獣之魂(アニマ・リン)
「もともと獣之魂の定義がわからない」
「そうですか」
この世界に流行ってる生命の型物理性の影。それはシンプルだ。わいも「旧支配者・ハスターのウンブラ」だ。今もわかるけど。でも、わいもいったん「獣之魂」扱いなのだ。なんで?
「ここに来てからのわいの出来事はだいたい知っているだろうけどもう一回言う」
「以前も直接2回くらい聞きましたけど話ながら考えが整理できるんですよ」
「マジか。全く覚えてない」
「へっへっ、そういうもんです」
「うん。わいはとある目的を持って観光気分でこの星に来てる。そして流累絵の変色に撃たれてから相棒と22万5千年を共にした」
「そうですね、愛着スライムでしたね。ムー大陸にも行きましたね」
愛着スライム…?
よくわからん概念だった。
「そう。愛着スライムだ。そしてムー大陸が滅んで、その時に体から離れてしまった勿体ない命をだいたいわいが扱って、この姿になったという事だ」
「真黒化だと私は個人的に言ってます、それ」
「真黒化とはなんだ」
「境界拡張のことです」
「ならそう言えばいいじゃないか」
「いや、色素を吸うから、黒くする。その視覚的な印象をもっと大事にしなきゃです」
「わからんことを言う」
でも、その娘は止まらなかった。
「そしてその色素を普通に吸うと『真黒化』で、■■■■さまの場合これはもっと大きいから『マクロコスモス』と呼ぶ」
「面倒くさい」
「はい」
本当に悩みも変な考えもぜんぶ集まってるやつだ。多分「霊」がいっぱい発生したから、この子にも衝撃的な事件だったんだ。
「その時貰ったいっぱいのどうぶつの中で、相棒の考えでは、牛がいちばんよかったから、そのあと75000年間…わいは牛さんになった」
ただそれが「白神女と神獣」の概要である。
「よく維持できましたね」
「そうだな。それがキット白神女の立場を思ってたからだ」
いま改めて思うと、確かに気まぐれそのもののわいがよく耐えたと思う。
「なるほどそうです。彼女の立場で『つれてる神獣がずっと変身する』は流石に奇怪なんです」
「そう。そして、わいは別に牛さんの身だけをもってるわけではないのに、実家の方向に『おうし座』までできた」
「お偉いさんだからどうぜんです」
「これ、獣之魂というものの判定、ガバガバではないか?」
ここ何日…何週間かもしれない。最近の悩み事だった。なんで「これ」は行ける?なんでこの姿になるとあの混沌の娘が持ってるわいの血は反応しなくて、「地系の民」扱いだ?
るるいはなんかめっちゃ嫌な笑みを見せながら、指指を動きながら、結局言った。紛らわしいな。
「実は、そう思えたらそうなんです」
それは、知ってるわ。
「でも、嘘じゃないか。『這い寄る混沌』でもないのに、嘘が通るのか」
「いや、意外と嘘と真の区別はそんなに厳密ではないです。平凡と関りが多い場合、特にそうです」
「せやろか」
「非凡の心と体を持ち、星からの来訪者などと違ってこの星の生命はそんなに早く変わらないんです」
「そか」
「貴女様が来る前に、酷寒だ、火山活動だ、隕石だ、色んな平凡の災難が起こりまして、さまざまな形の変化がありましたが、それでも、私たち6人が定義できてからのシステマは続いていたから」
「ふん」
「ずっと牛ならあれは牛だ。なぜなら、誰が思ってもあれが命を絶えると牛さんの骨を残すように見えるのではないか」
「実は残らないけどね」
わいは根本的にどうぶつの出来事を覚えている身だ。
「でも、星のものと違って、そういうもんが固く信じれる。だからそこから型物理性がまた生成されます」
「うん…そこはなんとなくわかってるんだ」
わいは今のわいの発言権を前足で弄りながら答えた。
「そして、『やはりこの白い牛さんよりは白神女の神獣だな』みたいに実際の牛さんのイメージにも影響します」
「そうだったのか」
不本意に白い牛さんたちの代表になってた。
「だから『白神女の神獣』は白い牛の獣之魂なんです」
「なるほどわからんな」
つまり、こいつたちが絶滅しない限り、「あれあるくないか」になると、それはあるものになる。それっぽい姿であると、続いたら本当になるという事か。ぶにゅぶにゅより変だな。
「話を戻すと、■■■■さんが自由に動くためには、他の獣之魂に化けた方がいちばんいいです」
「そうなんだな」
「真黒化」のくだりはここしか出ないと思ったので、投げちゃいました。ごめんね、るるいちゃん




