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自然の恵み

「そういうのを学ぶのが『古代魔術(エンシェント・マジック)・木』でしたと」


少年はわたしが眠い様子だから、わたしが寝てる間にも少しは書類を見るために、蠟燭(ろうそく)などを準備してた。でも、考えてみれば、アストラさんと話す間も待ってくれたのに、流石にそれも申し訳ないと思って、何回(まばた)いて眠気を飛ばすことにした。もともと、わたしは絶対寝なきゃいけない訳でもない、不変(エターナル)偶像(アイドル)の体なんだから。


「そう、古代魔術。白神女(しらかみおんな)が使って『ドルイドの呪術』になり、今のマギア全体になったと言っても過言ではない……元のもの。具体的な過程はわからない!でも、同じ方法だ。75000年前も『現代魔術』ではなくて『古代魔術』だった」


「それはおれの『夢』でも確かにそうだった気がします」


「そうか。賢者の国の時、わたしはこの世界に来てなんも知らない夜空のもの、深紅の悪魔の一人だった。だから、古代魔術で草木やどうぶつについて学んだ。つまり、75000年前の『賢者の国』の基準だけど、わたしはこの世界の様々な生命の種類を学んで、今はけっこう覚えていない」


「そうですか」


「『きっと学んではいる』くらいに、その薄い感覚に止まっている。クララちゃんとしてのわたしの知識と結合して、合う部分は戻っている。これは、わたしが深紅の悪魔としてのわたしの一部の粉だからそうだと思われるのだ。これからの欠片探しを続いてるうちに、深紅の悪魔を狩るとどんどん戻るだろう」


「ふむ」


「きみを助けた時と、このカバンを貰った時に、大分エーテルの制御能力がよくなったのだ」


わたしは自分の腰のポケットを示した。


「なるほど。だからおれを助けてくれたあと、『再回(リサイクル)』などがすぐ使えたんですね。初めて使うと言ってたけど、その時点でドルイドさんは『2人分』になったのです。『灰色の呪い』で粉になっている全体、そのうちの2人分。古代魔術の記憶も増して、なんかわかるようになったのです」


「なんで覚えているんだ。なんできみが説明する」


再回(リサイクル)……それは、わたしがただクララちゃんとしてドルイドのばあちゃんが使ってくれた「肌をよくする呪術」のイメージを覚えて、人の姿を維持するために自分が持ってる木のエーテルをまた自分の肌に被るような方法だ。なので、普段はあまり使う理由がない。それから一回も使ったことがない、「桜のドルイドの呪術」だったのだ。


「おれはその時の記憶を何回も繰り返しているのです」


「そうか」


「その時の太ももの感触が固さからモチモチに戻ったことも何回も繰り返しているのです」


「うげぇ……」


だから彼は、わたしがクララちゃんとしては「以前聞いた超面白い話を浮かぶ」ような感覚で、今年の夜明けにした経験を無限ループしながら、わたしへの愛情を付けていたと言っている。考えてみればそれもけっこう奇妙だった。愛が重い。やはり命の危機に対して、刺激的な経験過ぎたのだ。

わたしは、彼の愛情にちゃんと答えているのだろうか?まあ、答えているに決まっているけど。


木属性(レグノ)の話に戻ると、そのあと、いつか『草木も別に自然の恵みをくれてるだけではなくて、それぞれ頑張っている』という話をしましたね」


「そうだ。言うと殺し合いだ。わたしみたいに森に住む娘も、わたしより元気で子供の頃から山菜の採集などをしている子も別に気にしていないことだけど、草や樹木は基本、日差しと水を必要として、互いに競争関係なのだ。そして土壌もだ。土壌の養分」


「ふむふむ」


「枝葉が密集しているところは(ぬる)くなりやすく、影を好む(こけ)やキノコが生えるだけ。草も他の木も住めなくなる。水を探して樹木が別に根を持ち上げて動けるわけでもないから、木の実が動いて……芽生えて、次の木になる。このことのために、小鳥やリスなどに木の実を運ばせる」


「その部分はちゃんと自然の恵みですね」


「まあ、そうだけど。利害得失(ギブアンドテイク)だ。ドルイドもばあちゃんの話によると、リスなどはどんぐりなどをいっぱい集めると言うが、その食べ残しのどんぐりが雨を耐えて冬を過ぎて忘れられたのちに、周りの木が腐って養分になると、つまり、芽生えるにいい条件になると、新しい木になるから。自然の恵みはその状況を狙っているとも言えるだろう」


「ふむ」


「もちろん、草木には霊魂(たましい)が無い。あっても『吸って増す』植物(しょくぶつ)霊魂(れいこん)だけだ。それが聖堂のなんとかせんせいの平凡(オーディナリー)の教えにあったと聞くけど、それはわたしも確かに感じる。平凡の草木は人間の魂のようなものを持たない。別にそれ自体が強くて活発な魔術的なチカラを持っているわけではない」


「ドルイドさんが利用できる、木の魔力素材として使えるのはどの部類ですか?」


「そうだな。それがステラ・ロサさんになったあとわたしが最近までけっこう疑問だったところだが、どう見ても『賢者の国』の膨大な魔力のリソースがなくなったこの世界で、わたしの木のエーテルといちばん繋がってる、活気がある素材とは『植物が増す瞬間の過程』そのものから来ると思うのだ」


「成長ですか」


「そう、成長。だからわたしは『なんでこんなに冬に木がたくさんなのに、薪にすると利用できるのに、ドルイドさんになってるわたしはエーテルの資源として使えないんだ』とブイオさまと長く23回くらい話しながらも、ブイオさまは型物理性の理だとかデメリットだとか、クララちゃんとしてはわけわからん言葉しか言わないから、ぐぬぬ状態だったけど、春の探索を何回やってる間に分かっちゃった。(みどり)だ」


「うん、わたくしはもともと木属性は専門ではないから、それはこの子が自力でわかるしかなかった」


わたしのマントの部分が勝手にパクパク動いて喋った。


「草も緑で、木の葉も緑ですね」


「そう、わたしやドルイドさんたちは、どうやら『木材』では無くて、『その前の段階』により深い(ニュー)を持ってるもの。普段の薬草や枝、木の実などももちろんチカラを残しているから魔力素材として使えるけど、直接的に強力なのは生きている植物、その緑色から来る」

古代魔術「木」はエンシェント・マジック・みどり、と読みます。それを回収したくてなんか書いてみました。

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