面白い女
寿命だったのだ。
病気で再設定された体は
もとの無限の命が削られて
髪色は白くなり、魔力は弱まる
彼女の残り少ない命の最後を共にした。
75000年をね
「いや、長すぎたと思うけど」
白神女はツッコミを入れる。
「マジでか?そう思わんだろ?」
自分の分身として現れている彼女を見て、ふむ、独り言じゃ。と、思いながら、わいは問えた。
彼女は嗤う。
「そう。思ってない。嘘だ。わたしは元々「無限の寿命」を持っていたからね。普通の人に比べてどんなに長いとしても、終わる以上、それは異変だと感じる。「生きすぎた」は無いんだ。体質に合う、そういう心を持って生まれた、そういう人間だった。」
だからこうしてくれて
本当にありがたい
「…」
「でも、嘘では無いよ」
どっちだよ。
「わたしが今まで30万年、やっていけたのは我が君が側にいてくれたからだ。普通に殺すと死ぬ。頭と胴体が分離すると助からないし、呼吸が止まると耐えないんだ。
ただ、理想の環境、
完璧で安全に生きた場合に無限の寿命を持ってるのは、なんとかクラゲもロブスターも同じだぞ。」
そして、それらは全部、ムー大陸の最悪の時に滅んでいるー
灰色になって、石ころになって、弾いた。
一瞬で、何千万匹が
悪意と毒気と圧倒的な力で、潰れた。
彼女の元の運命も、同じであった。
瞼を瞑る。
「それはそうだ」
わいとわいの話は、そんな感じで
自分の相棒と自分の原本を思いながら続いて
「いや」
絶望的に言った。わいは。
「今から何をすればいいか、全然わからん」
「せやろか」
「真似するでない」
「はは」
「笑うではない」
「わたしのこの宇宙一番大事な君。いや、神様。
先も全然同じ事言ったけれど、改めて願う。
わたしに縛られた旅は終わった。わたしは亡霊だ。
これからはこの星を愛して、楽しさを求めて生きてくれ。」
変色されたとして、権能と力だ。
完全に再現した彼女の言葉は、生前のソフィア・フィリア、白神女そのものであってー
「あー」
わいはその願いを聞きたいと思うのだ。
「わかった。わいはこれからも楽しさを求め、
面白い女として生きるとしよう。」




