名前をくれた
わたしが投げた言葉に、狼は驚いた様子だった。
「…!」
実の事を言うと、「わたしは、「狼が「深紅の悪魔」の神様ではない」という事を知っている」
そんな知識を得た。未だに情報は足りなくて、わたしは不安定なままだとしても、
「契約」というものが、ただ名前をあげるだけで、特別な神様の奇跡みたいな、力を与える事ではないことを把握している。
ただ余分のエーテルの勢いと気が繋がってるだけだ。わたしはこの狼をマスターとしているきのこの使い魔みたいなものだと。
わたしと混ざっているのが「普通の「深紅の悪魔」ではない」こともなんとなくわかる。
「うわぁ酷い」と感じる?それは
「深紅の悪魔として破綻していた」ということだ。
それでも、
狼は返事をした。
「そういうことになるか」
物語になる。
灰
赤
わたしはわたしの中でそれを見る。
そうか、そう行くか
クララのデカい言葉を俯瞰しながら
(もともと思うことしかできないけれど)
霧の灰の状態で
■■■としての欠陥品で、粉々になって、それでも他の個体とは明らかに違く
薄い自我を持ちながら
ばらばらのコアが全部意識を保っている破綻した状態で、
「人の子が憑いている「深紅の悪魔」の亡骸」のわたしは思った。
でも、エーテルの理では、嘘は厳しいぞ。
いずれか必ず帰ってくる。
罰があたって、急に忘れろビームを撃たれて
おまえは噓つきだ、と絶望に砕け散る
それが型物理性のデメリットだ。
「そうだよ」
わたしは力強くそう言った。
平凡も非凡も知らない。わたしが求めるのは物語だ。
物語の「森の姫様」だ。
気持ち悪い正体なんて会話の破綻なんてどうでもいい。
型物理性の理から逃げる。
最後の最後の最後まで
まことにできる時まで生き残って
まあ、そんなに嘘ではなくなったか。
別にいいか
になればいい。
「わたしは貴方を神様にして、「森の姫様」になるんだ」
わたしはドルイドの呪術も、非凡の常識も、強さもあまりないけれど
病弱美少女の成れの果てとして
桜のドルイドとして旅をすることはできる
狼はまだ混乱していた。
「確かに言った
自分の再生のために、偉そうに、おまえに名前を与えて、
ばらばらになったわたくしの欠片を集めていきたいと
もう「深紅の悪魔ではない」おまえを使役して下部にしたのは、わたくしで」
「かけらの力にあたって、思う通りにならないであろう「深紅の悪魔」たちから力を取り戻そうとした」
「そう」
でもそれが、星化が、もともとはもう一匹の星のワンちゃんみたいになるはずだった普通の行いが
この星の頭いかれた田舎娘の妄想に、勝手に形をして、人の子として復活したのだ。
いや、復活ではない。ばらばら粉々になった■■■のコアの粉末はそのままでー
その上に名前を塗れているだけだ。
それでも、
「わたしの名前は「ステラ・ロサ」なんでしょう?
その名前をくれたのはブイオ様だ」
人の子が星を縛った物語だ。
「わたしは精一杯「座標の衛星」やるから、
ブイオさまはこの嘘にずっと付き合ってほしい」
ー確かに
■■■一人のわたしも同じだ
出来損ない、珍しいもののままで幸せになりたい
偉くなりたいのだ
「最悪」の後、コアが崩れ落ちて粉々になったわたしは
そのまま意識を保っていて
実は、また失敗したところだった馬鹿者だったが
「星の後継者」よりもデカくて偉い道が、あったかも知れない。
歴史勉強をいっぱいして、果てまで生きよう。