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伏線なんて回収する必要なんてないだろう

サクサク、さくさくさく。


「……」


ス―――カサカサ、ペタリ。


「……」


男は満足したように言った。


「よし、これでいったん今夜やりたかった部分の設計は終わった」


アルベルト・レグノはペンを離す。ギルドから共有された情報で自分が作った「沼地の地図」に、平凡の工事をするための図面をいちおう完成したのだ。これからは、土台の上に木材や石材を上げるように、この設計の構造からの橋や防壁、道と農地との繋がりなどを編んで、積み上げるといい。


「今書いた設計図で大体行くんですね」


「そう。決定することがいつも大変だ。方向と、水の量や太陽の向き、土壌などを考えないと『決めたところが泥だらけになって使えないですが』になっても困るから」


「なら、リソくんの留守の心配をした方が良いかもしれないです。お疲れ様でした」


「そう。次のウリエル教授の会議は伝令が来ると思うから、それまではきみの食材やその次の次の『後継機』のことを思った方がいいな。ともかく、今使える知識は確かにぜんぶ入れたからこれからは簡単だ」


彼はからくり人形の性質を持っているので、自分の知識と記憶に接近して膨らませるのも意思が関わる行動だ。(もちろん、人の子は心の言葉や真名に関する自意識がそのようにややこしくなってないので、思い浮かぶことに操られて毎日を生きている)彼は、今日(昨日のなってるが、彼はまだ寝てないためまだ今日だ)伝わっていた沼地の調査隊の情報が脱落されて軽くなるのが惜しいと思ったのだ。それをまた思い浮かぶために神経を使っちゃうと、その分他の行動が取れなくなる。そして、知識を戻さずに意思決定に移る事は非常に危険なことで、情報の解像度の低さはそれ即ち例外処理が劣る事を意味するのだ。彼はそれをまた警戒する意味でも、教えて貰ったものを一回、なるべく早めに形にしておくべきだった……まあ、大体の平凡の社会というものプロフェッショナルがそうである。(そうでないプロもいっぱいいるが、難しいだけで、できたらこういった方法がいちばんいいと、みんな同意するだろう)


「おわり~~~なんか作図するのをずっと見てたらまた眠くなりました」


そう言いながら、白髪の少女はあくびをする。


「まだ10才だからな」


そして二人はリビングにまた出た。社会に潜んで「白虎」を探すその大男と少女は、「新しい人形を作る」という選択をして、これからどんな学びを得て、どんな冒険をすることになるのだろうか。

魔術ギルドの「大魔術」はいつもの平凡の技術者としてのお仕事だけど、「夜空のもの」の手がかりが手に入れるか、リソの「見えない糸」の秘密は明かされるのだろうか?それは……型物理性の理も知らないのだろう。


大魔術。「奇怪巨木」と無数の毒草を倒して、非凡の社会を脅かす「毒液」を止めないといけないその大作戦を指揮する、ウリエル教授と同じ権限を持っている水のマギア、ガブリエル・ブリナは、その時……自分の研究室で、「沼」の調査をしていた。

彼女もまだリソくんと同じ10才なので、幼いころから過多に夜更かしするのは、背が伸びないかもしれない!!!(「遺伝子がぜんぶだ」という話もあるし、諸説紛々であるが)


「……?」


ガブリエル・ブリナは水を容器にもどして、蠟燭が光を当たっている壁の隅っこを見て、表情を曇らせた。


「なにかに読まれる気分だ」


彼女は実の実は「攻撃魔術」が使えるものがないかを見ている最中。素早く沼地の毒草の化け物を倒して、もっと多くの人が安心してワインが飲めたらいいと思っているおかしな人だ。


「……」


◎ガブリエラ・ブリナ(「水の堂」ガブリエル・ブリナ)の研究室

◎魔術ギルド/水の堂

◎固有魔術:霜星(フロスト・ノヴァ)


奇妙な感覚だった。普段はあたしの目……世界の物事を少し「読んで」しまう、このうんざりで……とても強力なチカラは、あたしの思う通りに働く。一方的に人の心や状況、物事を読めるように、まるで世界が譲ってくれる感じがあるけれど、今は自分をからかう意地悪みたいな感じがしたのだ。もちろんこれは人には言えないことだ。自分の固有魔術(ウヌス・マギア)でもないし、属性とも別に(アクア)と関係がないように思えるこの「ワインの目」が、今はただ「大魔術」のストレスとプレッシャーに苦しんだ結果、いかれてしまったと思った方がいいだろう。あたしは別に追加加工している証拠はない葡萄汁を少し含んだ。


「にゃにゃ」


おいしい!!!


「ふん、やはりあたしがこのような世界で、このような個性(こせい)を持って生きていけるのは他ではないワインのおかげだ。あ、言っちゃった」


彼女は実は本当に本当、自分のブリナ家から影響を持ち、その範囲を超越して、水の堂の権威と聖堂とのコネで、全世界に通るワインを作り出して、それを続くという……野心を持つ10歳の少女。属性は水主に(メイン)。主に?


「それでも四属性の野郎がその一時的な瞬間、水のマギアとして(まわり)を説得できたのは意外だった。おかげであたしはぜんぜん意図もしてなかった『水を奪う事』が、今回の大魔術の全体的なアクアの戦法みたいになったじゃあないか」

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