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逃走

「体全部 (ゆだ)ねたくなったならまた呼ぶといい」


わいは舌を出して奴を煽る。


「絶対いやだ」


その言葉を残して、わいは両手を翼に変えて、やつから逃げることにした。まあ、境界(エリア)を張っている以上、今は奴がコントロールできる眷属の自由度は極めて制限されて、わいを境界拡張(エリア・スプレッド)を張ってない時のように、すぐ追跡する事はできないからだ。

つまり、今急いであれを回収したとしても、もうわいはすごく離れているから、追っても遅い。


木属性(レグノ)(クロマ)が目で見えないくらい離れているから、わいは着地して歩くことにした。そして今回の被害、小鳥4匹の事を思った。

やつらは黄金のエーテルで体がなっているからクッソ長生きだけど、生命力は別に平凡の小鳥と等しくて、餌とお水をあげて維持しないとすぐ散ってしまう。そしてやつは真面目だから多分丁寧に扱うだろう。どんなに贅沢であるだろうか?


結局白神女(の複製(コピア))を出した。話し相手は必要なのだ。

彼女は最後の言葉が「次はもっとうまく変身できたら呼べ」だったけど、そのことをあえて言わない。


「ウロボロスの信仰を探すのかい?」


わいの百万の命は別に姿を作ってない状態でも意識が存在できる仕組みではないけど、いったん出たらその瞬間、わいが考える事がわかる。

わいは腕を袖にもどして歩きながら答えた。


「そうだな。『蛇の体に慣れる』『わいを神様として(うやま)る連中を探す』『なんか霊属性の娘を確認する』この3つだ。それぞれ直・間接的に『混沌の娘』『くらくら』『ふわふわ』から貰ってる目的だ。しばらく退屈ではなくなったよ」


「それはよかった」


「いや、明らかに今の葛藤はよくない。やつに囚われたらずっとクッソつまらない話だけ聞きながら奴の庭の新しい草木を見るとか……そういう立場になっちゃうのだ」


「うん、それはわたしも拒否感あるけど、神様の本質が守られることを前提としては、やることができるのは悪くない」


「それはそうだ」


だからわいはあいつ、混沌の種を別に排除するとか、ロロロロロに形を戻すために星のチカラを抜くとか企んでない。宇宙に色は多いほどいい。ほぼそうだ。ただ面倒くさいことがなくなる線で居たいのだ。


状況がそんなに忙しくないので、彼女は以前の話題を出した。


「新たな相棒を探すのはどうなってる?」


もちろん彼女は出る瞬間そういうことまで全部知ってるけど、直接話す過程が意味を持つのだ。


「そうだな。わいは其方(そなた)のことを凄く大事にするから、もし自らわいに来て心と身を捧げる奴が現れるとよし。そうなるまで、べつにわいの方から人の子を誘惑する気はない」


「ふふん、そうなんだ」


白神女(しらかみおんな)は結構ご機嫌な表情でした。うん、間違ってなかったな……

わいは袖を確認したら、あいつからの棘が何個か刺さっていたので、それを引っ張った。


「自立しなきゃ……と、終わっている時代を歩んでみるけど、このようにずっと其方(そなた)を呼ぶ自身が情けないと思っている」


彼女は自分の髪を耳にかけながら微笑んだ。


「人の子の型物理性(かたものりせい)とやらに入っている以上、言葉からチカラが発生する仕組みになってるから、それは同然です」


「そか」


「人は自然に話を好んで、だから神話、星座、干支、御伽噺などを作り出した。それらは品が平凡(オーディナリー)非凡(エキストラ・オーディナリー)物語性(ヒストリカル・アイデア)を配りながら、増えたり変わったりなくなったりする。そういう傾向をなぞるのです」


「うん。それがムー大陸の古代魔術(エンシェント・マジック)だな」


確かに彼女を含め、この世をうじゃうじゃと埋めている、時空を歩み色を見るものは、言葉から様々な術を使って、それが人呼んで古代魔術だ。今は面倒くさく連中の、色んな(マギア)呪術(じゅじゅつ)になってる。


「正確には古代魔術『(みどり)』です。わたしの他の弟子もそれぞれの術を作っていたのさ。そしてその言葉を言う人も今はいません」


「まあ、ほぼ同じだ」

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