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不滅のドルイド

「で、凄い奴らを集めたいラファエルギルド長と、その相棒に負けないくらいの珍しさを残したいと思ったネロ様のおかげで、今日もパンが食えるわたしたちだが、わたしは正直もともとの『森の姫様』というものが半分は『白神女の次代』みたいなものだったので、好都合だ」


「確かに」


その売られた特徴は勝手にお金持ちが良い値段で買ってくれたのだ。


「ネロ様はアルベルト氏みたいな珍しいものを見て、なにかの共通点を見分けてわたしが永生(エターナル)の特徴を持ってると判断していると思う。根拠が薄いとしても、わたしを圧迫することは成功した。そして、それは当たりだった。わたしは不滅のドルイドちゃんだ。自分が今持ってる『呪い』の粉の情報はだいたい把握してるのから、自分がそうであることをわかってる。実際食べ物なくても過ごせるからな」


わたしとは違って、白神女は食べないとダメだと聞いた。いつも神獣に食べ物を運ばせるのかな?


「それでもちゃんと食べた方がいいです」


「そうなんだな」


わたしはこの話題も以前何回あったので、適当にスルーしようとしたが、エンブリオ少年はわたしが普段パンを食べないのが気になってたらしくて、もっと具体的に言う。


「理由は主に3つあります。みんな食事をする、気力に使えるエーテルが確保できる、食べるためのモチベが増す」


「確かにそうだ」


少年の整理はかんたんだった。みんなが食べ物を食うのにわたしだけ非常に消費が遅いとか、ぜんぜん食べないとかするとあやしいのだ。人の前に立っていい事をやるわたしの「実績」というものが重なってない以上、それはただの変な人だ。人々にそう思われることはよくない。

そして、自分は食べると気力が出せる。木のエーテルというもの、「花びら」はただ、「小さいドルイドさん」である自分の粉なんだが、これの消費を防いで代替(だいたい)できるものが食事で得る気力なんだ。ラストに、モチベーションとは、いつかのピサという郷で思ったように「贅沢な食事をしてみたいな」のために頑張れる……とか。そういう事だね。


「でも、ドルイドさんの仕組みはちょっと納得ができない部分がありますね」


少年は追加に疑問を示す。


「ちょっとしかないのが不思議なくらいだよ」


「それはそうですが。2番目の食べ物からの気力のことです。ブイオさまのエーテルの勢いとなにが違うんですか?その勢いで、使い放題にならないんですか?」


「わたしはわからん。何が違うのですか?」


即座(ゼロレイテンシ)にブイオさまに質問を投げるわたしである。


「むむ」


「わたしはわたしが粉だからわかります。ドルイドの呪術などを「花びらで」使うと、それはその分減ってしまう。でも、ステラ・ロサとして食べたものは消化して熱が余ってる間は自分の木のエーテルとして使えるのです」


「なんというか……最近言ったあれだ。どうぶつは体の動きに火のエーテルのような仕組みがあるそれだ。わたくしがおまえに送るエーテルの勢いは基本、(れい)などのものから来ているもので、それを効率低く変換することにより、おまえが扱えるエーテルはステラ・ロサさんの体を維持する範囲を越えない。その余る部分が頭を夜に光らせる。これと違って、「人が飯食って元気出す」のはわかりやすくて、おまえのエーテルとしての変換の効率がいいということだ。つまり、わたしのエーテルの勢いはおまえのステラ・ロサという真名(マナ)(うつわ)を固定することに使われて、そこでもっと元気を出す為にはステラ・ロサが食べなきゃいけない」


全然理解ができない。またぶにゅぶにゅの常識をいっぱい入れた言葉を言うブイオさまである。ちなみにわたしは調子が狂った時は何故かちょっとこういう神話生物理学の事がわかる気もしなくもないが、基本はフィレンツェのクララであるステラちゃんなので、理解力に常識という限度がある。現代人のエンブリオ少年も同じだ。世界観(せかいかん)を越えない。


「それは本当にどういう意味なんですか?」


「やだ……わたくしはもう、この現代社会の平凡と非凡の技術が早く発展して欲しくなった」


わたしたちに理解されなくて悲しんでいる。


「難しい事です。コツコツ発展するしかないです」


「知ってる」


それが焔流累颯(えんるるいさつ)(かさね)だしな。うん、コツコツね。


「でもわたしは非凡(エキストラ・オーディナリー)の天才だから、ちょっとはわかった。あれだ。ブイオさまと繋がってるチカラはわたしを不変にすることに限定されていて、食べ物はそこからプラスになるのだ」


「へえ」


「そうそうそう、そういう事だ」


「ふん、なるほど。なら確かに普段よく食べるようにした方がいいと感じる。あ、エンブリオくん。ついでに一つ訂正しよう」


「なんですか」


「わたしが『花びら』を削られることはそれ自体がそんなに『絶対使っちゃダメ』まではないのだ」


「そうですか?ドルイドさんが減っちゃいますよ」


「深紅の悪魔はきのこみたいなものだから、他の奴を狩って、わたしの『座標の衛星』の物語性(ヒストリカル・アイデア)で塗ると良い。その、悪魔から直接的に吸収したエーテルに上書きすると良いのだ。その部分はステラ・ロサさんになるから。つまり、わたしが扱える『花びら』になって、余った残りは杖に入る。杖の限度以上余ると多分ブイオさまに入る」


「そんな仕組みだったんですか」


「そう、わたしはもともとそんな仕組みだ」


「本当にいやな特徴ではないか」

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