鳥かご
「くっ!」
ばれてしまったら仕方がない。わいは衝撃を抑えるために、瞬間的に無数の小鳥に分裂し、やつの本体から距離を取ることにした。
「逃げられないぞ!」
混沌の娘は手の枝を魔力変形して、小鳥の一部を刈り取ろうとした。
《秘術、鳥籠!》
光沢があって細い枝を何枚も伸ばし、わいを囲む形に動く。
わいはまだ小鳥たちのままで、それぞれが飛んでいる状態で何もできない!
急いでできるだけ人の子の姿に(つまり、ハスターさんに)もどした。
「ああ!」
「鳥籠」には、小鳥が4匹攫われていた!
「このように地味にコツコツと貴様のチカラを奪い取るのが私の作戦なのだ。賢いだろう」
「いやだな」
まだ「殴られてた」まま、わいは当たった衝撃をぜんぶ吸収できず、しかも頭と足が逆で飛んでる最中だった。どうする?あの鳥たちを回収しなきゃだ!
わいは黄金の縄を伸ばしてみるが、やつの他の手に弾かれた。
「まあ、荒れた真似はしない」
「もうしているだろう。蛇さんめっちゃ痛く殴ったくせに」
「それはそれが『雑に喋る蛇』だったからだ。凄く気持ち悪かった」
「そか」
獣之魂として足りてなかったようだ。まだハスターさんだったのだ。
鳥籠に囚われている小鳥たちは喋ったり凄く賢い行動を取ったりしない。質量、もしくは質料が足りないのだ。
彼女は腕を引いて、木材の檻と手を分離した。
「このようにどうぶつの姿形である以上、ネズミの『齧る』などの命令もついてない以上、こいつらは貴様のチカラの一部でもあるけど、普通のどうぶつなのだ。丁寧に扱う。エサもあげよう。美味しい種や果実ぞ」
そう言い、奴は檻の中に皿を出して、季節でもないチェリーを何個落とした。
小鳥たちはピピ鳴きながら呑気にそのチェリーを食べる。
「それは安心できるな」
どうやらわいを始末する意がないのは本当の事だったらしい。
「そしてこれはまだ私の仮説の段階だが…話した方が貴様の意欲を削るだろうから言うけど」
わいは両手を翼にし、速度を落として、少し離れて着地できた。
「なんだ」
「私に囚われた貴様の部分は、感じれないんだな」
なぜそれを!
「それはどういう意味だ」
「こういうことまで説明しなきゃか。これだから焔だけで動くものは困る」
「それ、システマの他の連中のディスでもあるぞ」
炎の奴とか、勢いがすごいのだ。もう勢いだけで動いてると言ってもいい。
「おっと。まま、私はもうロロロロロから離れた『混沌之種』だからな。そして炎系はやさしくて雨系と鋼系はなんも考えてないから大丈夫だ」
くっそ馬鹿にしてた。
「カオス・シード?それが君の名か」
「そう、識別子がないと困るから。『平凡と非凡の植物を作って利用する事ができる』色味の一対一対応だ。とりあえず、『感じない』ということは、こうやって貴様から離れて『助けてくれ~~!!!』も喋れない、呑気にどうぶつとして餌を食ってる部分は、私としては貴様の居場所が分かれるきっかけとして機能するけど、貴様は『ムー大陸の様々などうぶつ』をぜんぶ感じ取るのはクッソ面倒くさいことだから、こういう小さい部分がそれぞれどこにいるのかはわからない」
うん、まさにそうである!
「いや、世界どこに居てもぜんぜん感じられるけど。だから『近くにやつがいるな』と、わいの『果実』から気配を感じて、急いで逃げようとしたのだ。論破」
「そうだったのか」
嘘である。
わいの部分は小さくなった時はグレート・オールド・ワンの一部としての少しのきっかけと意味を持つから、それを手足を動くように「多いもの」として感じて、動く事ができるけど、離れているとわからないのだ。でもあいつはなんかとても素直な性格らしいから、最大限情報を隠して様子を見た方がいい。
「だから『混沌の種』さんよ、わいはきみが言ってた言葉通り、完璧に他のどうぶつに化けて、自分の部分を取り戻すぞ。今はそれがばれてしまったけど、頑張って牛さん以外も学ぶぞ」
「それは計画にないな」
彼女は困惑している。




