大魔術に申し込もう
人が凄く多い水の堂の講義室を出て、流れが一部は食堂に向かっている動きには乗らず、おれは他の方の人の波と共にした。(水のマギアも人の体を持つ限り、普通に動いて行動するものなのだ。このような時に「水の操作」の時動かせる水たまりの様に、こっちにいる自分の体というものを瞬時に他の処に動かせると、凄く利便だろうけど……そんなことはできないのだ)
「今日の昼飯はなんだったろうか」
もしかすると今日は飯抜きになるかも知れないおれだったが、それでも反射的に頭で浮かんだ。
おれは中央堂に入った。
普段よりは明らかに人の出入りが多い。みんな「奇怪巨木」の件で忙しいのだ。
「お、ウリエル教授だ」
ガブリエル教授とのミーティングがあるという「土の堂」を見つかった。待ち合わせ場所は中央堂だったようだ。(それもそうだ)おれは大魔術の参加申請の印を探しながら、彼と目があったので、ジェスチャーだけで挨拶をする。彼もおれを発見したようで頷いた。
今回の件は奇怪巨木を排除したあと、汚染した土地を直すことが目的だと聞く。だから、土地を直すことが必要なのだ。でも、マギアは奇跡のようなことを起こしてものを変えることはできるけど、それが雨が降っても人馬が通ってもずっと維持できるようなものを立たせることは難しいため、平凡の技術者が普通に地面の補強をしなきゃならない。だからその作業をする間、水のマギアが水路を握っていることと同じく、土のマギアは沼地の地盤が崩れない様に、廻の土を持ち上げるのが今回の「討伐」の後の仕事だと言っても過言ではない。ここで「土の堂」ウリエル・モルテは不満だ。ふだんも「マギアが終わると結果物が崩れること」が気に入らなかったらしいから……彼にとって、「平凡の技術者が作業を終えるまでものを握る」だけの役割に、「固く保って続く」という土の魔術なのに果たしてそれはよく働いていると言えるだろうか。(もちろん、おれは凄く素晴らしい作業だと思うけど、あいにく彼は天才の上のスーパー天才の一人なのだ)そんな彼が、今平凡の技術者のリストを管理する心は、誰もそんなにわかってないだろう。でも、ウリエル・モルテはそれも完璧に遂行する筈だ。それが「土の堂」のお仕事だから。だからこそ、そんな彼が今回の「平凡の技術者たちとの提携」を準備していることはより複雑に、特別に感じれた。
「こんにちは」
中央堂の業務課のせんせいがおれを見て反応した。
「こんにちは。四属性くんではないか。昼飯、食わないのか」
緑のギルド員の服に中央堂の飾りを付けている長身の男性だ。
「昨日の午後までは別に思ってなかったんですけど、大魔術に参加しよう!と心を決めたんです。その覚悟の遅さの対価で、今日の飯は放棄してもまあ仕方ないかーということです」
「そうか。で、どっちに参加するんだ?」
業務課のそのせんせいは、普段は「風の堂」の風の教授でもある。元素魔術「風」を利用したギルドの連絡システマや記録ものの管理を纏わっている人なのだ。普通にアリアとしての実力も優れると聞く。
「フラマとして参加したいと思います」
「確かに、きみ尊敬してるね、ミカエル教授。幸いに、ラストの一人残ってたよ」
「本当ですか!ならその枠に確定です」
ふううう。これが今日おれがやった行いの中て、いちばん安心できるものなのかも知れない。
「はいよっと。それでは、こちらが堂を問わずに参加するギルド員向けの案内種類だ。そして、こちらが魔力記録だ。『赤』を出して」
「はい」
おれは彼の案内に従って、自分の火のエーテルの色を改めて記録し、サインを書く。
「8才なのにけっこう長くて派手なサインだ」
「おおものになるつもりですので」
「しかもいちいち日付までスティグマに押し込んでいるな」
「その日の情報も含める半分固有な記録になるからです」
「確かに」
おれは四属性。つまり彼によっておれは「風の堂」のマギアとしても慣れている学生だということだが、おれは普段からミカエル教授のことを尊敬してる態度を取ってたし、それが命を助けられたことから来ているということも知る人は知ってる。だから彼は別に「なんでアリアの役割では参加しないのかよ。それは『四属性』ではなくて火に絞れば?」のような考えは、ぜんぜんしないような感覚だった。つまり、爽やかだ。
「これで、いったん参加は確定なんですね」
「あいよ。書類に載ってるけどこれら大きい点があるんだ。❶大魔術までのカリキュラムは普段通りだけど、義務は大魔術の準備の方が優先される。❷役割としての個人時間の準備がおすすめされる。❸準備のための『堂』からのお小遣いがもう少し申請できる。……きみはどっちも該当するから、この辺の『カリキュラムを代替する』部分では別に利得がないかもしれないけどな」
「そうですね。義務が軽くなることは四属性ぜんぶ同じだけど、火で参加する以上、大魔術での出来事を認められる部分は「水」「土」「風」ではないですから。欠席にはならないけどプラスにもなりません」
「大変だな……でも、俺もそういう、何個も握って続くことは凄いことだと思うんだ。キットギルド長の『すげえ奴』の条件に相応しいと思ってるんだ。なら、命大事にな」
「ありがとうございます!」
「申請も終わったし、飯が食べれるな」
「そうですね。そういう教授は、昼飯は大丈夫でしょうか?」
「俺は朝飯でいっぱい食べてる。今はたいへん忙しい時だからな」
「なるほど」




