占星術師のせんせいに会いに行こう
「なら、失礼にならない様に頑張るわ」
「はい、先に寝ちゃうと思いますが、頑張ってください」
「寝なきゃ立派に育たないんだ」
エンブリオ少年はこれからいっぱい食って寝て大きくならないとこっちも困るのだ。わたしはドアを開いて外に出た。春が来ているからそんなに冷めてない。
「まだ寒いですね。気を付けてください」
「そうだ。わたしは永遠だから寒さとかけっこう大丈夫なんだ。行ってきます」
「はい!」
夜の市町は本当に暗くて、ランタンが少しあるだけ。自分は目がいいから別にいいけど、とても昼の様に活動できる環境ではないな。そういうのは都会でも同じだったようだ。部屋からギルドまでは近いので、わたしはそんなに歩いてなくて正門に着いた。
一人で来るのは初めての魔術ギルド。夜シフトの門番が暇になってるのが見えた。
「あの、すみません」
職員さんはわたしを発見して驚く。
「なに⁉夜に頭が光るとは、只者ではないな。せんせいたちに用事があるのか」
なるほど。只者ではないと、用事があるのが魔術ギルドでは普通なのだ。しかもここは安全な市内だから、より呑気になっているのかも知れない。
「はい、占星術師のアストラ・ネロ様との会話の約束がありまして。薬師のステラ・ロサと申します」
彼は書類を確認してる。エンブリオ少年の話通り、記録がちゃんとされていたらしくて、彼はわたしに挨拶をした。
「こんばんは、確かに面接の日程があった。ギルドに登録されてる魔力を確認します」
「わかりました」
自分がもともと少年の部屋のドアロックに初めて登録して、ラファエルギルド長さんに正式に報告して登録を更新した時に、わたしのエーテルは2回以上記録されている。それは、わたしみたいにギルドで正式に認定する「火・水・土・風」の四属性を使ってない人だとしても、「見る」ことができるくらいの非凡のことが親密な人なら、それでずいぶん固有性を持って識別できるものがあるらしい。こういうシステマは、全体的に風のチカラを使って働いているのだろう。
「うん、確認した。入ってくれ。ネロ様のところまで案内するよ」
「ありがとうございます」
門番さんの案内を貰って、中央堂まで歩いた。確かに中央堂はラファエルさんと話に来たこともあるから知ってる道だけど、夜に来るのは初めてだね。
夜にもなんか「四の堂」の間の庭の通路を歩いている人たちがいる……みんなお仕事かな。
門番さんはわたしに話をかけた。
「ステラ・ロサさんは薬師か。マギアではないんですね?四属性のどっちの色でもないんだから。なら、ギルド長さんの知り合いなのか。あ、答えられないものなら答えなくてもいいよ」
なら聞かない方がいいと思います。
「いや、ラファエル・ムジカ様との直接な知り合いではないです。ギルド員の家族です。ただ此度はネロ様に占星術の知識を教わりたくて、会話を申請したんです」
「なるほど」
そして中央堂に入った。様子を見ると、先の庭もそうだったし、働いている人がだいぶ多くいるらしい……やはり都会の人たちは夜にも明かりがあるから働けるんだな。大変だ。
「ここですね」
「そうです。なら、また会いましょう」
「ありがとうございました」
わたしは軽くノックをした。
「入り給え」
ドアをゆっくり開いて、中に入ると、部屋は随分暗いまま、本がいっぱいで神妙なカタチの機械があった。
「こんばんは、薬師のステラ・ロサと言います。エンブリオというギルド員と一緒に住んでいます」
中々歳を取っているマギアの人がいて、どうやらその人がアストラ・ネロさんらしい。
「こんばんは、ステラ・ロサさん。私が占星術師のアストラ・ネロだ。ギルド長によると、平凡の占星術に興味があって、四属性の少年との縁があることから、私のことを知ったらしいな」
「ええ」
わたしは結局この人から「方向をわかる方法」をよりわかるために来たので、喋っちゃだめなこと以外は喋る事にした。(もちろん、わたしには喋っちゃダメなことがいっぱいあるんだが)
「……それで、これからもっと立派な薬師として活動するために、占星術が欲しいと。占いは興味ないんかい?」
「占いですか。そうですね。少年曰く夜空のエーテルを読んで、人や国の運命が見れる凄い境地があると聞きますが、わたしは少し薬草を触ってより良くすることくらいが才なので、そんな凄いことができるとは思ってません」
「ふん、それはそうだ。良く言った。なら、占い師にそんなに適性がないと思うから、方向をわかる術として占星術を学びたいと。先に言っておくけど、もともとはそのような正式教育を受けるよりは、普通に羅針盤と地図を買って使用方法を学んだ方がいいと思うよ」
みんなそれ言ってるな。でも、わたしは身軽が好きなのだ。
「いつか薬師の仕事が上手く回ったら、具備したいと思います。今は金持ちになってないのです」




