いや、違うかも知れないじゃないか
「そうなのか?」
報告と相談とそれからの心得は大事だ。わたしはわたしの中のわたしとなんか同じ方向性になったみたいで、もっと賢くなったドルイドちゃんとして喋る。
「ええ、わたしが「星化」して、ブイオさまに使命を与えられたのが、あいにく何日まえ、少年を助けた聖堂の前だったけど。もともとわたしは村で息が絶えたのが最後の記憶だ」
「そう、そこで、聖堂の庭に落ちて、わたくしは粉々になってる「深紅の悪魔」と人の子の亡骸が混ざっているものを見て、「うわぁこれは酷いな」と思ったのだ」
「さすがに言葉を選んでほしいです」
「済まない」
「隠れ郷に「灰色の呪い」が流行ると、その村はもうお終いです。もともと村人やドルイドの何人以外は来たこともない。そんな田舎のもの、一つ二つ手出しても、リスクの方がデカすぎる。
確かに生前のわたしは病弱美少女で珍しいもんだったんですが」
「その表現、今必要か」
「白く生まれた人の子は、いろいろ大変なんです」
「そうか」
ふん。
「でも、わたしは家に居たんだ。わかるすべが無くて、「灰色」の毒気は平凡の猛獣たちも避ける。どうぶつによって、そこからわたしの体が運ばれるわけもない」
「そうだな」
わたしは「解答編」の気取りでそう言った。
「「灰色の呪い」に動かれたわたしが、そこまで赴いたと考えるのが正しい。」
そして、「深紅の悪魔」は「灰色の呪い」を持っているように見える。でも、別に体調不良になるとかでもなくて、ただ移すのだ。それは何故何故?
「正解:「灰色の呪い」が体を得た存在が、「深紅の悪魔」だったんですね」
「うむ、わたくしもそう思う。」
イヌはなんか可愛く困惑していた。
「そして、「なんでわたしなの」だ。貴方様は」
これは最悪の嘘だ。
「「深紅の悪魔」に力を与えることができる、あいつらの神様みたいな存在なんです」




