めながら、ガブリエルは思った。


「アクアの生徒たちはもっとかんたんでわかりやすいコツを共有した方がいいからですね。」

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