白い嘘の少女
「そう、おまえの体は星のエーテルになっている。
手に握る杖も、肩を纏うマントもそうだ。
体は人の子の肌のようにぷにぷにで、サラサラで、
服は草とシルクのように柔らかくて、よく伸びる。
杖はおまえのエーテルを増幅できる機能にも充実な、本当の魔道具だ」
「相当の便利主義だ」
「そういう言い方は止せ」
「すんません」
「でも、力を失うと、そういう道具も、衣服も、体も、元の星屑に戻り、崩れ落ちるのだ」
先も、エンブリオ少年に指摘され、めっちゃ変な目に見られたんだ。
彼は優しそうだから、別に問題は無いと思うけれど、後でちゃんと説明をした方がいいかもな。
自ら疑われる要素は残さない方がいいと思うのだ。
「ええ、それを人に、特に多くの前で見られるのは余りにも困ります
だから考えたことがあるけど」
「ふん」
だからあえて、わたしは化け物じゃありません。妖精の類です。怪しい存在ではなくて、神秘の娘だと呼んでください、という安全策を考えた。
でも、ここが、それが通じる社会かどうかが怪しかった。
「先、少年から聞いた物語の中で、「妖精から剣を貰った」騎士の話があったから、ドルイドだけじゃなくても、一般的ではなくても、普通の国の、物語として「妖精さん」の概念がある。」
「「妖」のものか」
なんか言い方が変だけど、
「考えたんです。今からの旅をどうするか。だから結論だけど、
「深紅の悪魔」を倒しながら、「わたしは人です、ただ妖精さんの力でこうなっただけで、害はなくて、悪意もなくて、奥に隠すことも一切ない。大事に参加する気はないけど、「悪魔」を倒すことには積極的に協力する」それをずっと主張して、証明する。」
「あえて知られるということか」
「どうせわたしは眼立つので
あの人はもともとあんなだろう。君も知っているはずだ、という味方を作った方がいい」
「そんなにうまく人たちが味方になるのか?」
「でも、わたしは自分が人だと思っているから」
「ふん」
狼は何を考えているのかよく分からない。
魔術師の少年は、ドルイドの「動物の仲間」とか言ったけれど、
今のわたしたちの気の通路は、一方的にわたしの心の言葉だけ狼に流れている仕組みになって、わたしのプライバシーが欠けているのだ
あまり適当なこと考えても気にしてないけど。
だから考えた。きっとみんな同じだ。
社会に、「まあ別にいいか」になればいい。




