死の時代は今宵でおしまいだ、その2
赤の怪物は、おれの言葉に回答した。
「きみの脳波と言葉に甘えよう。推測すると、
今はなにかの基準で1472年になっている。
わたしが知っていた環境から国が滅んで、新しい暦にしたのだろう。
うーうんんん?
周りのエーテルが少なさすぎる。
そうだ。ここはムーではないのか?ここはどこだ?わたしに一体何があったんだ?」
むしろ混乱しているようであった。
(そして、喋るのが大好きな化け物である)
なんか古代国「ムー」とか話してるし。
ムーか。
ほとんどの読者は魔術ギルドに関わった経験くらいあるはずだから
エーテルは知っているだろうとしても
かの「ムー」とか。わかるはずもないだろう。
まあ、説明しよう!
それは、今は残り文献も少ない幻の国のことだ。
遥か昔、今の現代社会がある前に、古の文明!
も、ある前に!更に昔にあったといわれる国であって
今はどこだったかも知られてないけれど、
その土地にはかつて、無尽蔵のエーテルに満たされていて
すべての動物と魔法植物が生まれてきて、
幸せな社会が何万年も続いたと言うのだ。
ちなみに、おれはムーは、「ムーの最悪」と言われる神話的事件が原因で、今は空を飛んでいるのではないかと思っているよ。
「おれが知ってるのは、ここは確実に『ム』ーではないということだね」
おれも喋るのが大好きであった。
「エーテルが足りなさすぎる…飛べない。体が重いのだ。
きみの脳を取っても(なんでそんなにおれの脳みそに執着するのだ?)、瓶を召喚できないな」
赤い怪物は困惑していて、
秒に悩みを晴れた。
「まあ、不本意だが、栄養になって貰う」
触手をおれの頭から離して、
ハサミに力を入れようとする、怪物の体の電気信号を感じた。
感じたとして、その腕力は強くて、
少年のおれの力では歯向かうこともできず、
おれのフィレンツェ第一の頭が胴体からさよならバイバイだを告げようとするその瞬間、
「見つけた!!!」
救援の手が現れた。