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火の大魔術師、ミカエル・グエラについて

「ええ……」


「まあ、半分くらいは合ってる」


しかも半分くらいは違った。でも、この人は多分どっちが合っててどっちが合ってないかを訂正してくれない……仕方ないので、わたしはネロせんせいの表現に反応した。


「そう言えば、その四属性の少年はこのギルドに来る前に、ミカエル教授に命を助けられたらしいです。だから、彼のことが特に気になってるらしいです。もちろん魔術ギルド全般に愛着を持ってますが、火属性に近いのも確かです」


「そうだったのか。まあ、自分の命の恩人ならそうなるんだ。彼のことはそんなに詳しくないけど、ラファエルギルド長が期待してるものだから、よく育つといい」


「火のマギアたちは戦闘に出ることが多いから、同居人としてはずいぶん心配です」


彼女はわたしに同意する。


「そうだね。ギルドも、特に火の堂の人たちは自分たちの命が関わってるから、きっちり規則に従って求められる戦闘行為だけに参加することにしてる。でも、戦争は厳しいものだ。作戦中に何が起こるかわからない。ミカエル教授くらいの化け物ではないと、命の保証はできないな」


つまり、彼は戦争が厳しくて、作戦中になにがあっても命の保証ができるということか?


「彼は本当に凄いんですね」


「凄いよ。四属性くんにも聞いたようだが、彼はギルド長が長になる前から火のマギアとして活躍していた。むしろ家の事情で無理してた頃にも、十分すぎる結果を出してチカラをぜんぶ出してはいないんた」


「そうですか」


「彼を非凡の戦いで倒せるものがいるのだろうか?私は少し疑わしいが……それこそ、非凡の出来事にはなにが起こるかわからないものだから」


確かにその通りだ。わたしに近い関係の「深紅の悪魔」も、自分と同じくらいかちょっと強いくらいの人は「心の言葉を縛って」問題なく制圧できる。世界にはそういう様々な変数があるからな。


「特別なチカラを持ってるのですか?もちろんわたしもマギアの事を調べて、彼の強さについては疲れるほど聞いてるけど」


「はは」


「基本は同じですね。(スフィア)のものを燃やして利用する。『炎矢(フレイム・アロー)』というものも燃えると出る勢いを、炎自体を飛ばす方向に向いてめらめらさせる原理ですね。彼はその範囲が本当に広くて熱が本当に熱いということ。表現が単純になっちゃいますね」


「うん、事実だから仕方ないんだ。単純で強いんだ。だから彼の仕事は教皇庁の非凡科によって厳しく制御されている。そしてギルド長は先言った通り『凄い人を失いたくないから』より火のマギアの戦争参加条件を高く調整している」


「そうなんですね」


確かにラファエルギルド長が率いてからのギルドはマギアが人が戦争に参加して完全に壊れるほどの無理はしない感じらしくて(もちろんなになに戦争に参加すること自体が心が壊れるものだとわたしは思うのけれど、物事には(ほど)というものがあるからな)彼が本当に大規模の戦争に出て兵士たちを燃やす事はそんなに多くないらしい。


「でも彼のチカラはそれだけじゃないんだ。少年に聞いていないか?」


うん?どういうことかな。


「特に元素魔術『火』の基本に充実な話以外は聞いてません」


「ふうん。まあ、彼は四属性に充実だからか」


凄く意味深い感じで彼女は言う。


「どういう意味ですか?」


「いや、私はギルドのせんせいだ。もちろん四属性に充実だ。だけど、ミカエルせんせいにはなんかもっとこう、違うものも持ってるんだ。達観(たっかん)してる感じがあるんだ。それは彼が今まで焼いた人から来るのではなくて、彼が他に持っている感覚だ」


「達観ですか。他に持っている感覚……?」


「視野が広くて色んなことを感じてるというか。まあ、もちろん普通に魔術ギルドの教えはそういう事を(スフィア)が広い事とほぼ同意味で使っているけど。彼はなんかスフィアとして入る前に、入ったものに反応する感じがある」


「へえ」


それはなんか、(スフィア)のものを手草(ジェスチャー)だけでコントロールする、とある天才を連想させる特徴だった。もちろんここでそのコントロールとは「クララ式エーテル操作」を意味する。

彼女は説明を続く。


「火の魔術師はみんないつもこう言う。『自分の魔術で隠れるその隙に矢が飛んで来ると仕方ない』」


「はい、それはわたしも聞いた事がある言葉ですね」


少年が一番最初に言ってた気がする。炎矢はそれ自体が非常に強い光と熱を出すので、混ぜって飛んで来るものがあったら、わからなくなるのだ。


「そか。でも多分ミカエルくんは、その『自分の隙に飛んで来る矢』までも燃やしちゃうんだ」

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