お喋り大好きな種族
「ふん。なるほど」
なんか狼は納得したようで
「わたくしは知らなかったけど、どうやら、元はこの星で、あいつらは知性体を狩る事が禁じられていたんだな」
「そうです。賢者が法律を作った。
うん?」
おかしい。話が嚙み合わない。
「ふん」
「でも、おかしくないですか?ブイオさまが知らなくて、わたしが知るとか。」
狼はなにもおかしくないように
「いや、おまえは「深紅の悪魔」のエーテルを吸っている。あやつの記憶の一つ二つくらい付けるだろう」
わたしに説明をする。
なんか食べ残しが服に付けるとかそういう感覚で言ってる。
「そういうものか」
「そして、わたくしの知識は、お星さまが持つべきものを共有されたもので、これもこれで、制限されているのだ。」
珍しく自分もなんか仕方ないよ、みたいな感じで言う。
「そうですか。」
「そういうことだ。
話が戻るけど、そういう「深紅の悪魔」の奴らが力を得るのは結局、お喋りだ。」
悪魔の性質に戻った。
わたしはそいつらと生涯やりあうから、一番必要ね。
「陽キャですか」
「いや、そうだったら種族の意識がもっとこう、融合できて、上位の種族になったはずだ。
他の知性体をメディアセンターに使う必要もなかろう。
あいつらは基本、陰キャなのにお喋りすると元気出るタイプなんだ」
「なんと」
陰キャだったらしい。
それでも勝手に喋っちゃうと言うこと。
「ふむ、おまえの言葉で、ちょっとわかった気がする。
あいつらにとって、「知性体を攫うことを禁じられる」
ことは、すごく情緒不安定になる事なんだ」