わたしは修行編など入らん
次の日と次の日と次の日くらい、
そうは言っても、流石に急に「森の姫様」の最強伝説みたいに、わたしの杖が岩を砕いて、再活用の呪術の花びらが物理力を持って狼を縛ったり、自分が優れた賢者になれる訳がなかった。
今日も夕が暮れて、日が登ったのだ。
とりあえず杖道は私の基本だ。
不変の
無敵かわいい究極の身体を100%扱っていると言い難い、と思いながら
わたしは今日も棒を振って、なんも食べなくて、普通に川で水を飲むところだ。
飯抜きです、というか、食糧がないのだ。冬なのだ。
今更言うけど、こういう身では無かったら、もう病気になるか、餓死している。
不変の体は食べなくても済むとういう意味でもあるのだ。
もともと飯といえば
わたしは食べる事にそんなに執着がなくて、
父にいつも、「食べないと病気が治らない」と言われたけれど、結局一回、亡骸になるまで、わたしは病弱だったな。
少年の家で食ったパンは本当に美味しくて、ふん、食べなくても生きれる体になってからこそ、食べるという行為の、美味しいという概念が生じたのか。なんて皮肉な、とか奇妙な気分だった。
家族に恵まれたもんだ。
そういうわたしは、今、村を離れてから1ヶ月くらいが過ぎた、独立したドルイドの姉ちゃんになったのだ。
まだ10才だけど。
(故郷はもともと隠れ理で見当たらないし、どうなってるか確認することも恐ろしいので、別に探したくない。)
「いや、棒を振るだけじゃ負けますよ。ブイオさまが戦ってくれるわけでもないじゃあないですか。」
わたしは狼に文句を言う。
「言ったろう。おまえは、いつ崩れ落ちるかわからない、
コアが不安定な魔法生物みたいなものだと
1ヶ月身につけた振り付けが台無しになる」
「む…そうですね」
意欲的に父のような強い狩り人になりたかったけど
それは考えてみると国に属しない魔法生物の狩り人、
つまり、少年から聞いた話に影響されて
急にドルイドではないハンターを目指すところだったわ。
(なんという不安定さだ、と自分を判定しながら)
わたしは棒が振れるドルイドという特徴に集中することにした。
「でも、方向性はあってると思うのです」
「方向性?」
そうだよ。
わたしの「座標の衛星」という怪しい目的がなんだというと、このブイオという犬が、もとのお星様の居場所に戻れるために、わたしがその代理人として偉くなる必要がある、という事なんだけど
狼はあの「真紅の悪魔」など、一部の魔法生物には詳しい。
でも全ての知識を持ってるわけではなくて。
わたしに名前をあげて、安定にできるような威厳は持ってる。
それは、「悪魔」たちには、
もう他の個体には、郷として威厳がなくなったということだ。
実際に攻撃も当たっているじゃあないか。
わたしが、唯一な星の継承者として、光れるということだ。
「森の姫様らしさです」
繋がった。




