どうぶつの象徴
これは…「ウロボロス」とやらを真似るしかないか…と、わいは思っていたが、その心を知るか知らないか(まあ、知るに決まっている)夜系のるるいは呑気であった。
「ムー大陸の様々などうぶつの種類で一つを決めて、その獣之魂として精一杯過ごすのです。なら、『白神女の神獣がいるぞ!』と面倒くさく近寄る人の子と『山系からの混沌の枝の追跡』を同時に避けれます」
「なるほど」
実は、どうせ追跡されるとしたら、「白神女の複製」を出せばいい。話をしても、呪術を頼っても全然いい。ちょっとはその時を楽しむ事もできる。まあ、今回のように、適当にあいつから逃げれると思うのだ。逃げて、またこの姿になるといい。
でも、この状況は白神女からの独立でもあるのだ。彼女は、完全なコピアだとしてもその本質は結局わい自身だ。そうであることはそのコピア自身も認める、避けられない事実なので、わいはちょっと人の子らしく悲しんだ。
「お二人は色んな文明を経験しているから、参考できるどうぶつはいっぱいいる筈で、今の人の子がよく知っているものはだいたい75000年前からそんなに種類が変わってませんので、適応することもできると思います」
「適応?それはどういう意味だ?例えば」
結局アニマ・リンになったとしても、「いいえ、そのどうぶつはそういう行動を取りません!」になっちゃうとそれはそれで杜撰な真似事だ。台無しだ。でも、わいは流石に毎回そう避けるのは性に合わないし、色んな経験をする、このクッソ平和な中庭を精一杯楽しむという彼女の望みにもこれは合うはずだ。何かの器にまた慣れる事は必要そうであった。
「そうですね。羽根がある奴の例を言うと、早く飛んだり、安定的に飛ぶものが良く生き延びる。何代がすぎたその絶対結果、『今はそれより素早く飛ぶ鳥が流行ってますよ』と言われても、■■■■さまが持っている情報の中でよく調合すると、優れた特徴を見せて、それもそれで最新の鳥に見えることができるという事です。認められて、誠になればいいです。そこに魂は宿る」
「あ…それは『神獣』の時、この姿でずっとそうだったからわかる」
わいの今の色味に縛られるから、動物の毛は白く、瞳は金色に限られる。でも、姿は適切にその場所の特性に合うように毛の長さなどを調整した。それはこの体が勝手にやってくれる。
「よかったですね。だから『白神女の神獣は白い牛の獣之魂』なんです。その感覚です」
「これがその証拠だったと!」
「周りから見てありそうな形に合わせる」
「へえ」
何も考えてなかったわ。こうだからその中二病の娘は「それのどこがアニマ・リンだ!!!」と、両手から数々の鼠を生やすわいを嫌ってたな。(かわいいと思うけどな)
「で、種類は東の『干支』を使ってもいいし、ここのどうぶつの中でありそうなものを選んでもいいでしょう」
「それは最近わいも分身と話してた。『犬、虎、ネズミなどなど』」
「はい、そういうもんも根本的にその地域に生きてる種類を使って覚えやすくすることと同時に、数を数える時に使うのです」
「地域によって違うのか」
「違います。干支も少し差があるのです。同じ文字を使って他のどうぶつを示したりします」
「へえ」
「人の子の知識として流行る、そういうわかりやすい象徴には物語性がよく付いて、動力。チカラをちょっとお借りする事も利便」
「やっとわかる話が出るな」
「『白神女の神獣』としての『おうし座』も物語性を持っているという観点では同じです。でも、今のその姿は使いづらい。つまり、干支というものと、星座に使われるどうぶつの中で気に入ったものを選んで化けることが適切かと」
わいはどうせこの子、「夜系」も予想していると思って、言葉を投げる事にした。
「たとえ、きみの『ウロボロス』を真似て化けたらどうなる」
「ええ…」
意外と困惑している。




