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火の周り

ドルイドさんは占星術師のアストラ・ネロさんと話しながら「やはりミカエル教授が非凡の戦いで最強ではないかな」という感想を聞いたと言ったけど、確かに世界の物事の色んな変数があると言っても、おれも彼が最強だと思ってる。

そう、「なんで彼は戦わないの」という疑問に非凡科の人や、このギルドのマギアさえも思ったりするのだ。これは、彼が本当に無敵のような能力を持っていて、戦いでマギアがみんなもつ弱点からも安全だからである。


彼の「自分が能動的に意識してなくても身を守る(スフィア)」は、実は彼自身もその原理を明確には知らないらしいのだ。なぜかできる。なぜか、敵の鉄砲玉や矢が勝手に燃えてたと言う。これはただ彼のエーテルの(スフィア)が大きいからそうだと言うには、他の3人の大魔術師のせんせいは大きさと重さは同じくらいなのに、自分が意図してない場合も便利に術が発動してくれるものではないからだ。それぞれのとくせいも、スピードはギルド長が、重さはウリエル教授が、範囲はガブリエル教授が増すと思われる。でも、その「前と後の順番を無視する」ような絶対的な特性を持ってるのだ。そしてそれとは別に、ドルイドさんは……自分が(個人として関係ないとしても)もともとは人の精神を支配する「深紅(しんく)悪魔(あくま)」という種族の一部だったので、その面でも「大魔術師たち」を評価していたものだ。「人間の心を制圧する方法」を使っても、多分大魔術師のせんせいくらいになると、その「支配」が効かないと思われると言った。けれど、ミカエル教授の場合はこれとも違って、その「敵意を持って挑む行動」に何かの結果が帰るみたいに、どうぶつが毛を触れると激烈に反応する様に、「支配ができない」を超えて、その深紅の悪魔が火のエーテルで燃えちゃうかもしれないものでもあった。これは、深紅の悪魔にも襲撃されてみて、(しかも火のマギアとして対応としたんだけど、心の言葉を縛られた)ギルドでミカエル教授のことを一番尊敬する(彼を一番尊敬する人がおれではないかもしれないとしても、おれが一番尊敬してるギルド員は彼だ)人として、けっこう自信もって言える話である。彼は支配されない。


「まあ、彼と私たちの場合、非凡の強さや平凡の勝利より「案恩にこの仕事を続けるのだろうか?」の方がもっと問題だもんね」


業務課のせんせいの言葉におれも同意した。


「まったくその通りです。『水の堂』のように政治的にものごとを解決する事が上手いわけではないし、元素魔術の内にいちばんの戦闘能力を持つ。だから、ギルドは古来から、火のマギアを主に平凡の戦いによく参加してた。でも、本当に怖いのは戦いが終わったあとの整理の過程ですね。多くの火のマギアをギルドは払っていた」


「うん。それがいちばん怖い。どんなに人をよく燃やすマギアだとして、責任問題になると難しいもんだ。そして、基本的に凡人はエーテルのものごとが見えないから、人を勝手に発火させて争いを終わらせたものがなにが凄いか?と平凡の兵団が権利を主張することになると……『はいそうですね』とフラマがやってた戦果を分けられることになるけど……それをどうする方法がない。難しい。エーテルの操作ができる人はおろか、見える人すらも非常に少ないんだから」


「まったくその通りです」


「だから結局いろいろあってミカエル教授は今のギルド長の政策に入るまではさまざまな戦争で鉄砲人間として扱われたということだね」


「おれはその1つの戦闘で命ぃを助けられた立場ですからちょっとは奇妙な感覚ではありますが、入ってみたら本当にミカエル教授の待遇が変だと実感できましたよ」


「厳密にはお(たく)くんが助けられた時期ももう彼はちょっと待遇がよくなってる時期だから。本当に絶望人間の時を君は知らないって」


「そうでしたね……」


こういう話は確かに火の堂の外では言えない。おれは本気でそう思った。

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