凄く面倒くさいシステマ
私は今抱えてる悩みを素直に言う事にした。
「実は私が今日来た理由があります」
「私と世間話をするためではないのですね」
「それもとても楽しかったけど。
私がフィレンツェに来て、今まで賊の襲撃にあったのはあまりなかったのです。だから、今回の件が本当に納得が行かなくて、ここのシステマをもう一回チェックした方がいいなと思いました。だから連絡記録と依頼書などを直接並びに来ているのです」
「そうですか」
「『あいつ凄い報酬を貰ってるのに御者と二人で戻るらしい』という情報がもし協会と私の連絡網から洩れたら、そこから移動の時間も知ってたら、それは確かに有料道路を襲うという極めて危険な行いをやってもリスクよりリターンの方が高いです」
「ありえない。までではないでしょうが、我らの方法からの漏洩は考えにくいです。
もともと互いに責任を分担して、互いが互いを見ている感じ。ミスでも意図でもなんとか再確認ができるようになってる。いやでも信頼度が上がるしかない、凄くややこしいシステマなのです」
「はい、それはいつも有難く思ってます。私もその方法を信頼しているので、正確に言うと『ここは問題なかった』という事を再チェックするために来ていますね。バッチリです」
「ふん……なら、その反対の結論ですか。それも凄くいやですな」
職員さんは私が言おうとする事を察して、私もその推測を肯定した。
「そうです。残りは今回の私の依頼主なのです。消去法でそうなりますね」
私と協会の人々はこの面倒くさすぎる方法を使ったり一部は使ってなかったりして仕事の信頼度を維持してる。記録が交わって整理されるから、登録してる人たちの仕事が被るか、穴が開いているかなどがすぐチェックされて、建築は面倒くさい事だらけだから、これが人力よりいい結果が出せるのだ。
だから、色んな貴族や聖堂の信頼を貰って依頼を受けていい感じに続いてるのだ。そのうちに、「貴族から貰った仕事が問題を起こしました。そして、それは貴族の方の問題だったんです」となると、これはいいことではない。
でも今確認してる通り、私はここのいちばん面倒くさい連絡・要略・更新の管理をぜんぶしている人なので、これくらい確認しても綺麗なら、まあ、あっちの方の問題なのだ。
「正式に質疑を出しますか?」
もちろんこの面倒くさいシステマには連絡網の一段階外の人に物事の確認を要請できる過程も含まれている。だけど、私の結論は出てるので、意見を確実にした。
「いや、ここの問題がない事を確認したので私はいいです」
職員さんは納得した様子だ。
「わかりました。まあ、仕事をより注意して選ぶことでなんとかなる問題です」
「はい、そのための連絡システマでもある」
そして私は職員さんと装飾品についての雑談をもうちょっとして、事務室から出ることにした。
「だから、ルビーが最強なんです」
「確かに。参考になりました」
「それでは、ゆっくり休んでください」
「ありがとうございます」
総合建築協会の事務室を去った。
実は私は依頼主の方を未だにも直接的には疑ってない。そこもリスクの方が大きいからだ。
もともと私を隠蔽のために呼んだのに、帰り道に大変になったらぜんぜん隠蔽できてないじゃないか。
でも、その都市はあまりにもシステマが崩れ過ぎていた。連絡担当の人や他のところから話が漏れても仕方ないように見えた。
私の仕事内容も知って、報酬も知って、そして追加的に「毒ワインを塗った木材を持っていくと困る」「報酬が横取りできるとよりいい」「屋敷は知った事ではない」人物とはなんだ。
これらを全部満足させるのは……☞もちろん、犯罪手段の毒を提供している方なんだろう。
まだ夕になるには時間が余っていて、私は家に到着した。
「ただいま」
「今日二回目のお帰りです」
「三回目だ」
「まだ夜明けの前だったので昨日です」
「私はそれから寝てないから同じ日だ」
「ウチは一回寝てるのでノーカウントです」
「確かに」
「うへ」
私は今回は別にものを持って行ったのでは無くて、素手のまま家に入って、椅子に座った。
「ふうう……『毒殺事件』の事をちょっと調べただけなのに、凄く疲れた」
「レグノの旦那のいつもの平凡の設計の仕事とぜんぜん関係ない部類だから同然です」
「そうだな」
「食事しますか。ウチも手伝います」
「わるい。今日買ったおいしい食材を使う事にしよう」
「やった」




