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夢の国のきっかけ

「ブイオさまも言った通り、『予知夢』というのは難しいと思うんだ。わたしが言うのもなんだが、『予知』をするためには考えなきゃいけないものが多すぎてあり得ない。どこからそんな便利なイマジナリアが頭に入ってくると言うのだ」


わたしは自分のイドを構成するコアそのものが多すぎる、稀な種類の人だったので(そういうのがブイオさまは集合体恐怖症キラーで無理らしい)自分が言うのがちょっとあれでもありながら、逆に、だからこそ言える。そのわたしも、バラバラになってるその多いもの全部は自分自身としてコントロールすることができないのだ。「その花びらの立場では」動ける動力(ターボ)がないらしい。だから動かす時は、ステラ・ロサさんの意思で手足のように動くのだ。考えることは……何故か無意識的にちょっとできるかも知れない。多分古代魔術のおかげだと思うね。


そして、このように一気に多いものを見なきゃいけない時は、それをそれぞれ見ようとするのではなくて、一旦行動に移って、結果を見てからより有利なものを作り出すための方向性を修正して判断するのだ。そんなに便利に「ひらめいた!ここに行こう」は信用できないものだ。


「そういうのは周りの(スフィア)のことも同じです。複雑であると術が雑になります」


「確かに。魔術ギルドの人々も同じだな。知ったふりをしてしまったぜ。

土の魔術とかを考えても、だからいったん『塊』をコントロールして、それが上手くできなかったらやり直すことが必要だと聞いた」


だから「木」の方法より畑仕事に有利な点があるかもしれないと感心した覚えがある。


「はい、今日学んだ『水の浄化』も同じだったんです。だから『沼地』あたりの地方で、その水が普段はどの状態が綺麗な状態で、主に使われる農業の作物はなにかなども学びました」


「平凡のこともいっぱい学ぶんだな」


「勉強をすると、ちょっとわかるようになるから。それでも、そういうのを凄く勉強しているガブリエル・ブリナ教授もウリエル・モルテ教授も全部を知って見ているわけではないですね。それは彼女が人の全部の心を読めれないと思われるのも同じです」


「ディミティスというものもそうだし、全体的に多くて小さいと複雑でわからないのは同じようだ」


「だからわたくしはそういうのが苦手なのだ」


「いつもお疲れ様です!」


「はは……それで、ドルイドさんはいぜん見た夢はあまり信憑性がないものだと思いますか?それ以外はどんな内容があったんですか?」


「なんだっけ……なんか非凡の戦いがあって、巨人が出てた」


「巨人?」


「だからありえないのだ。きっとクララの時聞いてたギリシャ神話を何かのきっかけで思い出したんだろう」


「それもそれでちょっとありそうですね」


「そう、人の子が無意識的に自分が見て聞いてるものの中で飛躍して本当に未来に起きる可能性が高い結果を決めてそれを自分自身の頭に映す……とか、そういうのが本当の本当には当たる筈がないのだ。ただ持ってる材料からの弾きで、心を治める事を手伝ってくれるかもしれないけど、大きい判断の根拠にするのはおかしいと思う。自分の基準が守れないことだ」


「でも、それはクララとしてドルイドさんが聞いている話の中に出る無数の予知夢の話と相反するのではないでしょうか。それが全部『あ、当たった気がする!』ですか?」


「そう、ただ当たった気分になるだけなのだ」


わたしは「深紅の悪魔」として普通の人よりものを数えて覚えることは上手い方だけど、流石に小さい自分が関わるもの全部を見て覚えるのは無理だ。基準を示して、基準に合うものを受け入れるようにしている。しかも、わたしよりよっぽどそういうのが上手くて、もう神話レベルでできちゃうブイオさまも未来を読むことが難しいと言うのならば、人にできるはずがない。


「ブイオさまはできたんですか?」


「そうだな。『狼の星』だと言える『座標』の、お日様のような平凡のもののバックアップと、今よりもっと多重だったコアの状態では、例を言うと……きみが明日歩く歩数を予測することができるな」


「凄くしょぼいことではないじゃないですか。もちろんそれも凄い事であるのは知ってます」


エンブリオくんがどんな行動を取って、それが普段どのようなペースで行われるか、ギルドに出入りする人たちの複雑な動きによって移動にどう時間がかかるか、それによって歩く間隔を広くするか短くするかなどをぜんぶ把握しないと、そういうのは数えられない。

でもしょぼいな。


「う」


「なんか、未来の平凡の子たちの遊びとかはわからないですか」


「そういうのも頑張るとわかるよ?」


「うむ、確かにそれは凄そうな感じがする。楽しそうですね。

脱線した方の話に戻ってまた迷って、わたしが夢を見る事自体が、ブイオさまの話によると不思議な事らしいね」


「そうですか?」


「うん、この子は器が無数のコアなので、名前を一人で縛っているとしても、夢を見ることで魂のようなものが体を出入りすることがちょっと想像もできないな。でも、本人が明らかに寝る間の感覚も残って、夢も見ているから、それはクララとして頑張って人として寝るんだとわたくしは結論付けていた」


「言ってくださいよ。知らなかったです。気の通路は一方的なんです」


「これくらい別にいいだろう」

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