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オリジン

「ただ立場があるからではないか?人の子のマギアの中で一番偉いだろう」


ブイオさまが言った。そうか?そうかもな。確かに、教皇庁非凡科から様々な面倒を見させてもらう国際非凡組織が魔術ギルドだ。本部がここフィレンツェにあって、わたしたちは類を数えるとその(じゅく)該当(がいとう)するカタチの部屋に住んでる。(これはギルド員の家族として生活してるから住めることなので、それだけではなく、ギルドとちゃんと提携する薬師としての立場も固まると、この家関連の制度はどうなるのかな?忘れなかったらあとで調べよう)

そのチカラ、お金、人力、権威はたぶんローマから来るのだ。具体的には知らないけど、教皇庁から来るのだ。つまり、「非凡科(ひぼんか)」は普段フィレンツェにはいなくて、魔術ギルドがここの代表だ。だから、その代表であるラファエルギルド長は、権威に従うということを見せるために「歌が好きだから」という理由を付けて、別に義務ではない教会の行事に参加してるのだ。


「なるほど。(おさ)は大変なもんだ」


そして、エンブリオ少年は爆速でわたし二人の考えを読み込んで誤解(ごかい)訂正(ていせい)する。


「いや、確かにそうですが。ギルド長は吐くように仕事が多くて大変ですが……違います、二方。彼女は本当に歌が好きなんです」


「そう……」


「そうか……」


ただ歌が好きな17才であった。


「これからはおれの推測ですが、ギルド長はもともと『(アリア)』の才能が、言葉や歌のような性質だったのではないかと思います」


「なんか爆音の魔術とかもあったしな。声も凄くデカいし」


「そうです。だから固有魔術(ウヌス・マギア)の『(とどろき)』もできてるのではないかと」


ふむ。つまり起源(オリジン)の話しだ。

最近「(アクア)の操作がよりできるようになりました!!!」とエンブリオ少年ははしゃいでた時があった。その時の彼の話によると、四属性のマギアは同じ「元素魔術(エレメント・マジック)」という部類に入って扱われるけど、それぞれのマギアはその起源(オリジン)というもんが違うらしい。だから同じ水を扱う水の堂のマギアもそれぞれ平凡の水を感じる方法、水のエーテルを感じる方法、それをまた握って利用する方法が少しはぜんぶ違うから。場合によってはギルドの「元素魔術(エレメント・マジック)(アクア)』」という一つのシステマに一旦は合うけど100%は合っていないギルド員は「操作(コントロール)」に難しさを経験することが多くて、それでも同じ属性ではあるため、カリキュラムをなぞっていくと、結局は適切にコツをつかむようになると言った。(ギルドの教育システマはすごく良くできているように感じた)


火、水、土、風。そういうオリジンというものは、火は「戦争の経験」「もともと家系が火を扱う平凡の技術者だった」「火薬とかあこがれる」などが原因、水は「塩の生産をする家だ」「ワイン作ってる」土は「畑仕事する」「商人だ」などなどなど。

そして、風。ラファエラ少女は風だ。その内「歌が好きだ」だったんだ。なるほどね。


もちろん平凡の生活からエーテルの才を見つけるもの以外も生まれてからのマギアもめっちゃいるのがこの世界だが、この「マギアの家系」も同じ理由で作られたのだ。そんな「好むもの」が似ていてエーテルの素質が合うような人は、仲良くなって家族を紡ぐことも多いだろう。チカラを強くするために結婚することも多いだろう。どっちにしろ、だから同じ水のマギアが家庭を作って続くとそれが水のマギアの家系になるとか。そういう、家からの源になるのだ。それがマギアの家門で生まれた人のオリジンというものなんだろう。


「ギルド長は歌ったりもするか?」


「いや、それは流石に立場でできないらしいです。ここもポイントが『参加しようとしてた』でしょうね。彼女は聖堂の行事に参加したいと思ったんですが、魔術ギルドの長が聖歌隊と共に何かの歌を唄うのも変だから、その願いは叶わなかった」


「なるほどね」


ふん、これはいいネタだ。わたしはこれからもここフィレンツェで安定的な魔術ギルドの恩恵を貰っていく気が満々な人なので、これはギルド長と仲良くなれる話題かも知れなかった。でも、アストラさんに一回確認してみたあとで本人に喋ることにしよう。


「人の子それぞれウルトが違っても、だいたい四属性に収まるのか」


ブイオさまはそう言った。


「そうですね。だから二方と最初に出会った時におれが多少メンヘラを100万%発散して混乱してたわけです。なにかが自分の起源ではあるけど、それが4つに全部が適していて、しかも人並みにはできる、それでも天才の教授たちの水準には及ばない。『クアトロは珍しい!』とギルド長は大喜びで他のギルド員から見てもすごいことだ。でも、おれは普通×(かける)四だ。その2年はけっこうやり甲斐もあったけど……徐々に行き止まりに進んで行く感覚もしたのです」


「そか」


「今はドルイドさんへの愛でぜんぜん固まってますけどね」


彼は風のエーテルを少し操作して、わたしの「花びら」を少し浮かしてそう言った。くすぐったいって。

作家は桜の嵐に曖昧なパロ要素を入れ過ぎていて「ステラ・ロサのオリジン」という表現が作中のクッソ大事な部分に挟んでます。これが大丈夫かちょっとわからなくなっちゃいました。でも考えてみれば「Fate」シリーズの「魔術の起源」も似たようなものだし、合わせるといいか、という論理で今回で確実にします。起源(オリジン):個人の(ウルト)の素質を催す物語性(ヒストリカル・アイデア)。経験や環境によって変わったりもする。

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