ドルイドの呪術の話
自分の社会的な立場が、いったいなんだと思って
最近1か月くらい悩んだけど
歩きながら、朝の筋トレやりながら悩み
(狼さまに乗ってるうちはそういう場合ではないんだ。乗れるの凄くない?たぶん父もできないと思う)
やはり杖が振れる(物理)桜のドルイドだな、と思った。
「それいつものことじゃあないか。もう3回も言ってるじゃあないか。」
「わたしは不変の少女なので、それがずっと続くのです。たぶん後3500回は言います」
「まあ…非凡の人生はずっとつづくからな」
狼が言った。
桜のドルイドはドルイドの話をつづく。
「ドルイドは基本的に自分のエーテルと廻の木のエーテル。まあ、草木を主に地と空の色んな生命の源ですね。そう言うのを引き出して、その内側を「起動キー」に、外側を「資源」に調合、呪文と結合し、目的に合う方向と濃度と強さの変化を行う。それが呪術の原理だと言えるんですが」
「そうなんだ」
「起動には自分のエーテルを使う。コントロールするにも使う。そのエーテルは自分の、わたしステラ・ロサの「食ってなくても済む体」としては、「削られる」みたいなもんで、悪魔を狩って得た余分のエーテルとかがないとちょっと使いたくないですね。だから今も、別に呪術使わなくても生活できるから使ってないということだけど」
狩り中の父、でも特になんもやってない感じでずっと生活しているわたしであった。自然を友にして道を学ぶとかそんな感じより、自然そのものを歩くだけのドルイドちゃんだった。
まあ、(ドルイドの)ばあちゃんに聞くにはドルイドも色々の生き方があるから、わたしはその内の一つの生き方である「変わらない体を持つ」ドルイドなだけだ。多分わたし一人しかないと思うけど。
「でもおまえは混ざりということだな」
そうだった。
「ええ。わたしは不変の「少女」なんで。パンも食えて飴ちゃんも食える。偶像だからそのまま100%消化しますが。その食べ物で気力が出るのは同然のこと。この気力は内側のエーテルとして回って、「起動キーの資源」の心配がなくなる。つまり、ドルイドとして上手く実力を行使するためには、わたしは食物を食べる必要があります。」
なかなか便利主義の体だった。
ブイオさまが頷く。
「もともと非凡のものは、自分の種族の「名前」とかで強く縛られていて、それが存在を維持する器になったりする。そこで周りのエーテルを上手く吸って吐いて行動ができるし、成長もできる。実際にわたくしの体に吸収した「欠片」も安定に維持しているのね。でも」
わたしはそれがなくて
でも、その事実に絶対、絶望にならない。受け止めて、動くのである。
それが「森の姫様」の流儀である。
「そう。わたしは「名前」で体を縛ってはいるけど、だから「不変」だけど、非凡の生き物として亡霊みたいなもんです。コアがどうなってるのかもわからない不安定な状態ですね。その生き方ができません。ずっとこうではある。「ドラゴンがデカくなるような」ことができないのです。」
平凡と非凡のおいしい所だけを上手く取ってると言えばそうかも知れないけれど、
どうやらわたしはそんなに得だけ取ってるわけでもなく、悪い点ばかりでもない、なにがなんだかわからない頭白く光る宝石の棒振る機敏な娘のようで
「やはり冬は厳しいですね」
結論を言った。
「まあ、寒いからな」
狼も同意する。
その食物も、草木も、周りの地と空の生命もみんな眠っている冬のフィレンツェ
底を知れない山森は、ただ、黒くて、白くて、たまにクッソデカい騒音を出して羽ばたく鳥だけが見えたりしたのだ。




