物欲センサー
「わいはてっきり『私たちシステマのけじめを付ける』という意味で今の相談もきみの『影の蛇の影』もあったと思ったけど。違ったようだ」
るるいはその言葉に珍しく不満をいっぱい込めて両手の指で罰点の文字を示した。かわいいな。
「違います。私はロロロロロに、リンがその霊の娘を探したということを伝えに探してたんです。そしてそいつは探して出て来る性格ではないから、その逆張り性質を狙って、『■■■■さんでも探していた方がいいな。何かの物欲センサーで、やつが現れるかも知れない』と思って」
「物欲センサーとはなんだ」
たぶんこれも真黒化みたいにこいつが適当に作った言葉だな。
「人の子の中で、悟ったように物を必要以上に欲しがらない奴が、逆にその性質が廻の型物理性にいい影響を与えて、周りの者は察してくれて、幸運が働き、結局富を得ることを言います」
「そか」
「まあ、そういう言葉の通りに。私は私なりに…山系は一応影として目覚めた私に今の平凡の事を色々教えてくれたので、その情報交換をした方が公平だと思いました」
「うんうん」
わいはちょっと話がズレる気がしてきた!
「回り回り貴女様の痕跡を探したら、どう見ても『こんな足跡は平凡のどうぶつはできぬ』と感じれる別荘がいっぱい見えたから、その特徴を覚えて、ここまで来ることができたんです」
「そか」
「そして貴女様に会ったら『ロロロロロが失ったという影』の事も、『変色』が起きているという事も伝えようとしたんです」
何というか、真面目な子だ。
「有難い事だ。あいにく、山系のやろうのウンブラの中二病が来てしまった奴に『変色』が起きていることは聞いている」
「そうですか」
「そして、その前に会った山系に、『もう地系が霊の娘を確認した』ということを聞いてるんだよ、わいは」
「へ」
細い指指の動きを止めて、影の蛇の娘は瞳を動いた。こうだから「累」の連中は考え事が遅い。
「先言ったろう。『霊属性の娘』も探すと」
「はへ?」
「たぶんおまえはまだ言ってない」
「それはつまり?」
「あのカブトムシの娘はもう『地系』がその娘を発見しているということを見ていたという事よ」
だからそのことをわいに話した。
「は~~~!!!!」
「いつものシックス・システマ・ロロロロロということだ」
その娘はとりあえず性格が悪いのだ。盗み聞きをして、別にその事を姉妹にも喋ってないんだ。
ちなみに、わいの事も別に会う前に見ていたのだ。その事を、「別荘を作ってる」という事をこの娘に言ったのだ。
るるいは髪型を崩して、やがて平穏になった。切り替えができた様。
「まあ、肯定的に考えると、探す必要が無くなりました」
「それもそうだ」
この子、るるいのウンブラはその気まぐれと容赦なさの娘を、いつまでも探していくつもりだったらしいので(なぜなら、六系はクッソ暇だからだ)わいはその苦労を減らしてくれたという事だ。うん、いい事をした。
「うう、そうですね。確かにあいつは影が『個体としても』ずいぶん小さくて多いから、いつでもどこでも現れることも出来て、見て聞くこともできるんです」
そしてこいつは「集まってる単位」がめっちゃ小さいけど、それらが別に「個体」として成立できない。それは今「混沌」の娘に囚われているわいの血が別に個体として「やだ~助けて~」とか思ってないのと同じだ。
「でも、別にここに現れたりしないな」
「それが、どの個体がその可能性を秘めているか、誰もわからないからです。ああ、実に質が悪い」
わいは正直「邪悪な漆黒の女神」などなどに呼ばれる(そしてこの星では実際にそうである)こいつが他の他人をそう言う感じに悪口をする、このこと自体が面白いと思っているけど、まあ、今はその面白さを人の子の表情やお手手で示すことすらもできない不自由の身だ。
「にゃはは。あ、元の話に戻したいけど」
「はい」
「わいは今の現代社会を生きるために、『干支』や『星座』など色んな魂の結びができるけど、毒を毒で制するカタチで、その『ウロボロス』の姿が必要だと思うのだ」
るるいはめっちゃ嫌そうに手で自分の服を掴んで、歯を見せた。
「食べられるのは嫌です」
「食べないわ」
ちょっと「獣之魂」としてのコツを教わるだけだぞ…




